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コラム - 最新エントリー

  1.   近時、時折り目にします「SDGs」とは何でしょうか?日本語では「持続可能な開発目標」というのですが、これがまた分かりにくいですね。
     要約しますと、
    2015年の国連サミットにおいて、世界中にある環境問題・差別・貧困・人権問題というような様々な課題に関して、世界中で、2030年までに解決しようと、加盟国で合意されたものです。
     日本も国連加盟国ですから、その取り組み体制として、
    20165月、内閣総理大臣を本部長として「SDGs推進本部」を設置し、毎年「SDGsアクションプラン」を策定するなどし、種々の対応をしております。近年は、優れたSDGsの取り組みを提案する企業・団体などを表彰したりしています。
     私も、当初は何のことか良く分かりませんでした。そこで「
    SDGsアクションプラン」の内容を簡単に言ってしまいましょう。
    ”郎い悩い辰討い訖佑鬚覆すべく、例えば発展途上国への支援、
    年齢や性別、人権、民族、出自、宗教或いは経済的地位等で差別
    しない社会を作る。
    4超を大切にするため、地球環境・自然環境に配慮した国や企業を
    支援するというようなことが内容となります。
  2.  ,筬△亡愀犬垢觧件に関し、「SDGs」が語られるようになって初めて、私たち弁護士は、大げさな意味でなく、昔から、しかも普通に「SDGs」活動そのものをしていたことに思い当たります。そうなのです。弁護士の多くの方は、通常の弁護士活動が「SDGs」活動に該当することがよくあるのですが、皆さん、そのような意識もなく、頑張ってこられたのではないかと思います。
    私は、弁護士になりたての頃、人権擁護委員会に属しておりました。
    種々の人権救済事件を扱いました。更に、外国人部会という特別部会に所属し、日本で人権を無視されるような状態にある外国人の人権救済事件を多数扱いました。
    出稼ぎのための不法入国者や、違法入国して入国管理局に拘留されている外国人の救済に幾度も駆り出されております。
    弁護士ですから、救済できる法律がなければ、差し入れをして慰めるだけの事件もありました。裁判審理中、突然法廷の前の裁判官入り口に突進する人もいて、予想のつかない行動に直面したこともあります。英語など通用しない国の方々ですから、アメリカで弁護士をしておられた先生も困惑されていたことが昨日のように思い出されます。
  3.  私が弁護士になった頃は、日本がバブルにはじける前の時代でした。法律相談の費用も出せないという方々も多数おられました。無料法律相談の工夫もしましたが、国の援助と提携して法律相談をするなどの仕組みづくりの提言も業務の一つになったときもありました。これこそ「SDGs」の柱の一つに該当する活動になります。
    私は、法律相談運営委員会の委員長も経験しましたので、霞ヶ関の弁護士会館だけでなく各地に法律相談所を設け、霞ヶ関に通えない方の便宜を図るなどの工夫もしました。
    でも時代の変遷は怖いですね。日本の経済が安定したこともあるのでしょうね。相談者の減少に伴い、多くの出先の法律相談所は解散の憂き目をみることになりました。あっという間という感じです。現在東京における外部相談所は弁護士事務所兼用を除くと数えるほどしかありません。閉鎖に伴い、そこで働かれる事務職の方々の将来を思うと暗澹とした気分になりました。これは最近の経験ですが、自慢できないこともあるのです。
     当時は、女性に関係する差別に対する活動が殆どなかったことは、現在の認識からは考え難いことですね。
  4.  「SDGs」活動で、これは難しいなと思うことがあります。
    前にあげた「4超を大切にするため、地球環境・自然環境に配慮した国や企業を支援する」というものです。
    企業を支援すると言いましても、企業が会社収益を度外視して、地球温暖化活動に邁進することは許されないようにも考えるからです。私も複数の会社役員会に出席しておりますが、どのように発言するべきか現在悩んでおります。
     そこで、この分野で活動される弁護士の先生の発言や活動状況を紹介しておきましょう。
    弁護士会報で発言されているのですが、第一東京弁護士会で設けられている環境保全対策委員会で活躍されているようです。この委員会には、「地域創生SDGs部会」、「再生可能エネルギー部会」、「ESG部会」、「環境法令検討部会」などの部会があり、各部会がSDGsについて活発に研究活動されているようです。
    発言されている先生は、内閣府が設けている「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」の窓口も担当され、再生可能エネルギーが気候変動対策で注目されていることから、再生可能エネルギー部会を中心にして、「再生可能エネルギー法務」の本も改訂・出版される予定のようです。
    企業の社会的な役割を中心にして、企業にその役割を求めて活動されているようですが、弁護士ですから、この分野の活動は難しい側面もあるでしょうね。
    でも現在、大きな変化が生じていることは事実ですから、当事務所も頑張ります。

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  1.   本年も年末を迎え、新聞報道も将来の「見通し」記事が多く掲載されるようになりました。報道を見なくとも、どんどんIT化する将来の制度変更は十分認識できます。しかも裁判制度も例外ではなく、我々弁護士もそれに対応しなければなりません。例えば、1216日付日経新聞の朝刊を見てみますと、3面に渡って、次のとおりの記事が掲載されています。
        4面見出し「全規制をデジタル前提に」、「対面・書面、原則認めず」
                 「政府が計画案」
        46面社会面「倒産手続き、IT化へ」、「政府計画案、23年度にも試行
                   離婚裁判なども検討」
        7Opinion面には、「バイデン『画面外交』の真贋」として、前大統領トランプと比較し、外交交渉でもオンラインを上手く使ったバイデンを持ち上げ、今後の外交交渉の難しさをコメントしています。
      コロナが蔓延し始めた1年以上前のことですが、コロナの影響で、裁判所の準備手続きが大変遅れたことがあります。私達弁護士は廊下で待っておりましたが、担当の裁判官が走り回っておられました。準備手続きに入って裁判官と対面した際、裁判官から、遅れた旨の謝罪がありました。当時、当事者の対面を避ける仕組みづくりのために打ち合わせをしておられたようです。その後、準備手続きが電話会議になるなど、相手の弁護士との対面も随分減少しました。
  2.   裁判関係でのIT化は、コロナが原因だと思っておられませんか?でもそれは「きっかけ」でしかなく、根本的には、裁判手続のIT化は、200411月、民事訴訟法の改正として宣言されているのです。
      当時は、それほど驚きませんでした。我が国のデジタル化が先進国のなかでも遅れていると聞いて、「そんなことはないよね」と考えておりました。私は、丁度20年ほど前、先進的と言われる国の裁判制度の視察のため、かなりの数の国を回っておりました。IT先進国と言われる国も回りましたが、それ程我が国の裁判制度が遅れているようには見えませんでした。差が出たとするなら、最近の僅か10年弱のことで、世界の「IT化」が、急激に進んだのでしょう。
      皆様、あまり必要のない民事訴訟法の条文など、目を通されないでしょうから、条文を紹介しましょう。
         第7章 「電子情報処理組織による申し立て等」

         第132条の10 第1項(読みやすく手を入れます)
       「民事訴訟に関する手続における申立てその他申述のうち、当該申立て等に関するこの法律、その他の法令の規定により書面等をもってするものとされているものであって、最高裁判所の定める裁判所に対してするものについては、当該法令の規定にかかわらず、最高裁判所規則で定めるところにより、電子情報処理組織を用いてすることができる。」
      電子情報処理組織とは、電子計算機を意味しているらしく、電気通信回線で接続した電子情報処理組織を言うと、かっこ書きで規定されております。
     ところで、「残念」というのでしょうか?
      電子情報処理組織に関する最高裁判所規則がまだ定められていないのです。10数年間の放置状態ですから、裁判所のIT化は、いまだ実現されないまま放置されているのです。
  3.   今回のコロナ騒動で、裁判所のIT化は、一挙に進展するのでしょうね。進行状況に関する情報については、次の通りのようです。
      つまり、20233月を目途にして、非公開手続きでの「主張書面や書証の写しの提出をオンラインでやり取りする」。20243月を目途に、上記の手続きを公開法廷で運用開始する。
      20263月を目途に、主張書面や書証の写しの提出を含め、裁判関係文書をオンラインで随時確認できるようにする。そして同時期に、訴訟記録や事件情報を電子的に管理し、訴訟当事者や代理人等がオンラインでやり取りする。
      ここまで電子化が進みますと、私の事務所も大変です。
      先ず、事件記録の保存方法が変わります。現在事件記録は、数年間現物保存することにし、その後、段ボール箱に詰めて貸倉庫等を含め合計約10年弱、保存することにしております。
      ところが、今回の改革は、有形物の保存が中心ではなく、電子記録の保存が中心になります。昔の記録が必要の場合、閲覧は電子記録になりますから、数年保存も容易で(場所をとりません)簡単に保存できます。でも電子記録の保存方法など決めることは多数あります。秘密保持もあり、取り出し方法等も決めねばなりません。
      事務所の在り様も大変革にもなりますが、裁判所の記録管理の様式も大変革になります。記録の閲覧を幾度もした私には、裁判所の裏方の苦労も分かります。
      当事務所は、裁判所の記録管理の方式等も参考にさせていただき、当事務所の記録保存の在り方を検討することになります。
  4.   昨年は、私が役員をしている会社でも、役員会がウエブ会議によって行われました。役員各人の顔も見られるのですが、何か物足りませんでした。しかも株主総会までウエブで行われると・・(違和感が強かったですね)。
      でもIT化は、時代の要求になっているのでしょうね。何処からでも参加できますし、余計な時間や経費もかかりません。
      いいことも一杯あるのです。

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  1.   小説家池井戸潤氏が書かれた「下町ロケット ヤタガラス」(20189月刊)を読んだとき、宇宙を飛ぶ人工衛星が、今後の農業に深く関係していると初めて知り、驚きました。でも2年程前のことで、現実的なこととして実感できておりませんでした。
     ところが最近の新聞報道で、これからの農業には宇宙開発が切り離せないものであることを知り、しかも現実化していることを知って、更に驚いたのです。
     新聞報道ですが、例えば、有機農家「金沢大地」という会社が紹介され、同社が金沢市の郊外において有機農業を展開し、現在では能登半島にまで耕作地を増やしている状況が報道されております。また、イチゴやリンゴ、稲作の工夫や養蜂等、農業に関係する報道も数多く、このような記事が、数多くの人に読まれることにも驚きました。
     今回のコラムを書きたいと思った経緯は、スマート農業に人工衛星が役立つと知ったこともあります。弁護士になった頃、知り合った宇宙開発の会社(残念にも無くなっております。宇宙開発が事業として成立しない頃のことです)の方々に会った際、「役に立ってますね」と、お互いに喜べると思ったからです。
  2.  北海道におけるスマート農業の紹介報道によって、「下町ロケット ヤタガラス」を思い出しました。その中でも、「北海道 十勝 更別村」の報道で、無人トラクターが出てきます。
     現在の日本農業が危機に直面していることは皆さまご存じのことです。農業人口の減少と老齢化は、新聞報道を見るまでもありません。それを防ぐスマート農業に欠かせない課題が無人トラクターだというのです。無人トラクターが何故必要かは新聞報道だけでなく、「下町ロケット ヤタガラス」を読んでください。ページに限界があるのですが、多少紹介しましょう。
     農業人口の減少と老齢化を防ぐには無人トラクターが必要なのです。
     確かに、農業従事者の平均年齢は67歳を過ぎております。畑や田んぼの農耕(開墾、田植え、刈り取り、運搬等)を無人トラクターが人力に代わってやってくれるなら、大助かりです。しかも肥料や殺虫剤等も無人トラクターがやってくれるなら、人力は殆どかからなくなります。大自然の中で、緑に包まれ、鳥の鳴き声を聞きながら、無人トラクターのやってくれた仕事をチェックしていればいいなんて、子供のころ、農業の手伝いをしていた私には「楽しすぎでしょう」などと悪口も言いたくなります。
     このようなスマート農業が定着すれば、泥臭い肉体労働が減少するのですから、若い人も農業に従事してくれるようになるでしょう。
     無人トラクターが、廃れた農業を回復させるのです。
  3.  でも、無人トラクターの業務は大変なのです。
     田や畑は、畝があり、高低差があります。しかも水をやったりして泥まみれの土地もあり、肥料や消毒剤も的確な地点に入れねばなりません。しかも、田や畑の土地は、トラクターの重みで地形が変わり、一度通ると変化するらしいのです。
     トラクターは、このような微妙な土地の状況に合わせて移動し、しかも誤差なく開墾、田植え、刈り取り、肥料散布をしないといけません。そこで人工衛星が登場するのです。人工衛星の指示により数センチ(?)の誤差もなく田植え、耕作、刈り取り、水やりをし、肥料をやるようにするというのです。すごすぎますね!
     私には知識がありませんので、「完全無人のトラクターで社会課題を解決 自動化で変わる日本の農業の姿」と題されたネット記事から引用させていただきます。
      「農林水産省では3段階のレベルを規定しており、自動車メーカー同様に各農機メーカーがそれぞれに試行錯誤しながら研究開発を進めている段階だ。(略)ただ、いまだレベル3の無人運転にはたどり着いていない。われわれはクボタにGPUが搭載された組み込みボードを提供しつつ、どのようなAIを載せるのか、コンサルティングを交えつつ進めており、レベル3の達成はすでに技術的には可能と考えている。クボタでは2030年を実現目標に掲げているが、実際にはもう少し早くできるのでは・・」と記載されています。
  4.   実は、「下町ロケット ヤタガラス」という本の紹介もしたかったのですが、書くことが多すぎます。
     でも、この本を書かれた下敷きとなる知識が、北海道大学教授野口伸先生の研究にあることを紹介したいのです。先生は、北海道大学のビークルロボティックス研究室にて農業ロボットに関する研究開発をされているそうです。先生のお話を紹介します。
     「ICT(情報通信技術)やロボット技術などの先端技術を用いた農業のことは、日本では『スマート農業』という用語で広く知られています。『スマート農業』を導入することで農業の姿は大きく変わります。農家の経験と勘に依存した農業から『データに基づく農業』への転換は、新規就農者の促進にも有効であるため、ICTやロボットを高度に利用した農業のスマート化は日本農業が抱える問題を解決するうえで極めて重要なのです。」
  5.  最後になりましたが「下町ロケット ヤタガラス」という本は、本当に面白いですよ。私には、下町工場の苦闘や農業の抱える問題以上に、現実に帰農した元サラリーマンの出くわす苦闘の場面が本当に面白かった。
     是非、読んでいただきたいと思いました。

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1.  令和31011日、日本加除出版株式会社より、上記題名の本が出版されました。著者は、当事務所の弁護士岡本直也です。
この本を紹介するのは、所長の岡本政明でありますが、弁護士の方だけでなく、経営者の皆様や企業を立ち上げられる一般の方々に、是非とも、読んでいただきたいと思ったからであります。
 そもそもこの本を出版していただいた出版社「日本加除出版株式会社」は、弁護士の方々のために、法律専門書を中心に出版される会社であります。一般の方がこの本をお知りになる機会は先ずないと判断できます。このような状態は、あまりにも勿体ないと思いました。しかも著者の苦労も報われないでしょう。
この本は、実務に即しているというだけではないのです。専門用語も平易に分りやすく説明されているのですが、よく読んでみますと事例形式に即しているからです。経営者や人事を扱われる方々には、日々の体験から直ちにご理解いただける様式になっております。
 経営者の皆様が、会社に蓄積された独自のノウハウを、退職によって持ち出されるのではないかと心配され、一方、退職者は、どこまで次の会社で利用できるのかと心配されるのは当然な話しです。この本は、その具体例だけでなく、それを防止するため、事前に作成される就業規則、或いは誓約書等にまで及びます。
国の多様な対策も紹介されております。令和34月版の「厚生労働省モデル就業規則」が紹介されているのには驚きました。

2.      今回紹介する本が出されるようになった経緯は、当事務所のホームページで掲載されているコラム欄にあると考えております。
コラム欄をみていただけると、岡本直也弁護士が執筆した「情報管理、不正競争」が20項目に上っていることが分かります(コラム欄にあります「カテゴリ」の欄をチェックしてください)。
 損害賠償の具体的な請求額・認容額を掲載したコラム欄も数回に及んで掲載されております。数字で具体例を挙げられると分かった感じが強いですね。
経験した事件も掲載されておりますが、もちろん、当事務所の扱った具体例が分かるようなコラムはありません。私は、思わずニヤリとしましたが・・。
 つい最近のコラムでは、経済産業省が立ち上げた「営業秘密官民フォーラムメールマガジン」に掲載されたものが載っておりました。「営業秘密官民フォーラムメールマガジン」が設けられた経緯は、2015年、経済産業省が営業秘密の漏洩等の対策等、官民で情報交換をするために設けられたものだそうです。

3.      今回出版された本の表紙に付けられた「帯カバー」に書かれた宣伝文を見てみましょう。
「類型別に競業避止、営業秘密侵害等の不正競争防止に関する実務と裁判所の判断のポイントがわかる」とされております。
「企業法務にかかわる実務家が持っておくべき一冊」と大きな字で書かれ、横に「全80問 190の裁判例で解説」と記載があります。
上記宣伝文からしても、弁護士等の専門家向けの書籍として発刊されたことが明らかです。でも私は、「そんな勿体ない、一般の人にも読んでもらいたい」という思いで本コラムを書いております。
 その次に小さめの字で書かれた内容紹介を見てください。これこそ会社経営者や逆に離職して事業を起こそうとしている人向けの内容ではありませんか。
その内容を紹介します。
「兼業を許容する場合、どのような規定を置けばよいか」
「退職後・退任後の競業避止義務に関する合意の有効性を判断するにあたり、裁判所は、『使用者の利益』について、どのように判断しているか」
「秘密情報の管理をするための就業規則の規定はどのようなものが考えられるか」
「フランチャイズ契約における競業避止義務違反に対して、どのような請求をすることができるか」
どうですか?法律家でなくとも十分に理解できる論点ではありませんか?

4.      私は、本書籍にあるコラム欄(「COLUMN」の記載)が気に入りました。当コラム欄は、11項目記載されておりますが、コラムを読んでいると、つい本文が気になり始めます。そこで本文の解説を読み、且つ裁判例を読んで納得したことが印象的でした。
 変わった読み方ですが、お忙しい方は、コラム欄からお読みになることもいいと思います。

書籍は↓からご確認ください。

 https://www.kajo.co.jp/c/book/07/0704/40899000001

 https://www.yodobashi.com/product/100000009003483034/

https://books.rakuten.co.jp/rb/16891270/

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1.  前々回掲載したコラム「入居者の自殺―アパートの事故物件」では、考えさせられることが本当に数多くありました。特に、「高齢者の事故物件」に関しては、現在の課題そのものなのです。
 新聞報道された国土交通省の「事故物件」について、そもそも、国土交通省が懸念するものとして、「入居中の死亡を貸主が不安視するあまり、単身高齢者入居に否定的な家主が多い」と指摘する報道もありました(朝日新聞)。
 日本の人口構成がどんどん高齢化している事実は、誰でも知っていることです。しかも、独居高齢者の生活満足度のほうが同居高齢者の満足度より高いというデータを紹介する医師の調査もあるそうです(辻川覚志著『老後はひとり暮らしが幸せ』)。
しかし高齢化社会における問題点は、これからの課題であると言っていいでしょう。

2.  思い起こしてみますと、高齢者に対する論点が、弁護士の世界で強く認識され始めたのは、相当昔のことです。
 私が東京にある三つの弁護士会の法律相談を統一化して、相談者の皆様の便宜に答えなければならないと問題提起していた頃の話ですから20年以上前でしょうか。当時、成年後見人等の制度が、弁護士の世界で話題になる時代でした。弁護士会で、後見人や保佐人になる方に貢献できることはないかと話題にしたこともあります。
 驚いたことは、友人の弁護士が、私を自分の車で送ってくださったことがあるのですが、その車が身障者の椅子型運転車を乗せられる介護使用になっていたことです。驚いて「何故、このような介護用の車に乗っているのですか」と質問したところ、友人は、後見人として必要だと思ったからだとおっしゃるのです。相当高額な車になったでしょうから本当に驚き、且つ、友人の配慮に感心しました。でも、この話には落ちがあるのです。
 後見人や保佐人には、司法書士の先生がなられることが大変多く、当時、司法書士の先生方の専門領域のような感じをもったことすらあります。私は裁判所からこのような先生方の監督人に任じられたこともありました。
 私は、司法書士の先生に、「私の友人の弁護士が介護の車を買って、老人の後見業務をされている。感心した。」と話をしたところ、その先生は「それは、やりすぎかもしれません」とおっしゃるのです。吃驚して、その理由を聞いたところ、その先生は次のように答えられました。「近所の方にも配慮した普通の車で訪問するべきです。高齢者等の方々は、近所を大変気にされていて、知られることを恐れておられる方が多いのです。そもそも、身の回りの直接的なお世話は、我々の業務ではないのですから。」と教えられました。自分の感覚は、ずれているのかなと不安を覚えました。高齢者や認知症の方、そして彼らをお世話する家族の方々との認識の差に驚いたのでしょうね。
 20年以上前のことですが、このような状況に変化があったでしょうか?現在、高齢者の一人住まいがどんどん増加しているとの統計も出ております。上記のような心配が、不要な時代になっているのか案じております。

3.  最近では、「独居老人の孤独死」という言葉よりも在宅死のおすすめを内容とする本がたくさん出ています。
 例を挙げてみましょう。「最高の死に方」(近藤誠著)、「極上のおひとり死」(松原惇子著)、「在宅医療の真実」(小豆畑丈夫著)等、多数出ているので驚きました。私は早速「在宅ひとり死のススメ」(上野千鶴子著)という本を購入しました。この本は、統計上の数字が根拠として多数引用されているので、購入しました。
 余談ですが、購入直後の915日付朝日新聞朝刊に「老老介護の夫婦 凍えた末」と題され、89歳と80歳のご夫婦が「SOSなく 異変気づかれず」亡くなられ、これからは「孤独死」ではなく「二人の孤独死」であると題して報じているのを読みました。話がどんどん先を行き過ぎる気がしないでもありません。
 でも、前々回掲載のコラムでは、高齢者の孤独死が不動産価値の下落にならないかと心配して、次の論争点を提起しようと考えていた程度の私の認識は相当遅れているのかなとも思いました。

4.  話がそれましたが、「在宅ひとり死のススメ」では、医療機関や高齢者施設等の介護施設で人生の最後を迎えるより、「最後は、自宅でひっそり死ぬ方がいいよ」という内容がテーマです。統計上の数字として、「おひとりさま寂しさ率」、「おひとりさま不安率」、「寂しさ満足率」等種々の統計上の数字が出てきます。
 私は、これまで、「行き着くところ、在宅でのサービスが満足に受けられるかどうかにある」と判断しておりました。上記の本でも結論は同じでした。そして「介護保険が危ない」として30頁ほど論じてあります。高齢者の在宅死から、以上のような論点になること自体、いまだ在宅死が望ましいと言えるのか疑問に感じざるを得ません。
 当該書籍の「在宅ひとり死のススメ」では、訪問介護、訪問看護、訪問医療等が論じられ、介護サービスの詳細がテーマとして挙げられ、これまでの経緯から「介護保険が危ない」と続きます。
 介護保険を解決するべきテーマとする政治家が是非とも登場してほしいなと思いました。

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  1.   当事務所が、「不動産放棄」に関係する論点に関し、草分け的な存在であることは事実ですが、今回は、下記情報誌よりインタビューを受けました。
      情報誌は、「
    IBまちづくり」と冠された書籍で、経営者向けの建設・不動産専門情報誌(株式会社データ・マックス発行、vol36、令和3年5月31日発行)です。当該情報誌の編集の方から、「不動産放棄」に関係する論点に関してインタビューの申し込みがあり、当事務所所属の田中宏明弁護士が対応致しました。
      当該情報誌では、具体的にどのような法律が制定・改正されるのか、どのような内容になるのかについて詳細に紹介されています。法律の制定や改正等がなされることについては、これまで当コラムでも紹介してきました(例えば、
    2018628日掲載「不動産は放棄できないの法整備」では、今回の改正に関する方向性を記載しています)。しかし、その具体的な内容等については、当時、議論されている時期であり、当然、報告できておりませんでした。
      当該情報誌では、具体的な法律の施行内容、及びその施行日等まで記載され、本当に有意義な報告書となっております。是非とも、当該情報誌の内容等について紹介せねばなりません。
  2. 最大の眼目は、「相続した土地の放棄」、つまり相続した土地の国庫帰属の手続きが新設されたことです。
      201515日、当コラムでは「空き家問題と不動産放棄」と題して、当時週刊エコノミストに掲載された当事務所作成の記事に対する問題意識を書いております。突き詰めれば、自由に不動産放棄を認めるなら、民法2392項「所有者のない不動産は国庫に帰属する」に基づき、国の責任(経済的な負担以外も含む)となってしまいます。
    経済的な負担を含め、それでいいのか?という問題提起です。結論としては、「自己責任のネグレクトになる」という警告が、当該週刊エコノミストでは十分に論じきれなかったという反省です。
      今回の法改正では、10年分の土地管理費相当額の負担金及び審査手数料を支払うことを条件にして相続した土地を国庫に帰属させられるようになります(20234月までに施行予定)。
      確かに、相当多額な金額になる場合もあるでしょう。問題提起される方も当然いらっしゃるでしょうが、自己責任を考えますと、相応の対応であるとも評価できます。次に述べる「放棄の対象となる不動産の範囲」を含めて、今後検証されるべき論点となるでしょう。上記国庫帰属制度は、施行から5年後、運用状況を検証して見直しの予定だそうです。
      対象とされる不動産は、次の通りです。
      建物がない更地、土壌汚染や埋設物のない更地、崖のない土地、権利関係に争いのない土地、抵当権などの設定がない土地、境界が明白な土地で、結論として、管理や売却に多額の費用や労力の要しないことを要件としています。
  3.  次に、不動産登記制度の改定、所有者不明土地に対する行政や裁判所等の対応についても種々手当がなされています。
      今回は、冒頭にて紹介しました書籍「IBまちづくり」に掲載された表「改正のポイント」と題された項目(既に論じました「国庫帰属制度」のみ省きます)を引用させていただきます。
      不動産登記制度
        土地・建物の相続登記の申請義務化―相続による土地・建物取得の日から
        3年以内(10万円以下の過料の罰則あり)
        土地・建物所有者の住所及び氏名の変更登記の申請義務化―変更から2
        以内(5万円以下の過料の罰則あり)
      所有者不明土地の利用
        法定相続人が、自らが法定相続人であることが分かる戸籍を取得し単独で
        申告できる「相続人申告」登記制度を新設する
      相続開始から10年を過ぎると、法定相続分で遺産分割を行う仕組みを創設
        する
      相続した共有地は、所在不明の共有者持分の金額支払いで持分集約を可能
        になるようにする
      所有者不明土地の管理人制度を新設する
  4.  書籍「IBまちづくり」に掲載された当事務所所属田中宏明弁護士のインタビュー記事が写真入りで掲載されています。その一部を紹介します。
     「今回の法改正により、相続登記の放置がすぐにゼロになることはないと思われる。また、過料の金額が10万円以下と低く、国としてはどれくらい登記されるか「様子見」という面もあるのではないか。登記が増えなければ、制裁を厳しくしたり、制度新設や法改正が行われたりする可能性もある。
      都市部の土地についていえば、基本的には価値があると考えられる。そのため、国庫帰属制度を利用したいという希望が出てくるとすれば、境界が分からない土地や、工場跡地で土壌汚染がある土地など、そもそも利用や売却に問題がある土地ではないか。
     その場合、国庫帰属制度の要件を満たすため、境界確定訴訟により境界を確定させたり、土壌汚染の除去工事を行ったりするのは、費用面のハードルが高いと思われる。従って、相続後の「放置」が解決しない場合も多いだろう。」

 

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  1.   つい先日の新聞報道で、国土交通省が、「過去に人の死亡が発生した物件に関し、賃貸や売買時において、当該死亡に関する事実の告知義務」についてのガイドラインを纏めたことを知りました。この指針案は、不動産業者及びその関係者が、入居予定者や購入者に伝えるべきであると判断される従来からの問題点をテーマにしております。
      今回、広く意見を募って、今年の夏の終わりまでに正式決定を目指すそうです。
      私が弁護士になった頃、賃貸物件の事故管理に関する相談が度々ありました。アパートを管理する管理会社が、賃借人と連絡が取れなくなったので、強制的に賃貸物件の部屋に入りたいという相談から始まります。更には、連絡が取れなくなってから、相当時間が経ってしまったが、嫌な匂いがしてくると隣の居住者から苦情が出されているという相談までありました。管理会社ですから、入り口の鍵はあるのですが、他人の家に無断で入る訳にはいきません。私は、死亡等の事件性が考えられる場合でなくとも、警察官立ち合いにて入室しました。

      管理会社の社員といっても、当時は慣れていない方々ばかりでしたから、警察官が入るより先に、どんどん室内に入ってしまう方もおりました。私は、彼らに「物を触らないように」、「手袋をしなさい」、「ゴミ箱の中の日付のあるものをチェックしなさい」と種々注意をした記憶があります。
      その調査の結果、所有者やご近所、更に、新たな賃借人や購入者等の関係者に対し、どの程度お知らせするのか等についても、相談を受けました。
      最近は、上記事故物件の扱いもマニュアル化され、私たち弁護士の出番も無くなってきたように思います。有難いことです。
  2.   国土交通省の指針を見てみましょう。
      新聞の見出しには「事故物件 病死は告知不要」と大きく題が付けられています。その新聞によって内容を紹介します。
      指針案の対象は「住居用」で、オフィスは対象外になっております。
      指針案によりますと、「告知が必要ない事案」には、病死、老衰などの自然死、転倒など日常生活に伴う不慮の事故死が盛り込まれています。一方、「告知すべき事案」には、他殺、自殺、事故死(不慮の事故以外)、事故死か自然死か不明な場合、長期間放置され、臭いや虫が発生するなどした場合を含みます。
      ただし、上記他殺や自殺、事故死については、賃貸物件と売買物件とでは条件が異なっています。賃貸物件の場合、死亡から「おおむね3年間」の間は告知が必要で、それ以上の年月が経過した物件は告知する必要がありません。ところが、売買物件では、死亡からの期間にかかわらず告知が必要というものです。
      これまでの経験から考えますと、基準が決められるということはすごいことだと判断できます。期待しております。
  3.   では判例はどうでしょうか?
      ビックリするくらい様々です。買主及び仲介業者の主張を認める判断をした  判例の要旨を紹介します(東京地裁八王子支部平成12831)
      農山村地域における殺人事件で、凄惨なものだったようです。“当該事件から約50年、経過しているとしても、当該事件は、近隣住民の記憶に残っていると考えられる。買主が、同場所に居住し、近隣住民と付き合いを続けていることを考えれば、通常保有すべき性質を欠いている”として隠れたる瑕疵に該当すると判断しました。「農山村地域」が八王子というのですから、驚きました。でも確かに「いわくつき物件」、「訳あり物件」を購入する方々には壁があるのでしょうね。
      賃借物件での入居者自殺事件は何度か経験しておりますが、その保証人或いはその相続人の方々との交渉は辛いですね。例えば、息子が自殺し、悲嘆にくれる保証人(ご両親が保証人になられる場合が多い)に対して、今後、減額せざるをえない賃料との差額や、或いは賃借人が付かない場合の損害賠償を請求する立場を想像していただければ納得いただけるでしょう。発見が遅れ、しみついた臭い等の原状回復費用、或いは隣室の退去による損害も考えらます。
     相当高額な紛争に発展する可能性があるのです。
  4.   特に印象的な事件で、よく思い出すものもあります。
      弁護士になった頃、友達の弁護士から依頼され、相続事件を共同で受任させていただいたことがあります。友人の弁護士は、足の具合の悪い依頼者と本当に真摯に付き合っておられました。依頼者は、兄弟と深刻な相続紛争を抱えておられ、その事件を我々に依頼されたのです。
      結果として、我々の必死の頑張りで、依頼者の希望する○○万円を獲得しました。依頼者が現金○○万円の入った紙袋(本当に重い)を、足を庇いながら帰られるのを、お見送りした記憶が鮮明です。ところが、この依頼者の方が、友人の弁護士と連絡が取れなくなったそうなのです。友人の弁護士の凄いところは、直ぐに依頼者の家を訪ねたところなのですが、依頼者は布団の上で亡くなっているのを発見されたそうです。私も駆けつけましたが、到着するまでに時間が経っており、依頼者の方は解剖に廻されておりました。事情聴取が終わり、呆然とされている友人の弁護士を誘って、湖の見えるベンチに座りました。長時間、何も話さないで、どんどん暗くなる湖面を見つめていたことが鮮明に記憶されております。その後、相続人から、「売るに売れない」との苦情があったかどうかについては知りません。

 

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  1.   前回までのコラムで「農業に関する思い」を書いてきましたが、“農業が本当に難しい事業”であることについて、今回、改めて認識しました。国が、有機農業を推進していることは知っておりましたが、国の進める方針を巡っても争いがあるなど、全く知りませんでした。
    そもそも有機農業を行う農地が
    2018年時点で僅か0.5%にとどまるとか、有機農産物認定事業者が20069月時点で5104戸しかないと聞いて本当に驚きました。
    今後は、有機農業について、改めて認識すべく努力致します。
  2.  そもそも今回書きたいと考えていたことは、2007年当時、世間を震撼とさせた「牛肉虚偽表示事件として有名な“ミートホープ事件”」でした。この事件は、食料に関しても不正競争防止法や詐欺という刑事事件に発展することを示す事例です。でも有機農業に対する関心が“ミートホープ事件”を上回ってしまったのです。
    まず国の有機農業に関する姿勢から見ていきましょう。
    有機農業について、これまで政府内でも種々議論されてきました。2000年に日本農林規格(いわゆるJAS規格)ができた経緯もありますが、2006年、「有機農業の推進に関する法律」が制定されました。これを受け、2007年、「有機農業の推進に関する基本的な方針」が公表されたのです。これにより有機農業が法律によって推進されることになりました。有機農産物の定義から見てみましょう。「生産から消費までの過程を通じて化学肥料・農薬などの合成化学物質や生物薬剤、放射性物質、遺伝子組換え種子及び生産物等をまったく使用せず、その地域の資源をできるだけ活用し、自然が本来有する生産力を尊重した方法で生産されたもの」としています。
    これを読むと、素晴らしい農産物が食べられると思ってしまいます。
  3.  では、何が私を不安にさせたのでしょうか?
    有機農法では、収穫量が著しく低いということが先ず障害になるようです。生産量を奈良時代と比較するものもありました。確かに有機農法は化学肥料等使わないのです。明治時代と比較されるだけでも唖然としてしまいますが、大昔に戻ってしまう可能性があると言われると、そうかもしれません。でも、最近、農耕用機械であるトラクター等を有機農業に採用しようという報道や、有機農業用に建てるパネル小屋の工夫の報道もありました。これらは有機農業を支援しようという企業の戦略でもありますが、しかし、如何なる発想であっても、変わっていってほしいと思います。
    でも次のような自然界の仕組みについては、経験値から探求し、工夫していただくしかないと思います。
    その例の一つをあげておきます。「無農薬や低農薬農法を用いた結果、病害虫防除が不十分だと病害虫に抵抗するために、植物自体が作る天然化学物質の方が残留農薬などよりも遙かに毒性が強い」という科学者の報告です。
    自然界の仕組みは、我々に容易に分かるものではありません。例えば、こんな報道もありました。食料増産を目指す北朝鮮で、限界まで農地の開墾を進めた結果、山々の保水力が失われ、土砂崩れが頻発しているというのです。また、和歌山県の梅干し生産が大苦戦の原因は、満開期に受粉を担うミツバチが低気温のなかで元気に飛び回らなかったからだと朝日新聞の天声人語に出ておりました。思わず、このコラムで取り上げた「銀座のツバメ」が銀座に帰ってきた原因は、餌となるミツバチの養殖が行われたことにあるという昔の報道を思い出しました。
  4.  自然界の仕組みは、私の理解を越えております。でも、有機農業に携わる皆様にエールを送りたいと思います。農水省も本年5月「みどりの食料システ戦略」をたて、有機農業を推進する方針を出しております。有機農業が盛んで、環境問題を先に行く欧米に後れを取ってはならないという「国の思惑」に対する政策批判については、一時、保留にしておき、応援したいと思います。
    つい最近、広島県の県立西条農業高校が「宇宙農業」の研究を続けているとの新聞報道がありました。具体的には、火星での農業施設の建設や宇宙での野菜栽培を研究しているとのことです。30年程前、宇宙開発の顧問先から種々の夢をいただきました。でも西条農業高校の研究を夢と言ってはいけません。是非、頑張ってもらいたいと思います。
  5.  冒頭に紹介しました“ミートホープ事件”について概要だけでも触れておきます。
     2007年当時の「牛肉虚偽表示事件(牛肉ミンチ偽装事件)」には、皆様、大変ご立腹されたと思います。私も前回のコラムでも述べましたように牛肉には特別の思い入れがあります。牛肉100%だと表示しながら、豚肉や鶏肉等を混ぜていたというのです。それも消費期限切れの肉やパン等も混ぜていたという卑劣な事件です。
    元役員の内部通報によって、上記の不正が明らかになったという当時としては珍しい事件です。ミートホープ株式会社自体は、破産によって終結し、不正競争防止法違反等の適用はありませんでした。しかし、会社の代表者である社長は、不正競争防止法違反及び詐欺罪で起訴され、懲役4年の実刑判決を受けております。
    最初に述べましたとおり、農水産物に関しても、企業法の典型とも思われる不正競争防止法違反の適用がなされることについて紹介する予定でおりました。しかし、食の安全というテーマから言いますと、有機農業を題材にして良かったなと考えております。

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 当事務所は、このたび、一般社団法人PiiS Flyの協賛パートナーになりました。

https://piis-fly.jp/

一般社団法人Piis Flyは、Jリーガーである畑尾大翔選手が、社会貢献活動の一環として運営している団体です。

畑尾選手は、早稲田大学で主将を務めた後、ヴァンフォーレ甲府、名古屋グランパス、大宮アルディージャを経て、現在はザスパクサツ群馬に所属しています。

畑尾選手は、大学自体に自身が闘病生活を送った経験を活かし、子どもたちに対してスポーツを通じて夢や目標を持つことの素晴らしさを伝えるために、”賊 特別支援学校、児童養護施設への訪問、講演、8縮Jリーガーとのオンライン交流会などの活動を行っています。

このような活動が広がり、スポーツを通じて夢や目標を持つ子供たちが一人でも多く増えてほしいと思っています。

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  1.   前回のコラムで、次回は「食の自給率」から「農業に関する思い」を書きたいと述べて終わりました。「食の自給率」というテーマについては、本年初め1月号、日本弁護士連合会が発行する出版物「自由と正義」の巻頭にある「ひと筆」に刺激を受けました。私は「農業に関する思い」が強いのですが、「食の自給率」に関する議論は、農業の在り方に行き着く前提のようになっております。
     「ひと筆」を紹介しなくても、我が国の「食の自給率」が、カロリーベースで
    38%であるという事実は、皆さま、とっくにご存知ですね。報道でも氾濫しています。
     食料を輸出している農業生産国が、理由は何であれ、日本への輸出をストップしますと、日本の食料が不足するのは当然です。日本では、我々が食する食料の
    3分の1強しか生産していないのですから・・。私達は、飢えてしまうのです。「ひと筆」を書かれた先生は、日本の農業や食の安全を守る運動をされていて、「国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会」の埼玉県の会長をされているそうです。江戸時代の食料自給率100%から始まり、その低下する現在に至るまでの状況と原因をも分析されています。これまでの近代化路線は、農業に対する配慮を疎かにしてきましたからね・・・。
  2.  次の論点に移る前に、最近吃驚した報道を紹介しましょう。中国の食糧自給率に関する報道です。「どういうこと?」と驚かれる方が、多分、相当数いらっしゃると判断されます。報道内容ですが、中国の食糧自給率、つまりカロリーベースでの食糧自給率は(中国政府の発表に反し)、76%程度ではないかというのです。
     これまで中国政府は、情報を正確に公表しないことから、推測で計算するしかないそうなのですが、周国家主席は「食べ残し断固阻止」なる指示を出し、食料不足の防止に必死のようだというのです。
     巨大な国土を抱える中国が食糧不足というと嘘のようです。しかし、上記の記事によると「農業の担い手の減少や農地の土壌の劣化」が進んだことが原因だろうとされています。農地の劣化については、中国政府も認めているようです。農地に限ると、19%が、カドミウム、水銀、ヒ素などで汚染されているそうです。農業生産量を自慢にする農業地域でも、化学肥料の使い過ぎで、傷んだ農地が広がっていると、写真まで付けて報道されているのです。
     上記の記事には驚き以外ありません。現在の日本の中国に対する食糧依存度は、相当なものがあります。そうであるのに、中国の農業が、私が小さかった頃の私の故郷の農業に近い話をされるとは驚きです。私の故郷は農業で成り立っている地域ですが、私も祖父と一緒に畑を耕し、祖父が誇らしげに大きなスイカを抱える姿を思い出します。しかし
    当時は有機農業の言葉もありませんでした。肥料として人糞を使用するのは当たり前で、その後に化学肥料となります。中国の現実は、私が体験してきた一昔前のことだと想像してしまうからです。
  3.  ところで、私は、裁判所より破産管財人に選任されることが多く、破産者が所有される農地の売買にも携わってきました。
     大変ですよ。農地の売却には、農業委員会の許可が必要なことは皆さまご存知でしょうが、農業委員会だけでなく地方自治体の関与も予想され、時間もかかるのです。そのために、背景にある農地法の立法趣旨をご理解いただくことが必要でしょうね。
     我が国は、農地の保護政策が徹底しております。農地法第1条を読むだけで我が国の基本方針が直ちに理解できるほどの詳細な規定です。たった1条でも長いのですが、皆さま、こんな機会がなければ、お知りになることはないでしょう。以下、引用してみましょう。
     「第1条(目的) この法律は、国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であることにかんがみ、耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も踏まえつつ、農地を農地以外のものにすることを規制するとともに、農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進し、及び農地の利用関係を調整し、並びに農地の農業上の利用を確保するための措置を講ずることにより、耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図り、もって国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的とする。」 ・・・凄い条文でしょう。
  4.  有機農業という言葉は、皆さまご存知のはずですね。でも有機農業の経験ツアーは、どうでしょうか?観光と同じように、農業体験を旅行とセットにして売り出す農園も増えております。私がサラリーマンだった頃、今ほど有機農業という言葉も流行しておらず、農業体験ツアーも売り出されておりませんでした。しかし、当時、農業を職業にするというだけでなく、有機農業に結び付け、将来の日本の食糧事情について語る若者も出始めておりました。その発想に驚いたものです。有機農業とは、化学肥料や農薬を使用しない方法による農業と言っていいでしょう。遺伝子組換え技術も利用しません。有機農産物として消費者に販売するためにはJAS法という法律に基づき、その認定を受ける必要があります。JAS法による規格を満たしますと、農産物に有機JASマークを付けることができるのです。前回のGIマークと同じような制度なのです。農産物は、海外からの輸入に頼らず、やはり日本で収穫するべきです。
     そうでないと食品として安全かどうかなどと考え、不安になってしまいませんか?

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