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新宿の顧問弁護士なら弁護士法人岡本(岡本政明法律事務所)

当事務所では、上場企業(東証プライム)からベンチャー企業まで広範囲、かつ、様々な業種の顧問業務をメインとしつつ、様々な事件に対応しております。

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コラム - 最新エントリー

 

1 破産管財人はタフな業務
 
(1)  破産管財人とは何でしょうか?
詳しいことはお分かりにならないのが普通ですね。そんな単語、聞いたことがないという人も多いはずです。しかし破産の申立をした人は当然にご存知でしょうし、破産に関係する本コラムを読もうとされる方々は知っておかれるべき入門編の知識になります。
 
(2)  破産管財人は破産手続で最も重要な機関です。東京地裁破産部に所属される裁判官による力作「破産・民事再生の実務」をひもときますと、「破産手続の機関の概要」の項目第一行目において「破産管財人は、破産手続開始の決定と同時に裁判所によって選任される、破産手続の中心的役割を担う機関である」と記載されております。破産事件の帰趨は破産管財人の腕で決まると言っても過言ではありません。
私が破産管財人に選任されて管財業務を行ってきた約20年間の詳細をお話しするだけで皆様の興味を呼ぶ何回分ものコラムを書けますし、それは同時に破産手続の中心的役割についての説明にもなってしまいます。破産管財人には緻密な法理論の武装と決断力が問われる世界であり、少数ではありますが、難事件になりますと、「その人(弁護士)のなり」までが問われます。私は、このような事件を多数任され、職業冥利に尽きると思ってやってきました。東京地方裁判所には、充実した日々をおくらせていただき感謝しております。
 
(3)  ところで本コラムはどのような人が読んでくださっているのでしょうか。執行費用のコラム欄が若い弁護士の先生方から大好評です。でもあんな実務の情報など、私には何の意味も見出せません。コラムを書いている者の心情が出てくる訳もなく、ちっとも面白くないからです。
当初は、弁護士としてのいろんな体験をお話しして、弁護士でない方々に「いろんな人がいるなあ、見方もいろいろあるなあ」と思っていただくとか、読む人の趣味程度で読んでいただきたいと思って本コラム欄を作りました。しかし、読まれている方々の評判をお聞きしておりますと、小説のような感じで楽しんでいただいている訳ではなく、事件解決のヒント或いは知識として読まれている場合が通常のようです。或いは本コラムが法律の世界の入り口として読まれていることも聞きました。これらを考えて、コラムの内容も当初とは大分変わってきております。
今回は、破産事件等について関心を持たれている方々のために、面倒でも破産事件の基本理念から説明し、破産管財人の在り方に関するエピソードを紹介しましょう。
 
2 破産法の目的
破産法第1条では
「この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする」と規定されております。
上記条項には破産における目的が書かれております。この目的とされる事項は、?債権者、利害関係人との権利関係の調整、?債務者の財産の適正かつ公平な清算、?債務者の再生の機会の確保と多数にのぼります。破産管財人はこれらの目的を実現する機関であります。破産管財人はこれらの使命を決して忘れてはなりません。
 
3 破産管財人の使命に関係したエピソード
 
(1)  破産管財人が具体的に何をなすのかは次回のコラムに先送りして、私が小説に使いたいと思ったエピソードを紹介しましょう。
 10年以上前のことになるでしょうか、東京にある三つの弁護士会の弁護士同士の間で、破産事件をやっていて自分の悩んでいること等をネットによって相談ができるシステムが開発されました。
 ある時破産管財人をやっている若い先生から、免責の意見に関して、これまで免責不相当の意見を2回も出したと多少「自慢げな感じ」で投稿があったのです。この若い弁護士に対して、わっと多数のメールが入り、この先生を強く非難するメールが溢れました。これを今流に言うなら「ネット炎上」というのでしょうね。私もこの若い先生に対して破産者に対する配慮、即ち破産法の三つ目の理念「債務者の再生の機会」に対する自覚が足りないと強く思いました。でも罵倒のようなメールに接しているうちに間に入らねばならないと焦り始めました。当時私はこの三つの弁護士会で法律相談の協議をする議長でしたから、総責任者として当然にその責務があります。
 
(2)  10日も経たない頃、別の若い先生から、免責について真剣に悩んだ経験とその破産者の内容が書かれたメールが投稿されました。
 最初の先生から「私は泣きながらこのメールを書いております」と「三回」も、「泣きながら」感謝するメールが入りました。本当に苦しまれていたことが分かる内容でした。私は事務所の若い先生に、小説に書く材料としてすごいネタだと何回も言ったものです。
 
4 感想として
  昔は破産法の基本理念を随分議論したと思います。
  最近増えた弁護士同士の種々のメールを見ていても、このような熱いメールは減りまし 
    た。破産法も定着し、破産に対する考え方もそれほどシビアではなくなっております。これはいい傾向でしょうか?

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1 破産会社と整理屋さん
  バブル崩壊当時の破産は深刻なものが多かった。
  東京地方裁判所裁判官から、浅草のかばん屋さんから破産の申立てがあったが「整理屋」が入っているようですと教えられました。私は破産管財人に選任されると同時に社長を伴って会社に行きました。通常は破産管財人選任許可が出る前から行動しておりますが、整理屋さんの実態が明らかであるため決定書の写しが必要だと判断しました。
    会社に乗り込んだ当時は冬の本当に寒い時期でした。石油ストーブだけの寒い中で、ワイシャツだけの中年男がチンピラ風の男性達を連れて事務所に座っておりました。その方に当方の事情を説明して、これまでの経緯をお聞きしたところ「債権者が勝手に商品を持って行ってしまうので、頼まれて自分達が会社を守ってやっているんだけど、社長が無責任に行方不明になって」というような説明をしておりました。確かにいくら寒くても薄いワイシャツからは刺青がはっきり見えており、一見しなくても「怖い方々」だと分かりました(効果歴然というのですね)。社長は「頼んだ訳ではない。この方々は最初債権者の代理人だから金を払えと言ってきた。払えない状況なら商品で払ってもらうしかないと言われて、いつの間にか商品管理までするようになった」との返答でした。
確かに、確認書を交わそうとしてハンコを押す赤い印肉を探したところ全く見当たらず、よく見てみますと文房具らしいものが殆んどなくなっているのが分かりました。火事場泥棒にあったとはこのような状況だろうと思いました。「普通のおじさんが(債権者)が持ち帰った」とその「筋の方々」の話を聞くにつれ、人間の卑しさを見たように思いました。しかしながら、自分の債権を保全すると言って全商品の売掛金を自分のものにするというこの「筋の方々」はもっとひどい。犯罪にあたりますと説明しましたが、これを「釈迦に説法」というのでしょうね。
この金銭の回収も困難を極めました。ここで私の自慢はその「筋の方々」が警察に解散届を出してくれたことです(もっともその方々は、もっとやむに已まれぬ事情があって、それを利用されただけだと当方も分かっていますが)。
 
2 荒れた債権者集会
  当時、東京地方裁判所が開廷する債権者集会そのものが荒れた事件もありました。
  当日は、街宣車が裁判所の前を行ったり来たりしておりましたので、裁判官も意識はしていたのでしょう。しかし開廷が15分程度遅れたのです。事情は分かりませんが、本当に間が悪いとはこのことだと思いました。始まった法廷では、先ず裁判官が遅刻したことについて謝罪をするようにという不規則発言から始まりました。当時は、債権者集会も通常の法廷で開かれておりましたが、裁判官も新たな廷吏を動員する一歩手前まで事態が混乱しました。でも裁判官が遅刻をしたのは事実であり、その点については私も弁護の必要を認めませんでした。
   荒れるに荒れたその日は、二回目の債権者集会が開かれる日程だけを決めて終わりましたが、法廷はその筋の方々が殆んどでした(多分全員のように見えました。債権者の確認もできなかったのです)。中心で発言される債権者は当時右翼的な大学で知られる大学教授が代理人で出席されていると聞いてびっくりしました。世も末だと嘆きました。
   でも最近は、こんな映画や小説のような話は本当になくなりました。破産制度が定着し、皆様も破産慣れしたのです。
 
3 会社社長の深刻度
  当時は、筋悪の債権者に社長が拉致されたという話もよくありました。拉致した会社は、ちゃんとした上場会社で馬鹿馬鹿しくなったこともあります。その会社の支店長に電話して、「警察行かせるから待ってろ」と怒鳴って本当に即時解放させた事件もありました。破産される社長さんも破産になると抜け殻のようになって、自宅にもどこにも行く場がなく呆然とされておりますので、会社と同様私の事務所に出勤してもらい座っていてもらう処置をした社長も多数おられました。今はこんな方は殆んどおられません。
   我が国では、通常、社長個人も連帯保証人になっており会社と同時に破産申立をしますが、免責の裁判が引き続き行われます。かっては厳格に一人ひとり法廷で証言をして免責審査されるのが常でした。現在は破産の責任を感じる暇もありません。免責手続きもすこぶる簡単で、寧ろこんなことでいいのかと裁判所の姿勢に疑問を持つほどであります。
築地の仲卸の事件で、給料も会社経営のために貸付けていた従業員が債権者集会で「社長、頼むから隅田川に飛び込んでください」などと叫ぶ事件も今は見ません。この社員の方は、築地の業務が終わる午後3時頃になると毎日事務所に抗議の電話をしてきましたが、私と意気投合して、3回続いた債権者集会で、他の金融機関の方の質問に対して「そんなありえないことを聞くな」と私を庇って?くれるほどになりました。
 
4 時代は確実に変わった。
  免責には分割弁済が必要な時期もありました。若い弁護士の諸君には驚きと思います
 が、1年程、払える金額を決めて当該分割金を支払わないと免責されない時代もありまし
 た。破産申立前、債権者説明会を開くのも通常弁護士の仕事でした。灰皿などは飛んで来
 るので置かないようにしようなどと打ち合わせをしたのが信じられません。現在は民事再生
 のような場合以外説明することもなくなってしまったのです。
  かって、破産は当事者である債務者の責任か?などと論じられることが多々ありました
 が、現在はあまりないですよね。

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1 深刻な風評被害の増加傾向 
平成24530日に総務省が発表した調査結果(http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/120530_1.pdf)によると、日本におけるインターネット普及率は79.1%、スマートフォンの普及率は16.2%にも及ぶそうです。
如何に情報技術が浸透し、気軽に様々な情報にアクセスできるようになっているのかが良く分かると思います。
他方で、情報が氾濫しているといっても過言ではなく、虚実入り混じった情報が半永久的に残ってしまうということも多くなっているようです。
とりわけマスメディアに端を発した情報の影響力は極めて強く、情報が虚偽であった場合に受ける損害は甚大です。
最近では原発事故に伴う風評被害が報じられていますが、有名なところでは、ニュースステーションという報道番組が農作物のダイオキシンに関して報じて風評被害が生じた事件がありました。
今後ますます風評被害が増えていくことは間違いなさそうです。
 
2 風評被害の損害賠償請求は難しい? 
(1)貴社が風評被害を受けた場合、法律論上は、名誉棄損罪、信用毀損罪及び業務妨害罪に該当すれば刑事告訴できる可能性もありますし、損害賠償請求訴訟を提起することもできます(ネット上で行われた風評被害については、また別の機会に詳しく説明しようと考えておりますが、相手が誰なのかが不明である場合には、相手を特定するために発信者情報開示請求をすることなどから始める必要があります)。
  もっとも、詳細な調査と緻密な分析なく損害賠償請求訴訟を提起した場合、高額な損害を獲得することが困難であるばかりか、請求が認められない恐れすらあります。 
(2)このようなことをいうと、「何言ってんの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
  いったん風評被害を受ければ、評判はガタ落ちになり、数十年にわたって構築したブランド価値さえ損ないかねません。インターネット上の“口コミ”などで叩かれれば、顧客が減少するのは目に見えて明らかです。
  「莫大な損害が発生しているのは明らかなのだから、裁判においても認められるに決まっているでしょう!」
  そう考えるのも当然と言えば当然です。 
(3)しかし、訴訟で損害が認められるためには、風評被害から生じた損害額がいくらなのか具体的に立証しなければなりません。
  “大体これくらいの損害が生じました”というような曖昧な主張では裁判所は納得してくれません。あらゆる客観的証拠を提出して裁判所を説得しなければなりません。
  それにもかかわらず、訴訟上、ブランド価値や評判など無形の価値が毀損された場合の損害賠償額を適切に算定する方法は確立されていません。
  裁判所さえもどのように算定するべきか手探りの中、風評被害からどのような損害が生じたのか、具体的な証拠を根拠に立証しなければならないのです。
 
3 風評被害の裁判では様々な点が争われています。
(1)風評被害が生じた際の論点は多岐にわたっています。
  例えば、国が、特定のA社を名指しした上で、不正確な情報をもとにカイワレ大根がO−157汚染源の可能性が高いと指摘したとします。
  当然、名指しされたA社は損害賠償請求可能ですが、同じくカイワレ大根の生産業者でありながら名指しされていないB社が損害賠償請求することはできるでしょうか。
  同様の事例で裁判例は結論としてB社が損害賠償請求できることを認めました。
  しかし、同業者であればいかなる場合も損害賠償請求できるとまでは考えられていないのが一般的です。如何なる場合に損害賠償請求できるかは慎重に判断する必要があります。 
(2)或いは、C社から仕入れた食品が原因で食中毒が発生して売上げが減少したとして、飲食店(レストラン)がC社を訴えたとします。
  この場合、C社から「うちの食品が原因ではない」という反論がなされることがあります。
  そこで、裁判例を見てみると、具体的事情によって結論は様々です。例えば、瓶詰オリーブの開封後に菌が混入したのかどうかが争われた事件においてはC社の責任が肯定されましたが(東京地判平成13228日)、バイキングレストランにおけるケーキの汚染経路が争われた裁判例ではC社の責任が否定されています(東京地判平成231026日)。
  そもそも誰の責任なのかについてもしっかりと証拠を収集してから裁判を起こさなければならないことが良く分かって頂けると思います。 
(3)これ以外にも様々な論点があります。
  裁判所に提出可能な証拠をもとに、どのような請求をすることができるかを検討し、戦術を立てることが必要不可欠です。
  どのような戦術を立てるべきか是非当事務所にご相談にいらっしゃってください。
       (今回の記事は岡本直也弁護士が担当しております。)

 

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1 事業譲渡型とは
 
(1)   会社という事業そのものを譲渡することと、その企業を再生させるということとは論理的には関係しておりません。最近の流行として、事業の承継すなわち相続にまで配慮した事業譲渡をしようという二代目対策も講演会の材料であります。そもそも自分は引退したいので自分が育てた事業を高く処分して、その代価で楽隠居の人生を送りたいという相談も多々あります。
  しかし事業譲渡は、実は企業再生と密接に関係し、倒産業務と不可分なのです。
 
(2)  実は、事業譲渡型から事例紹介をしたいと思った原因は、ライブ ドア事件で有名な堀江貴文氏の「『刑務所なう。』ホリエモンの獄中日記195日」(文藝春秋発行)にあります。
ライブドア当時、マスコミが呼んでいた名前「ホリエモン」と呼びますが、刑事事件になるずっと前に彼が話しているという内容を伝え聞かされました。つまりホリエモンがどうしてもやりたい将来事業は、医療関係の事業と宇宙関係の事業だと言っていると聞いたことにあります。私が顧問をしている医療関係の会社と宇宙産業の会社に対して、ホリエモンの関係者より事業譲渡の話がきた際、個別に各会社社長よりこの話を聞かされました。当時はホリエモンの先見性に感心したものです。しかしながら資金力にものを言わせて事業譲渡を迫るなど顧問会社からすれば複雑な話ではあります。当時必ずしも評判のよくないホリエモンの会社に吸収されてしまうと大騒ぎになり、急遽、打ち合わせをしました。
 ホリエモンがどうしてもやりたいと思う将来事業には「さすが夢があるなあ」と感心したことを覚えております。ホリエモンは獄中においても宇宙に関係する本を読んでいることを知り大変うれしく思いました。毎日、腕立て300回には拍手を送ります。
 
(3)   宇宙関係の会社は、世界を股にかけた会社でしたが、社長の夢は圧倒的な先駆者ではあっても社会環境が追いつきませんでした。ホリエモンとの関係も、宇宙関係の顧問会社として暫くは続きましたが、ホリエモンの刑事事件となって終わりました。会社を破産整理した原因は、ある国の不誠実な対応が原因でありましたが、社長との交遊は今でも続いておりますし、当時報道されたこと以外、詳細は述べられません。会社はホリエモンの刑事裁判と並行して整理することになりましたが、社長の夢は、今後必ず実現するものと何時も応援させていただいております。
 
(4)  提案のあった医療関係の会社は事業資金に窮しているわけでもなかったため、申し出は検討させていただきましたが、最終的にお断りさせていただきました。その後のホリエモンの行く末までは予想できませんでしたが、本当に適切なアドバイスができたと自負しております。
 
2 倒産関係事件は奥が深い
 
(1)  倒産業務に関係する事業譲渡は本当に多数経験しました。
   前回コラムで書きました医療法人の破産の申立ては、事業譲渡をした後に、残り粕の医療法人について破産の申立てを行った典型的な事例です。なんだか企業再生支援機構に自慢話をされているようで、当事者である当事務所は「大袈裟な話をして」と冷めた目で支援機構を見ざるを得ません。そもそも本事件は、民事再生における事業譲渡と何ら変わりのある話ではありませんでした。当事務所のように破産業務が多く、しかも企業法務を売り物にしている当事務所では通常の当たり前の事件でしかありません。
 
(2)  そもそも当事務所は築地市場における破産整理をする専門事務所の草分けと何回か前のコラムで書きました。
「仲卸」と言われる魚介類の売買を行う魚屋さんは、東京都に認可された営業権の譲渡なくして企業整理できないのです。営業権と言っても土地所有権があるわけではありません。魚介類を売る狭い場所の使用許可がなされるだけです。(ところで築地市場は公設市場としては世界最大のものと言われるほどの規模を誇り、「猫車」の横行等びっくりするようなところです。東京都が豊洲に移転させる前に是非一度見学に行ってください)。
昔はこの営業権が何千万円という高額で取引されました。この営業権を「大卸」と言われる水産会社がピンハネしておりました。これらの水産会社は上場企業であったりして魚介類を掛け売りして、仲卸の面倒を見てきたという自負がありましたから、営業権の売却による代金は大卸が当然のように魚介代金の肩代わりとして収受していたのです。当職他3名の弁護士(実際、実現させたのは私と私が尊敬する弁護士)が東京地方裁判所に保全管理人として任命され、これらの大会社と立ち向かったのが今から10年以上昔の話です。私も名物社長に談判に行って逆にお寿司をごちそうになるなどして破産法上のルールに則った配当ができるように変更できました。
一年に3件程度を任されてきましたので、築地関係事件だけでも30件以上の会社整理型事業譲渡を取り扱ったことになります。
 
(3)   倒産業務と一括りにして説明されることが多いのですが、特別清算や民事再生は事業譲渡とセットにして申し立てられることが多いし、当事務所もセットにして提案しております。もちろん事業譲渡に応じてくれる資本家や会社の存在については、当事者である整理対象会社の皆様がもっとも情報に通じておられる訳ですから、その方々の提案に応じて会社整理の方針を立てるわけです。当然、その業界において必死で闘ってこられた関係者の方々は、その会社をもっとも欲している当事者をご存じない訳がない。しかし医療法人については専門の業者と契約して買受先を探しました。この業者は当事務所の報酬より高いのですよ。
 弁護士の仕事は、これらの意向をルーティンにのせる作業をすることです。そして従業員の皆様が継続して働く場所があれば、これに勝る業務はないと思います。もっとも築地仲卸の営業譲渡には従業員の皆様の雇用継続がほとんどありません。残念です。
 
3 倒産関係業務はやりがいのある仕事
  前回のコラムで、記録を整理していて何と倒産関係業務が多いのかと改めて感心したと書きました。私の基本が何処にあるのかを思い出すことも必要です。次回も倒産関係事件のコラムを書くことにします。

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1 前回のコラムで約束した「事例紹介」の難しさ
 
(1) 所長である私は、前回、当コラムにおいて、次回から当事務所で扱った倒産関係事件の紹介をしたいと書きましたが、プライバシーの関係や債務整理事件の大量広告の時代を考えるともう一つ気乗りがしません。所長である私は、当事務所を信頼して事件を任せていただいた依頼者皆様の信頼を壊すような形で事例紹介をすることは厳しく戒めております。
確かに奇想天外で、小説でしかお目にかかれないような事件もありました。私自身を詐欺の対象とした「素晴らしい発想?」の事件もありました。当コラムを読んでいただいている若い弁護士先生にぜひとも読んでいただきたいような法律上珍しい事件もありました。
しかし、その内容がプライバシーに関係すると判断したものについてはそのまま紹介するつもりはありません。形を変えて記載するにしましても、プライバシーというような法律論以前の問題と考えて書いてきました。つまり私のモラルに反しないと判断しない限り書くつもりはありません。
 
(2) ところが世間ではこの基準が変わってきているのですね。
二か月前のコラム「弁護士に能力差はあるのか?」で紹介した三つの事例も、既に当ホームページ「借地借家の秘訣」で記載したものであり、且つ事例紹介に支障がないと容易に判断できる事例です。
そこで紹介した事例、債務名義を得ないで行った終局的解決の「団交の仮処分」事件は整理回収機構でも有名な事件であり、当時報道もされております。その内容においても傷つく人はいないと容易に判断できます。第二の「北池袋の明渡事件」として紹介した事例、念のため本事例は、高額の明渡料を拒否してそのまま賃貸借契約を継続させるという内容で勝訴判決をとった事例ですが、私の知らない間に、いろんな学術書や判例紹介において実名入りで紹介されています。後日、当事務所の若い弁護士が明渡事件を扱うことになって種々資料を探していたのでしょう、「すごい判決があります」と私にその学術書を持ってきたのには、当事者である私だから驚きました。どうしてこの本の著者は私に連絡しないのか疑問に思いますが、当事件は既に周知の事実と言えるのです。
 
(3) しかも一昨年行った大型病院の倒産業務については企業再生支援機構のホームページに実名入りで解決の手順を含めて、事例が紹介されているのです(しかし当事務所の名前がないのは残念ですね)。
当該ホームページには、公表事例として本事件を「私的整理の事例が少ない医療法人の再生モデルを提示することを目指す」事件として紹介されております。厚生労働大臣の所見も述べられ、当時私たち当事者が何とか労働者である医師や看護師、入院患者の皆様に迷惑をかけないで債務整理できないかと日夜悩んでいたことが当機構の「支援の意義」にそのまま記載されているのです。「高い公共性」、「地域への貢献度」、「有用な経営資源」、「医師看護師への配慮」等の各項目を読んでおりますと、院長先生や事務局長の皆様との苦悩の毎日がいやでも思い出されてしまいます。
 
(4) 私が極力分からないよう工夫してきたことなど、もはや配慮の必要がないと思われるほどであります。
 
2 所謂「クレサラ弁護士」への嫌悪
 
(1)           倒産関係のコラムを書きたくない理由はまだあります。
バブル崩壊後大量広告で集客し債務整理や破産関係業務を行ってきた、いい加減な弁護士や法律事務所に対する怒りです。私は、当時東京にある弁護士会の法律相談センターを統括する東京三弁護士会法律相談連絡協議会の議長の立場にありました。これらの法律事務所は、弁護士がほとんど関与しないでも業務ができる体制を作ることを経営指標としているため、依頼者の皆様に本当に迷惑をかける事例が頻出したのです。つい最近もテレビやチラシ等の各戸配布などという集団集客をしている法律事務所が、事件放置を理由にして、依頼者に損害賠償をするように命じられた判決も出ているほどです。
また過払い金を回収しない横着な弁護士や司法書士がいるという事例についても東京地方裁判所ですら周知の事実です。私が個人再生事件の再生委員をお願いされる際にも、裁判所の書記官から注意される事項の一つであり、このような司法書士或いは弁護士は、法曹界からいなくなってほしいと考えたりします。
 
(2)      倒産関係業務に関係するコラムを書くことは、以上に述べました安直に利益に直結するビジネスと同列にみられることが不愉快でならないからです。確かに法律相談センターの委員長までやっておりましたから、皆様の債務整理から破産まで数多くの事件を処理してきました。発生当初の「闇金」の連中とも怒鳴りあいの毎日でした。それぞれ事情の異なる依頼者に対応することは弁護士にしかできないことが多いのは常識です。大量処理を目ざす法律事務所で十全の対応ができるとは思えません。弁護士が直接解決に全力を尽くさなければ良い解決などできないというのが当事務所の信念であります。
 
3 今でもあったクレサラ弁護士の大量集客広告
 
    今回倒産関係に関するコラムを書こうとしてネットを見ていて驚きました。倒産関係事件について「歳末特別価格」と称する広告ホームページがありました。私が倒産関係に関するコラムを書きたくないという気持ち、お分かりいただけるでしょうね。
 

 

 

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1 貴社の就業規則規定は無効の可能性があります。
 
(1)これまで、当コラムにおいて、元従業員に営業秘密を持ち出された場合の対処法を書きました。営業秘密において「秘密管理性」の要件を満たすことがいかに重要なのか分かって頂けたと思います。
   今回は、裁判例上の「秘密管理性」の基準を満たすほどしっかりと営業秘密を管理していなかったけれども、“元従業員が競業会社を設立してけしからん!”という場合の対処法について書いてみたいと思います。
 (2)皆さんの中には、“我が社は就業規則で退職後の競業避止義務を定めているから大丈夫”と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
   しかし、退職後においては、職業選択の自由が認められています。そのため、裁判例においては、競業制限の期間、場所的範囲、制限対象となっている職種の範囲、代償措置の有無などから見て不合理な場合には、競業避止規定が無効になると判断されています。
   実際、裁判例の基準に当てはめると、極めて多くの会社の競業避止義務規定が無効になると考えられています。
   当然ですが、競業避止義務規定が無効ということになれば、退職後の競業を禁止していても完全に砂上の楼閣です。
   貴社の就業規則規定が有効であると言い切れるでしょうか。
 
2 競業会社の設立が違法になるのはどのような場合か?
   仮に貴社の競業避止義務規定が無効だったとしても、それだけで気落ちする必要はありません。
   裁判例上、「自由競争を逸脱した違法な行為」であることが認められれば、元従業員の行為を違法と認定することができるからです。
   では、「自由競争を逸脱した違法な行為」とは、どのようなことをいうのでしょうか。
   実は、この点については、裁判例上も明確な基準があるわけではありません。そのため、詳しくは当事務所まで問い合わせて頂きたいのですが、次のような例を挙げることができます。
   例えば、元従業員がA社在職中から新会社の設立を企図し、突然にしかも一斉にA社を退職して新会社を設立し、A社の得意先に対してA社と同一または類似の商品を販売開始した場合です(東京地判昭和511222日)。
   また、元従業員が顧客に対して、新会社が事業を承継したかのような誤解を生ぜしめる通告をした場合にも、営業妨害行為として違法であると判断されました(横浜地判昭和591029日)。
 
3 勝訴するために重要なことは何か。
(1)元従業員が競業会社を設立した場合に損害賠償を請求したいと考えるのであれば、最も重要なことは競業避止義務規定を有効なものに変更することです。
   競業避止義務規定が有効の場合、元従業員に対して損害賠償請求をするばかりか、元従業員の競業行為を差し止めることまで認めた裁判例も存在します(大阪地判平成31015日)。
   当事務所にご相談に来て頂ければ、貴社営業の実情がどのようになっているのかを十分に把握した上で、有効な競業避止義務規定をご提案致します。決して貴社の実情を無視して、法律上の建前を無闇に押しつけるようなことは致しません。 
(2)仮に競業避止義務規定が無効のまま元従業員が競業会社を設立してしまった場合、元従業員の行為態様がどのようなものなのか十分に検討する必要があります。
   先述したような営業妨害行為があれば、元従業員の行為が違法であると認められる可能性が高まります。
   また、そもそも貴社在職中に顧客に対して新会社と取引を行うよう勧誘していたような場合には、違法行為であると認められる可能性が高くなります(東京地判平成21714日)。
   そればかりか、元従業員が貴社に対する信用毀損行為をしていれば、不正競争防止法上の違法行為になる可能性もあります。実際、当事務所では、信用毀損行為を行っていた元従業員に対して損害賠償請求訴訟を提起し、勝訴しています。
   元従業員に対する訴訟を提起したい場合、証拠からどのような認定ができるのかを緻密に分析した上で、就業規則上の競業避止義務規定に捉われず、広い視野で元従業員の行為が違法ではないかを検討する必要があります。
   元従業員の競業行為に悩まされている経営者の皆様、是非一度、当事務所にご相談にいらっしゃってください。
           (今回の記事は岡本直也弁護士が担当しております。)
 
 

 

 

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1 当事務所での事件記録の保管はどうしているか?
 
(1)  当事務所では、数年毎に終了した事件の記録を点検し、保管するか廃棄するかどうかを決めています。
事件記録の整理・保管の仕方について、事件として受任した段階から順に説明しましょう。このような説明をする法律事務所のコラムは見たことがありませんが、当事務所のポリシーを説明するにはうってつけの題材です。
 
(2)  事件を受任すると、決められた担当者が予め決められた一定の方式で記録の作成を開始します。事件が継続している限り、担当弁護士が事件記録を整理作成し、決められた場所にて保管します。便宜を考慮して、通常は、担当の弁護士が自らの本箱で保管することが通常ですが、巨大事件は事務所中央にある本箱で共同保管します。
ここで重要なことは、どこに保管されていても、他の弁護士や事務局も同記録を閲覧或いは自由に取り出せるシステムをとっているということです。当事務所は、他の事務所以上に、各事件に対して事務所全員で議論し、その議論に基づいて種々の対応をすることを念頭においています。したがって係属中の記録の整理には、他の弁護士や事務局が閲覧しても直ちに分かるように記録されねばなりません。常に事務所全員で全ての事件に対処しているという認識をもっていることが必須なのです。
当事務所に参加を希望される弁護士、司法修習生諸氏も、自分の個人事件であっても、同様のシステムが採用されることを了解されないのなら、履歴書の提出など絶対にしないでください。
 
(3)  事件として終了すると、通常、暫くは担当弁護士のロッカーに置かれることが多いが、閲覧の必要性があるかどうかを考慮して、共同ロッカーに移動されることもあります。当事務所では、年間かなりの数の事件を新しく引き受けています。事件として終了しても引き続き閲覧する記録もあり、保管場所には注意を払っています。
 
(4)  終了後、数年を経過して保管か廃棄の判断をすることになります。依頼者の都合を考えて判断するようにしていますので慎重な判断が必要です。しかし借りている倉庫ですら記録が溢れてしまう状況ですので、やはり10年を超えれば殆んどの記録を廃棄処分せざるをえません。事務所責任者としては7年程度を目途にして廃棄を考えるようにしています。
 
2 今回の記録整理で判明したこと
 
(1)  今回記録を整理していて受任事件に特殊な傾向のあることが分かりました。これまでは、ある地方に事件が集中したり、刑事事件とか家事事件とかが一度にくるというように、不思議に何かが共通する形で受任することが多いと思っておりました。
今回の記録整理では、10年前の平成14年頃、何と倒産関係事件が多いことかと驚きました。平成14年度を挟んで前後3年間だけでも50件以上の倒産関係事件を処理しています。
当事務所は、クレサラ事件や、破産申立を中心に派手な広告をして集客する債務整理型事務所ではありません。一つ一つの事件を丁寧に処理する所謂地味な企業法務を中心にして受任する事務所です。したがって容易に処理できる個人破産の申立のような事件は少なく、反対に処理の困難な事件が中心であり、それを誇りにして頑張ってきました。当事務所の形態では、この数の倒産関係事件の処理は相当きつい作業を要求されます。
 
(2)  この特徴的傾向は、むしろ皆さんに自慢するべき内容なのです。倒産関係事件の殆どは、東京地方裁判所より依頼された事件だからであります。中心は裁判所より選任される破産管財事件ですが、当時より単純な個人破産や免責調査型などの破産管財事件はあまりありませんでした。殆どがややこしい、入り組んだ企業倒産が中心でした。もちろん中には民事再生事件から監督委員に選任され、牽連破産によって破産管財人になったという手数のかからない事件もあります。
 弁護士になって数年後、破産管財人に任命された難事件の解決が裁判所から重宝していただくきっかけになったと思います。思いだしますと、東京高等及び地方裁判所の入る建物の18階大会議室で破産管財人の教育のため、私は指導係として呼ばれ、並みいる弁護士の上席3番目に着席させられた時、何故弁護士経験の少ない私なのかと疑問に感じたこともあります。そのきっかけになった事件は後のコラムで紹介しますが、その研修会の帰りには裁判所の刻印が押された紅白まんじゅうをいただき驚きました。
 
(3)  倒産関係事件の内容
受任事件には、平成3年より施行された個人再生手続の定着により、東京地方裁判所より選任される再生委員の事件数も入っております。施行当時、私は、第一東京弁護士会の法律相談センターの委員長になっておりました関係から、裁判所の意向を弁護士会で工夫した記憶も鮮明です。
当時週刊誌も賑わした珍しい事件としては、会社からは民事再生の申立があったものの、債権者はそれに反対して破産の申立をした事件もありました。裁判所からは、調査委員、保全管理人、そして最後に破産管財人に選任されたこともありました。このような事件は、画一的な処理を要求される債務整理型法律事務所で取り扱えないことは明らかです。
 
(4)  当事務所の専門性
そもそも私は、築地でいわゆる「仲卸」と言われている魚の競りをされる会社の破産申立事件を、裁判所の依頼により受任する数名の専門弁護士の内の一人であり、そのパイオニアであります。このようになった経緯も後に当コラムで紹介しますが、仲卸の破産の場合には、築地市場で営業する権利、通称「営業権」という権利の売却が争点になります。破産になると都条例により営業権譲渡ができませんので、先ず保全管理人になって営業権を売却し、その後に破産決定、すなわち私は破産管財人に選任されることになります。
昨年、東京地方裁判所より、この保全管理人の制度をもっと効率的に運用したいとの話があり、通常の民事再生事件(後に破産事件に発展)において調査委員、保全管理人に選任されました。
 
  3 今後の動向は?
 
     現在、裁判所での倒産事件申立件数は爆発的には増えておりません(近時多少増加傾向)。中小企業金融円滑化法が効果をあげているという説もあり、破産事件の内容分析によると、そのように判断できるとも思います。因みに、当事務所における個人再生事件の現在の事件番号は700番の後半でありますが、昨年の同時期においては1100番台でありました。すごい減少率ですね。このアンバランスこそ、現在の社会・経済状況が「踊り場」にあることを示していると思います。しかし、来年春には、中小企業金融円滑化法の終了が予定されており、踊り場から、「良く」か、「悪く」か分かりませんが、激変するのではないでしょうか。
「悪く激変しない」ことを祈りながら、暫くの間は、体験した倒産関係事件を本コラムにてご紹介することにします。
 

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1 弁護士に能力差はあるのか?
 
当事務所では、現在新人弁護士を募集しております。応募される修習生或いは若い弁護士諸君の提出される大量(本当にすごい)の履歴書を見ておりますと、皆様、当コラムを熟読されていることは明白です。応募する事務所の実態を知りたいと思えばホームページは分かりやすい媒体です。逆に、当事務所のコラムまで閲覧されることは採用にも有利に働くでしょう。
ところで、本コラムを読んでいただきたいお客様こそ、弁護士の能力に大きな疑問をもって、種々弁護士のホームページを閲覧されているものと判断します。お客様から弁護士を選別することは相当に難しいことでしょう。私たちは、日々いろんな弁護士と接しておりますので、その能力差は肌で分かります。これについては説明不要ですね。
しかし、当コラムで弁護士の能力差を種々書いても、自分の自慢話か、或いは嫌味な宣伝活動程度にしか聞こえないはずです。そこで私の経験で、事件の見通しをつけることが本当に大切だと痛感した具体的な事例を挙げてみましょう。事例は限りなくあります。
 
2 「事件の見通し」を痛感した事件
 
(1)  はじめに
事例を三つ紹介して事件の見通しとは何かを考えてみましょう。借地契約における家屋撤去・土地明渡請求事件、借家契約の正当事由を巡る二つの裁判例を紹介し、その案件の「見通し」をつけることが如何に大切であったかを説明します。当ホームページ掲載の「借地借家の秘訣」で紹介した事例3件で説明します。これは一つの事件が全然違った角度から見てもらえることを考慮し、且つ「借地借家の秘訣」を読んでいただくために敢えてそうします。
 
(2)  ゴルフ練習場断行の仮処分
一例目は、整理回収機構(RCC)でなければできなかった通常「○○城」事件と称する案件です。本件は種々の段階で興味深いのですが、大がかりになった最初の段階は「ゴルフ練習場」の撤去、即ち断行の仮処分といって、本来の裁判を経ないで建物群を取り壊して撤去してしまうという仮処分事件です。この事件は、後に「○○城」の取り壊しとなり、そして延々と裁判が続きました。
先日、整理回収機構の元社員と久しぶりに会食したところ、この事件に少しでも関与した社員は、他の不動産屋に「あれをやりました」と自慢しているという話を聞きました。皆さん大手金融機関及び大手不動産会社の不動産専門家です(本当に私を助けてくれた社員は亡くなりました)。やはりその方も自慢気にしておられましたので、その方に「何が事件解決の方向性を決めたのか、その後の流れを決定づけたのか分かりますか」という質問をしました。この事件は金融機関が全く手を付けられない状況の中で、整理回収機構に土地所有権が移転しているという案件でした。当時、肝心の相手の方が服役中で、特別急ぐ理由がありました。ゆっくりやれば、またこれらの建物群は利用開始となり、契約は継続する可能性が高かったのです。私の部下の弁護士が、同様に弁護士である専務に対して、何回諮問を受けても満足いく回答ができなかったことも既に記述済みです。
「事件の方向性」を決めたのは荒れ放題になっている運転手用建物について朽廃を理由にして所有権登記の抹消登記ができたことです。裁判官もこの事実なくして断行の仮処分申請を認めなかったでしょう。「先読み」として、多くの整理回収機構所属の不動専門家を相手にして抹消登記を機構で行うべきであると主張し続け、結局、実行した私の「先読み」が事件解決の帰趨を分けたのです。
 
(3)  建物賃貸借契約解除の正当事由が問われた2案件
ここで紹介する建物賃貸借契約はいずれも解除を可能とする正当事由に関し、信頼関係破壊の法理から解除が認められなかった事例です。この2例は、相談者の立場が賃借人と賃貸人であり相談者にとって納得のいく解決が全く逆の結論となりました。
前者は、有名な池袋駅前北口の事案であり、専門雑誌にも紹介されています。「借地借家の秘訣」で紹介済みです。この事例は、訴訟になったことで私が受任しましたが、判決・和解で解決済みの近隣に関する証拠資料が文字通り段ボール箱一杯、訴状添付の証拠として開発会社から提出されました。ここまで解決事案が多ければ高額の立退き料をもらえばいいという判断もあり、第一審裁判官も、当初は、敗訴に傾いていることを隠そうともしない状況でした。依頼者要求の居座る結論を貫くのは意外と難しいのです。
方向性が決したのは、開発会社が法的に宅建業者として東京都に届出している会計帳簿の閲覧にありました。バブル崩壊による同社の会計内容の悪さを知り、当開発会社のすべての開発物件の調査を実行したところ、勝訴判決通りの開発がなされていないことが判明しました。この事実が急所となり当方の勝訴になるのです。
二つ目は、会社を借主として賃貸契約をした事案です。会社倒産によって会社がなくなり、賃貸借の信頼関係が入居者個人との間で成立しているように判断できる案件でした。当初お話しを聞き、依頼者が「些細なことで口論となったが、賃借人は許せない」と個人的な関係を説明されたのです。この事実にこそ本案件の将来を予測できます。当方から、信頼関係の破壊という事態は、賃貸借契約関係をみるのですから、個人的な信頼関係破壊では不十分ですと説明して和解を勧めたのですが、依頼者は私の親友である税理士の先生を全面的に信頼されており、説得できませんでした(契約主体がなくなっているのですから無理がないかもしれません)。結論は予想通り敗訴判決になりました。私の「先読み」が意味をもたなかったのですが、親友との友情は更に深まりました。
 
3 「見通し」或いは「先読み」は必要か?
 
弁護士に依頼する結論は、簡単に言えば、頼んで良かったということにつきます。それは当然、満足のいく結果を出してほしいということです。交渉では獲得した結果に満足できるのか?訴訟になれば勝訴判決を得たのか?分かりやすく言うと実際に得をしたのかということでしょう。弁護士と馬が合って「要求した結果は出なかったが、それはそれで良かった」なんていう都合のいいお客様はおられません。そう言われるお客様は、要求するものが通常の要求とは内容が違っただけであり、それはそれで厳しい結果を求めておられるのです。お金の多寡なら分かりやすい。しかしお客様の希望はお金以外にもあります。一つ事例を挙げますと「従業員が会社の企業秘密を持ち出したが、まだ実害がない。しかし会社のモラルの側面を考えるとお金ではなく(むしろ大損だけど)厳しく追及してください」というような要求は日常茶飯事なのです。
お客様の要求を的確に把握することが第一歩です。それが実現できるかどうか種々検討することが必要です。他分野の専門家を利用するのも結構、あらゆる方向性を検討することです。結論が依頼者の意に染まないなら、事件として受任できないことも当然なのです。
依頼があった当初、その結果がどうなるかを推測して、その結果を吟味しないと成り行き任せ、風任せになります。「風任せ事件」もありますが、それを自覚しているのかどうかなのです。
 
 
 
 

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1 不思議な縁
 
(1)  今回は法律上の事件紹介というより、不思議な人との出会いと、その延長に登場する整理回収機構不動産部について話してみたいと思います。同機構が活躍した時代、同機構顧問弁護士は法曹家にとって特別に複雑な感情をもたれる対象でした。弁護士の少ない当時にあって、同機構には、最盛期に800名以上の弁護士が関与しました。不良債権の回収ということだけではなく、金融機関の再編に多大な貢献をした事実は誰でも認めざるをえないでしょう。
ところで私は、東京駅で偶然に、かって一緒に働いていた同機構の職員と4回も遭遇しております。では毎日利用している新宿駅で知り合いに何回会ったことがあるのだろうかと思い出してみました。たった3回しかありません。東京駅など一カ月に数回程度しか利用していないのに同機構の関係者に偶然に出会うというのも不思議な縁です。
 
(2)  今年始め、丸の内にある全国銀行協会のADR(裁判外紛争解決手続)での帰り、その方とは東京駅通路でばったりお会いしました。懐かしくて互いに大声で久闊を叙しました。その方は、大手銀行より整理回収機構不動産部に派遣され、私と一緒に働かれた後は銀行に戻って活躍されておりました。不動産関係の業務に戻られた方はよくお会いするのですが、その方は本来の銀行業務に戻られており、あまりお会いする機会がなかったのです。その後、その方の同僚であった方より聞きましたところ、その方は為替デリバティブ関係の仕事もされていると聞きました。その日、私は当事務所所属弁護士と一緒に為替デリバティブ取引(通貨オプション取引契約)の中途解約清算金及び未払差額決済金の支払い義務を全額免除にするという、これ以上にない和解を勝ち取り、意気揚々と引き上げる最中でした。あっせん委員会委員には、当事務所の仕事ぶりを褒めていただき気分は高揚しておりました。
 
 (3) その日、私の高揚ぶりの一切が、その方に伝わっていないということは私の誇りとすることです。しかしその反対に、その方の苦衷が想像され複雑な気持ちになりました。為替デリバティブ取引・仕組債の被害は現在も深刻であるという新聞の記事を見るにつけ、その方の業務の厳しさを思います。私の故郷・兵庫の名も上がっており、金融機関は厳しく膿を出さなければ、その将来が心配です。
 
2 整理回収機構について
 
(1)       いまから10年以上も前になりますが、私は同機構の専務の面接を経て同機構の不動産部及び総務部の顧問に採用されました。当時より不動産部は専門家集団で、大手不動産会社社員だけでなく銀行からも多数出向してきておりました。
当時の専務の話によりますと、今後、現在の不動産部を拡張し、不動産関係の業務を集中させ、「大」不動産部に発展させたい。しかし現在、弁護士の関与が不十分です。不動産部を統括する君の好きなように活動してくださって結構です。大変でしょうが頑張ってやって下さいという説明がありました。確かに初日、不動産部次長から入社試験のような面接を受けてびっくりしました。私の昔の不動産会社勤務の経験が活きましたが、弁護士である私には余計な話であり、大変不愉快だったことを覚えております。
 
(2)       毎日、不動産部のある中野坂上にある高層ビルに社員と全く同じように通うことになりました。当初は、職員と弁護士の上下関係等が曖昧でした。弁護士が殆どの業務上の決定権を持ち、職員の上司として活動しておりました。後に、弁護士と職員との関係が切断され、通常の会社のように業務が分かれていきましたが、私の入社当時はその過渡期にありました。
例えば、私は不動産部部長の隣に大きなデスクを持ち、前には八つの島に担当部門を分け、それぞれ班長をヘッドにして10人程度の社員が座っており、一番右には不動産鑑定士を有する業務班がありました。しかし遠く離れていてよく分からない程でした。
 
(3) 不動産部は、破綻した金融機関の所有する不動産処分をメーンとして業務を行っておりました。巨大不動産の処理も当然にありました。仙台にある「青葉城」に関係する断行の仮処分も同機構でなければできなかった案件でした。暴力団の方だけでなく、政治家からも始終電話がありました。職員の誰もが組織の改編を目標として活躍し、公正性を誇りにして業務に従事されていたことは間違いありません。私が顧問となっている不動産会社も平等に入札しましたが、同機構から一つとして買受けできませんでした。
 
3 本コラムで話したかった動機
 
今回の為替デリバティブ取引に関与している金融機関の方で、同機構で働かれた経験のある方には大変辛い業務だと思います。今回の為替デリバティブ取引は、販売している金融機関の職員にも細部の説明が困難であったのですから、本当に苦しまれていることと判断できます。私がこの話をしたいと思った動機は、同機構において誇りある業務をされていた方々には、説明義務も果たせなかったこのような取引が二度となされないように頑張っていただきたいということです。
そのためには強い気持ちで金融機関の在り方を変えようというような昔の気持ちを思い出してほしいと思います。
これが今回どうしても話したいと思った私の気持です。

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  以前「正当事由と立退き料の事例紹介」というコラムを掲載致しましたが、その際皆様から大きい反響を頂きました。今回は、最近の裁判例がどのような判断を下しているのかについて一部を追加して紹介しておこうと思います。皆様が直面している案件について、高額な立ち退き料になるのか低額な立ち退き料になるのか判断する際の参考にしてください(借地借家の秘訣(時系列に沿った事例紹介)」も併せてご覧ください。)

 
 
 ところで、下品な言葉で言うなら、当事務所は業者の皆様からいわゆる「地上げ」の段取りや相談を継続的に行ってまいりました。しかし、先日当事務所のホームページを見て来所されたお客様に、当事務所で是非とも立ち退き料を獲得してほしいと懇願され、やむなく賃料の約200ヶ月分を取得した事例が発生致しました。
  この事例につきましては今後当コラムにて掲載するかどうか検討しておりますが、いずれにしましても紙数に限りがございますので、今回は最近の裁判例を紹介させて頂くことにしたいと思います。
 
  具体的な事案でどれくらいの立ち退き料になる可能性があるのかご相談されたい方は当事務所までご連絡ください。
 

 

立ち退き料
(平成23年
1月17日判決)
6000万円
本件建物は朽腐しているとまではいえず緊急な耐震工事は必要ないが、遠からず建て替えか大規模修繕が必要になる。そのため、銀座6丁目という立地からすれば、本件建物の機能的、経済的な耐用年数はほぼ満了していた。他方、借主は66歳で、唯一の収入源としてとんかつ屋を営業していた。借主が代替物件を確保できないとまではいえないことなども総合考慮して、立退き料の支払いにより正当事由を補完すると判断した。
立ち退き料
(平成23年
1月18日判決)
4億2800万円
貸主は投資運用業を営む特定目的会社であり、投資物件として本件ビルを購入したが、耐震性に問題がある等の診断が出たため、建て替えが必要だった。また、本件ビルは相当程度老朽化していた。他方で、借主はスポーツ用品の輸入販売を営む会社で、原宿竹下通り沿いで32年にわたり営業を続けていた。借主の年間売り上げは約3億5000万円だったこと、本件ビルの立地が好条件だったことは認められるものの、本件ビルでなければならない事情はないこと等を総合考慮の上、立退き料の支払いによって正当事由を補完すると判断した。
立ち退き料
(平成23年
2月2日判決)
6850万円
貸主は資産管理等を目的とする特定目的会社で、借主は占い業を営んでいる。借主にとって原宿竹下通りという商業用ビルの立地が好条件であるものの、移転しても占い業が廃業するとまでは認められない。本件ビルは築後約32年を経過していること、本件ビルの他の賃借人の明け渡しが相当程度進んでいること等を総合考慮の上、立退き料の支払いによって正当事由を補完すると判断した。
立ち退き料
(平成23年
2月22日判決)
2200万円
本件テナントビルは築後約30年経過していること、テナントの状況、不動産事情の厳しさ、周辺地域からの事情からするとテナントが借主だけしか残っていない本件建物について建替えを行う一定の必要性はある。他方、借主は歯科医院を営んでいるが、本件貸室の借家権鑑定評価額である2200万円の申し入れなどを理由に正当事由を具備していると判断した。
立ち退き料
(平成23年
3月10日判決)
2億5000万円
借主は、東京駅八重洲中央口徒歩5分の本物件で10年以上にわたりサウナ浴場を営んでいた。数10名の従業員もおり、借主が本件建物を使用する必要性は相当高い。また、本件ビルの耐震強度に問題があること、借主の利用方法に形式的な違反があることは確かであるが、本物件を利用する必要性は借主の方が格段に高い。そのため、正当事由が不足しており、補完事由としての立退料の提供が必要であると判断した。
立ち退き料
(平成23年
1月25日判決)
400万円
貸主が再開発を行う必要性は認められるが、最終計画までは策定されておらず、他の建物利用者の退去も完了していない。被告は婦人用洋服店を営業して生計を立てていたため、貸主の建物利用の必要性は若干弱い。他方、貸主は著しく低額の賃料に甘んじていたこと、築後約50年が経過しており耐震性が低く倒壊の可能性が高いこと等を考慮して、立退き料の支払いによって正当事由を補完すると判断した。(なお、借主は収入に関する証拠の提出を拒んだため、適正賃料との差額1年分を営業上の損失の填補と認定している。)
立ち退き料
(平成23年
4月14日判決)
372万円
貸主の資金繰りが苦しく本件建物等を売却して借入金を返済することが急務であると顧問税理士が述べていること、金融機関からも本件建物等の売却を求められていることからすると貸主が本件建物の明け渡しを受ける必要性は高い。他方、中古自動車販売業を営む借主の業態及び土地使用状況からすると、借主が本件建物を使用する必要性はそれほど大きくない。立退料が提供されるのであれば、正当事由を補完すると判断した。
立ち退き料
(平成23年
6月23日判決)
 
150万円
本件建物は築39年の木造アパートで老朽化していることに加え再開発計画があるため貸主には本件建物を利用する必要性がある。他方、借主は足腰が悪く2階以上に住めないこと、満67歳で生活保護を受給していることなどからすると、貸主が利用する必要性はやや弱い。しかし、2年半以上かけて引っ越し先を多数紹介するなど誠実な対応をしたこと、他の入居者が全員退去していること、賃料30カ月分の立退料を申し出ていること等からすると、正当事由があると認められると判断した。
正当事由なし
(平成23年
1月28日判決)
 
貸主は3060万円の立退料を申し入れたが、建物の使用を必要とする事情を主張しなかった。他方、借主は本件建物を転貸して差額賃料を収益とする事業を行っていた。貸主は賃料が低額であると主張するが、賃料が低額の部分については賃料増額請求権を行使すれば良いことなどから、立退き料の申し入れによって正当事由が具備されることにはならないと判断した。(サブリース事案)
正当事由なし
(平成23年
2月24日判決)
 
貸主は本件マンションに関して再開発の目的を有していた。本件マンションは築後約30年経過しているものの、耐用年数は10年程度残っており、長期間にわたり居住の用に耐えうる。借主の妻は不眠症及び相当重い心臓病を患っており、住み慣れた本件マンションから転居するストレスによって病気が悪化する可能性も否定できない。貸主は借家権価格を大幅に超える200万円の立退き料を申し入れたと主張するが、正当事由を具備したことにはならないと判断した。
正当事由なし
(平成23年
3月11日判決)
 
貸主及び妻は75歳と高齢で、貸主は脳梗塞後遺症により歩行困難などの既往症がある。そのような理由で長男との同居を望んでいることからすれば、貸主にとって本件土地利用の必要性がないわけではない。しかし、貸主には他にも不動産があり本件土地に住むことが唯一無二の選択ではない。他方、借主は統合失調症により近所の病院で治療を受けており、無職で障害年金を受給中で、転居等は病状に悪影響を及ぼす可能性が高い。借主が本件土地を利用する必要性は極めて高く、立退き料の提供があったとしても正当事由はないと判断した。
正当事由なし
(平成23年
6月9日判決)
 
貸主は本件建物について自己使用の必要性があると主張するが、貸主はテナントを管理しているにすぎず、自己使用とは評価できない。他方、借主は本件建物の5階部分を自ら使用するとともに、1階から4階部分をサブリース業者としてテナントに賃貸することで会社運営している。借主が本件建物を使用する必要性は相当大きく、正当事由があるとは認められない。(サブリース事案)

 

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