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コラム - 情報管理・不正競争カテゴリのエントリ

一 当事務所では、元従業員が退職して競業会社を設立した場合や営業秘密を持ち出された情報漏洩の場合を含め、競業会社が不正競争行為を行っている場合の法的問題を多く取り扱ってきております。 
  その中には、商品の形態を模倣された、いわゆるパクリ商品を製造、販売されてしまったという事案があります。 
  当事務所において、パクリ商品を製造、販売している競業会社に対する訴訟を提起し、販売の差し止めを勝ち取るなどしておりますので、本コラムでは、このような場合にどのように対処すれば良いのかをご説明差し上げたいと思います。

 

二 まず、意匠権又は商標権等を登録していれば、意匠権侵害又は商標権侵害等で訴えることが可能です。 
  もっとも、事前に意匠等の登録をしていない場合には、今から意匠等の登録をしたとしても既に発生している事案に対応することはできません。 
  そこで、このような場合には、不正競争防止法が役に立つことになります。 
  例えば、商品形態が需要者の間に広く認識されている商品等表示にあたる場合に、同一または類似の商品形態の商品を譲渡するなどし、他人の商品と混同を生じさせる行為は、周知表示混同惹起行為という不正競争行為に該当することになります(不正競争防止法2条1項1号)。 
  この場合には、商品に個性的な特徴があるか、長期的独占的に使用しているか、宣伝広告や販売実績はどうか等という点が問題になります。 
  また、商品形態が著名であると認められれば、同一または類似の商品形態の商品を譲渡する等の行為は、混同の恐れがなくとも著名表示不正使用行為という不正競争行為に該当することになります(不正競争防止法2条1項2号)。

 

 もっとも、このような条文に該当することはそれほど簡単なことではありません。 
  そのため、次に、不正競争防止法2条1項3号に基づく商品形態模倣行為に該当しないかが問題になります。 
  「商品の形態」とは、需要者が通常の用法に従った使用に際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の形状並びにその形状に結合した模様、色彩、光沢及び質感をいいます。 
 また、「模倣する」とは、他人の商品の形態に「依拠」して、これと「実質的に同一の形態」の商品を作り出すことをいいます。

 

四 当然のことではありますが、商品をデッドコピーした場合には、「模倣」に該当することになります。 
もっとも、通常は、競業会社もバカではありませんから、デッドコピーではなく、少しだけ形態を変えたものを製造したり販売したりするものです。そうしておけば、「模倣」したものではないと言い訳しやすくなるからです。 
そのため、競業会社の商品が、御社の商品にフリーライド(ただ乗り)していると言えるほど酷似しており、「実質的に同一」であることを証拠に基づき立証していく必要があります。 
「実質的に同一」といえるかどうかにつきましては、裁判官によって評価が異なってくる部分でもありますので、いかに多くの証拠を収集できるかということがポイントになっていくわけです。 
前述しました通り、「模倣」に該当するかどうかの要件には、「依拠」していることも立証する必要がありますが、客観的に「実質的に同一の形態」といえれば、主観的に「依拠」していたという事実は推認されると考えられますので、「実質的に同一」であることを立証することが非常に重要です。

 

五 競業会社側からは、問題になっている形態が「ありふれた形態」であることや「商品の機能を確保するために不可欠の形態」であることを主張立証されることが多いです。 
  このような場合には、法律上、不正競争防止法違反にならないと解されているからです。 
  例えば、競業会社が「ありふれた形態」であることを立証するためには、似たような商品をインターネットで検索し、同じような商品がいくらでも出回っていることを立証することが考えられます。 
  これに対し、御社とすれば、競業会社によって検索された商品が、御社の商品の形態とは全く特徴が異なることなどをしっかりと立証していく必要があるわけです。 
  このように、形態模倣行為というためには非常に専門的な判断が必要になりますので、弁護士によるアドバイスが不可欠です。

 

六 冒頭でも述べました通り、当事務所では、元従業員が退職して競業会社を設立した場合や営業秘密を持ち出された情報漏洩の場合を含め、競業会社が不正競争行為を行っている場合の法的問題を多く取り扱ってきております。 
  特に形態模倣行為については、商品が最初に発売された日から3年の期間しか保護されませんので、手遅れにならないうちに当事務所にご相談ください。お待ちしております。 
       以 上


 


 

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一.   平成31(2019)年1月23日、経済産業省が営業秘密管理指針を改定しました。
 そして、この営業秘密管理指針の中には、当事務所が勝訴した判決が「参考裁判例」として掲載されています。
 具体的には、経済産業省は、「営業上の必要性を理由に緩やかな管理を許容した例」とタイトルを付け、「顧客情報の写しが上司等に配布されたり、自宅に持ち帰られたり、手帳等で管理 されて成約後も破棄されなかったりしていたとしても、これらは営業上の必要性に基づくものであり、従業員が本件顧客情報を秘密であると容易に認識し得るようにしていたとして、秘密管理性を肯定」と解説しています。
 確かに、当該判決で勝訴を勝ち取るために、当事務所は、一般的な法律事務所では行わないであろうと思われる様々な努力と工夫をしました。通常の訴訟のやり方では敗訴するであろうと思ったからです。その結果がこのように評価されていることは、まさしく当事務所の行ってきたことが依頼者の方々の利益になっていることを裏付けられたものとして、非常に喜ばしく思っております。

二.   さて、経済産業省が改定した営業秘密管理指針の内容に戻りましょう。
 営業秘密管理指針は、まず、秘密として管理されているかどうかという要件(「秘密管理性」と言います)に関し、企業が秘密として管理しようとする対象(情報の範囲)が従業員等に対して明確になること(それによって、従業員等の予見可能性を確保すること)が重要であると述べています。
 さらにいえば、企業の秘密管理意思(特定の情報を秘密として管理しようとする意思)が、具体的状況に応じた秘密管理措置(アクセス制限等)によって、従業員に明確に示され、結果として、従業員が当該秘密管理意思を容易に認識できる状態になっていることが必要であると述べています。

三.   また、企業が、営業秘密以外の一般情報を保有しないとは考えられないため、‐霾鵑寮質、∩択された媒体、5〔性の高低、ぞ霾麥姪に応じて、営業秘密と一般情報とを合理的に区分することが必要であると述べています。要するに、何でもかんでも営業秘密だと言っても、認められないということです。
 媒体に「マル秘」などと表記すること、当該媒体に接触する者を限定すること、営業秘密たる情報の種類・類型をリスト化すること、秘密保持契約(あるいは誓約書)などを締結して守秘義務を明らかにすることにより、従業員に対し、一般情報とは取扱いが異なるべきという規範意識を生じさせることがポイントであるとされています。

四.   具体的な管理措置の方法としては、紙媒体の場合には、‥該文書に「マル秘」など秘密であることを表示すること、∋楙可能なキャビネットや金庫等に保管すること、紙媒体のコピーやスキャン・撮影を禁止すること、ぅ灰圈蕊数を管理(余部のシュレッダーによる廃棄)すること、デ柯曠灰圈爾魏鷦すること、Εャビネットを施錠すること、Ъ宅持ち帰りを禁止することが挙げられています。
 また、電子データの場合には、.侫.ぅ詭勝Ε侫ルダ名・ヘッダーにマル秘を付記すること、▲侫ルダの閲覧に要するパスワードを設定すること、人事異動・退職毎にパスワードを変更すること、ぅ瓠璽蕁爾寮瀋衒儿垢砲茲觧簍僖瓠璽襪悗療樵を制限すること、ナ理的にUSBやスマートフォンを接続できないようにすることが挙げられています。
 さらに新製品の試作品など物件に営業秘密が化体している場合には、[ち入り禁止にすること、⊆命浸1洞愡澆療修蟷罎鬚垢襪海函↓1超犯詭リストとして列挙し、当該リストを営業秘密物件に接触しうる従業員内で閲覧・共有化することなどが挙げられています。
 無形のノウハウについても、リスト化したり、誓約書を取ったりすること等が挙げられています。

五.   秘密管理性の有無は、法人全体で判断されるわけではなく、営業秘密たる情報を管理している独立単位(例えば、支店)ごとに判断されることとされています。
 そのため、A支店の従業員であれば、法人全体ではなく、A支店の中でどのように管理されているかが重要になります。
 また、自社内部での情報の具体的な管理状況は、別法人(子会社も含みます)における秘密管理性には影響しないことが原則です。
 そのため、他社の従業員に対しても秘密であると認識させるためには、営業秘密を特定した秘密保持契約(NDA)の締結により自社の秘密管理意思を明らかにすることなどが必要になります。
 秘密保持契約(NDA)を締結する際に、何ら秘密情報の範囲が具体化されていない抽象的な規定になっているものを見かけることが多々ありますが(むしろそのようなNDAの方が一般的であるとさえ言えますが)、それでは全く意味がないのです。

六.   以上の通り、営業秘密管理指針が改定されました。
 営業秘密管理指針は最低限度の基準ですので、これだけやっておけば訴訟で勝訴できるというものではありません。
 もっとも、会社がしっかりと弁護士と相談して法的な準備さえしておけば、退職した従業員が営業秘密を持ち出した(情報漏洩した)場合に損害賠償請求訴訟を提起して勝つことは可能です。
 そのことは、冒頭に挙げた、当事務所が勝訴した裁判例が物語っています。
 会社の営業秘密や秘密情報をしっかり守っていきたいという方、或いは、営業秘密を不正に利用している者(情報漏洩をしている者)に対して法的請求をしたいという方は、是非一度当事務所にご相談ください。
 御社の利益となるアドバイスをすることができると思います。

以 上

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一.  これまでもいくつかのコラムの中でお話ししている通り、当事務所は、退職者の不法行為や不正競争行為に関して訴訟や刑事告訴などを行い、東京地方裁判所や知的財産高等裁判所で勝訴判決を得るなど多数の成果を挙げています。

二.  当事務所にご相談いただいている案件数も非常に増えておりますが、元役員(取締役)に関するご相談も多くなっています。
 そこで、近時、元役員(取締役)との関係で行われた裁判例をご紹介させて頂きます。
 裁判所がどのような事案でどのような判断を下しているのかを知り、有利になるように裁判例を使いこなすことこそが良い結論を導き出す要因の一つだと思います。

損害賠償請求

平成22年7月7日東京地裁判決

5486万8288円

取締役の地位にありながら、重大な影響を与える移籍について、他の取締役に対して隠密理に計画を進行させ、その最終段階で不意打ちのような形でこれを明かしたものであって、会社に対して著しく誠実さを欠く背信的なものであるといわざるを得ないこと等を理由として不法行為を認めた。

損害賠償請求

平成22年3月4日東京地裁判決

2954万7720円

 

在籍中であったにもかかわらず、その立場を利用して派遣エンジニアを不安にさせ、その不安に乗じて勧誘を行った行為態様が悪質であること、会社に引き抜き防止の措置をとる機会を与えないよう秘密裏に一斉の引き抜き行為を行ったこと、引き抜き人数も20人と少なくないことに関し、社会的相当性を欠く違法な行為であると判断した上で、元代表取締役にも連帯して賠償する責任を負わせた。

差止請求及び損害賠償請求等

平成28年4月18日東京地裁判決

401万9542円など

元代表取締役が、株主総会の承認を受けることなく、自分に対してA店の事業譲渡を行ったことが利益相反行為に該当すること、原告の取締役でありながら個人としてA店の営業(競業取引)を行った行為が原告に対する競業避止義務違反に該当すること等を理由として損害賠償を認めた。

損害賠償請求

平成29年9月20日東京地裁判決

295万8300円

ブログやサイトにおいて、自らの精神障害の原因について、周囲の無理解や会社在職中の上司の罵倒、パワハラであったこと、会社から勧奨退職の名目で自らが解雇され、他にもそのような従業員がいたこと、会社において損益の改善のために人員削減がされ、離職率が高いことなどを記事として掲載したこと等に関し、損害賠償を認めた。

損害賠償請求

平成26年7月17日大阪地裁判決

原告Aに対して200万円

原告Bに対して110万円

会社の教材利用行為一切が著作権侵害であることを、取引先、監査法人、証券取引所等に吹聴して回ることにより、原告A及び原告Bの教育事業に進出して自らと競合することを妨害しようとしたものと解さざるを得ず、その態様は、会社らに対する敵意、害意を伴う執拗かつ悪質なものであると判断して不正競争防止法違反を認めた。

損害賠償請求

平成27年9月17日東京地裁判決

100万円

著作権侵害が無いにもかかわらず、「添付警告書を発送しました。同警告書の記載のとおり、著作権侵害の可能性があります。」などと記載した通知を行ったことに関し、不正競争防止法違反行為であると認めた。

損害賠償

平成23年4月28日大阪地裁判決

13万円

 

元取締役が、会社が「粉飾決算」をしていると発言した事実が不正競争防止法違反として認められた。

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 以 上

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1. これまでもいくつかのコラムの中でお話ししている通り、当事務所は、元従業員(退職者)の不法行為や不正競争行為に関して様々な法的手段を行い、東京地方裁判所や知的財産高等裁判所で勝訴判決を得るなど多数の成果を挙げています。 

2.  当事務所にご相談いただいている案件数も非常に増えておりますが、その中でも元従業員(退職者)が競業行為を行っている或いは行いそうだという相談が非常に多くなっています。

   そこで、近時において請求が認められた裁判例をご紹介することに致します。裁判所がどのような事案で会社勝訴の結論を取っているのかを知り、依頼者にとって有利になるように裁判例を使いこなすことこそが弁護士の能力の一つだと思いますし、当事務所が様々な依頼者から喜ばれている理由の一つともいえますので、是非ご参考にして下さい。

損害賠償請求
平成28年5月31日東京地裁判決
295万
8798円
 
元従業員は虚偽の事実を会社の仕入先に伝えていた。その上で、原告会社が購入するはずであった商品を元従業員の設立した会社で購入した行為について、不法行為であると判断した。
もっとも、会社が購入予約していなかった商品を元従業員の設立した会社で購入した行為については、不法行為を認めなかった。
退職金返還請求
平成28年3月31日東京地裁判決
1008万円
 
同業他社に転職した場合は退職加算金を返還する旨の合意に違反した事案。転職が禁止される期間や同業他社の地域等に限定が付されていなかったが、退職加算金制度を利用するか否かは従業員の自由な判断に委ねられていること、従業員に対して同業他社に転職しない旨の義務を負わせるものではなく、従業員が同業他社に転職した場合の返還義務を定めているにすぎないこと等を理由に退職加算金の返還請求を認めた。
退職金返還請求
平成28年1月15日東京地裁判決
1157万
1805円
 
会社が実施した早期退職制度に応募して退職した後に、在職中及び退職後の競業避止義務に違反して競業行為を行ったことが発覚した事案。優遇措置の存在などを理由に退職後の競業避止義務の有効性を認めるとともに、元従業員が主体となって行ったものではないとしても、他社の利益となる行為であること等を理由に競業避止義務違反を認めた。
損害賠償請求
平成27年9月29日東京地裁判決
263万
7150円
会社在職中に知り合った技術者と共に、競業する事業を目的とする会社を設立したこと、元従業員は現場の責任者的な立場であったこと、会社の従業員に対して元従業員が設立した会社の名刺を渡すなど勧誘ともとれる行為をしていることなどを理由に雇用契約上の誠実義務違反を認めた。
競業行為の差し止め等
損害賠償請求
平成27年3月12日大阪地裁判決
競業行為の差し止め
992万
3145円
 
退職後2年間の競業避止義務を定めている就業規則に違反することが認められた事案。
代償措置は講じられていないものの、半径2km以内に限定されていること(判決は、会社が学習塾であり、2kmを超えると小中学生にとって通塾に適さない程度の距離と思われることも判断理由の中に挙げている)、上記圏内であっても、競合他社において勤務することは禁じられていないこと等を理由に有効であると判断し、営業の差し止め及び損害賠償を認めた。
損害賠償請求
平成27年2月12日東京地裁判決
900万円
元従業員が、会社の従業員又は顧問の地位にあったことを利用して集中的に顧客と接触を図り、“会社には不透明な決算がある、巨額な支払遅延の発生により会社の業務に不履行が生じた、従業員の多くが退職予定であり、以後の業務遂行には重大な懸念がある”こと等を内容とする説明を主導的に行っていること、顧客の担当者(会社の現従業員)と協力して上記説明を行っていること等を理由に、不法行為を認めた。
損害賠償請求
平成25年11月14日東京地裁判決
24万
0874円
元従業員が退職する際に、元従業員が使用していたパソコンやサーバーに入っていた“元従業員らが作成したデータ”を消去したことについて不法行為を認めた。
元従業員は、在職中に競業会社を設立しているが、この行為について、競業避止義務違反は認められなかった。
損害賠償請求
平成24年6月11日東京地裁判決
8万0401円
(その他に会社の所有物であるフォームの使用料相当額として5000円)
会社の就業規則上、退職後の競業避止義務について定めた条項が無かったにもかかわらず不法行為が認められた事案。
会社の印刷用フィルムを流用することにより、元従業員の設立した会社が業務を行うことが可能となったものであり、他社の所有する印刷用フィルムを無断で使用することを前提として、受注を勝ち取ったものとみることができることを理由に、不法行為を認めた。

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 このたび、当事務所は、下記のアドレスにて、営業秘密に関するホームページを開設しました。

主に弁護士費用をご確認頂くことにご利用いただけると幸いです。

http://okamoto-law-office.net/

各企業にとって情報の価値が高まる中で法的サービスを提供すべき状況が増えていると思いますので、本ホームページとともによろしくお願いします。

 

 

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一 以前紹介した経済産業省の「秘密情報の保護ハンドブック 〜企業価値向上に向けて」(平成28年2月8日公表)というハンドブックのうち、今回は有効な競業避止義務契約を締結するための基準を紹介したいと思います。
 
二 これまで本コラムでも紹介しております通り、従業員退職後の競業避止義務規定を定めることについては、職業選択の自由を侵害し得るため、判例上制限的に考えられております。
   具体的には、ー蕕襪戮企業の利益があるか、⊇抄醗の地位について、C楼菘な限定があるか、ざザ犯鮖澣遡海梁限慨間、ザ愡澆気譴覿ザ塙坩戮糧楼呂砲弔い読要な制限がかけられているか、β綵措置が講じられているか、が重要な基準になると考えられております。
   経済産業省のハンドブックにおいては、上記 銑Δ砲弔い萄枷塾磴どのように判断しているかを詳細に検討しておりますので、ご紹介します。
 
三 まず、守るべき企業の利益について、経済産業省のハンドブックは、不正競争防止法上の「営業秘密」とまでいえなかったとしても、営業方法や指導方法等に係る独自のノウハウについては、企業側の利益があると判断されやすい傾向があるとされています。
   実際に当事務所が対応している案件において良くある反論として、あくまで従業員が個人的に人的関係を構築して営業活動を行っていたので会社の財産ではない、というものがあります。
もっとも、経済産業省のハンドブックは、「人的関係の構築が企業の信用や業務としてなされたものである場合には、企業側の利益があると判断されやすい」としていますし、実際に当事務所で対応している経験からしましても企業の業務の一環として構築された人的関係の場合には会社側の主張が認められ易いように感じております。
 
四 従業員の地位について、経済産業省のハンドブックは、合理的な理由なく全従業員を対象にした契約、特定の職位にある者全てを対象にしている契約は有効になりにくいとしています。
    言うまでもないことですが、使用者が守るべき利益との関係で当該従業員の具体的な業務内容が重要であるといえなければ、競業避止義務は有効になりにくいと言わざるを得ません。
 
五 地域的限定について、経済産業省のハンドブックは、「地域的限定について判断を行っている判例は少ない」とした上で、「地理的な制限がないことのみをもって競業避止義務契約の有効性が否定されている訳ではない」としています。
   もっとも、地域的制限ができるのであれば、制限をしておいた方が競業避止義務契約の有効性が認められ易くなることは言うまでもありません。
 
六 期間について、経済産業省のハンドブックは、「1年以内の期間については肯定的に捉えられている例が多い」とした上で「近年は、2年の競業避止義務期間について否定的に捉えられている判例がみられる」としています。
   当事務所が実際に相談を受けている印象としても、一般的に2年の競業避止義務を課している契約書や誓約書等が未だに多いと考えられますので、注意が必要だと考えています。
 
七 禁止行為の範囲について、経済産業省のハンドブックは、「禁止対象となる活動内容や職種を限定する場合においては、必ずしも個別具体的に禁止される業務内容や取り扱う情報を特定することまでは求められていないものと考えられる」としています。
    もっとも、一般的・抽象的にしか規定されていなければ有効性が認められない可能性が高いわけですので、実際に契約を締結する場合には注意が必要です。
 
八 代償措置について、経済産業省のハンドブックは、「代償措置と呼べるものが何も無い場合には、有効性を否定されることが多い」とした上で、「みなし代償措置」のようなものでも肯定的に判断されているとしています。
   実際に当事務所で相談を受けている事案を考えてみても、代償措置がなされていないケースが極めて多く、競業避止義務契約を締結する際には工夫が必要です。
 
九 以上の通り、有効な競業避止義務契約を締結するために必要な考え方を紹介しましたが、実際にどのような契約を行えば良いかどうかについては非常に微妙な判断が必要になりますので、是非一度ご相談ください。

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一 以前紹介した経済産業省の「秘密情報の保護ハンドブック 〜企業価値向上に向けて」というハンドブックのうち、今回は従業員に向けた具体的な情報漏洩対策を紹介したいと思います。
 
二 従業員に向けた具体的な対策として一般的によく挙げられるのが、秘密情報を閲覧・利用することができるアクセス権者の範囲を適切に設定し、アクセス制限を行うことです。
   このことは、不正競争防止法上の「営業秘密」に該当するかどうかを判断する際の基準としてもよく挙げられる基準であり、非常に重要と考えられています。
   具体的には、書類等については施錠された書庫等に分離して保存した上で入退室を管理することが重要ですし、電子データについてはアクセス権を有する者のIDのみからアクセスできるようにすることが重要です。
   経済産業省のハンドブックでは、小規模企業でも行える施策として?ペーパーレス化や?電子化された秘密情報のうち、印刷できるデータの内容を限定すること等も挙げられています。
 
三 秘密情報の持ち出しを困難にさせる施策も重要とされています。
具体的には、秘密情報が記載された会議資料等に通し番号を付けて出席者と関連付けして把握した上で会議が終了した際に全て回収して管理すること、従業員の私物USBメモリなどの持ち込みを禁止すること等です。
   また、実際に当事務所が扱っている事件においては、刑事告訴した際に、警察などから「社内のパソコンについてUSBメモリ等の外部記録媒体への書き込みができない設定にしているか」という点を問題にされることも少なくありません。
   そこまでの対応は大企業でなければ難しい場合が少なくないと思いますが、せめて電子データを暗号化するなど可能な限り従業員が秘密情報を持ち出せないようにする施策を講じる工夫が必要です。
 
四 仮に秘密情報の漏洩を行ったとしてもすぐに見つかってしまう状況になっているということを従業員に認識させることも重要とされています。心理的効果によって、故意による秘密情報の漏洩を防止できるからです。
具体的には、秘密情報が保管されている書庫や区域に「関係者以外立ち入り禁止」という掲示を行ったり防犯カメラを設置したりすること、情報システムにおけるログの記録や保存を行っていることを周知すること等です。
これらの対策は、実際に秘密情報の漏洩が発覚した後に証拠にもなり得ますので是非とも実施されることをお勧めします。
 
五 さらに、不正な行為を行った従業員に言い逃れをされないようにすることも重要です。
具体的には、可能な限り多くの従業員が参加している会議や朝礼などにおいて、何が秘密情報であり、どのようなルールになっているかを確認するなどして、従業員に秘密情報の取り扱いルールを周知したり、秘密保持誓約書等を締結したりすることが重要とされています。
   当事務所が扱っている案件においては、専門家による研修を行ったり、従業員の理解度を確認するためのテストを行ったりすることによって、言い逃れされないようにしている会社が見受けられます。
 
六 以上のような対策の他にも経済産業省のハンドブックには様々な対策が具体的に記載されていますし、従業員に向けた対策の他にも退職者、取引先、外部者に向けた対策を取ることも必要です。
   情報漏洩の具体的な対策を検討している方は気軽に当事務所にご相談いただければ幸いです。
 

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一 当事務所で秘密情報の漏洩に関する相談が増加しており、様々な案件に対応していることはこれまでも本コラムで記載してきたとおりですが、経済産業省は平成28年2月8日付けで「秘密情報の保護ハンドブック 〜企業価値向上に向けて」というハンドブックを公表しました。
   「大企業の約40%、企業全体の15%弱が、『自社の営業秘密の漏えいがあった若しくはそのおそれがあった』と回答」(平成26年経済産業省調査)しているにもかかわらず、「営業秘密の漏えい防止策について、企業全体の約35%、中小企業の約40%が『取り組んでいない』と回答」(平成26年帝国データバンク調査)しているとのことですから、このような現状を見るとまだまだ秘密情報の漏洩は続くものと判断せざるを得ません。
経済産業省としても上記ハンドブックを公表して秘密情報管理に関する啓蒙活動を行わずにはいられないということなのだろうと思われます。
 
二 秘密情報を管理することの重要性は改めてお伝えする必要がないかもしれませんが、一番大きいと思われるのは、競争力を失うことです。
   いうまでもなく、競合他社に対して秘密情報が漏洩すれば競争力を失い、競合他社に顧客を奪われてしまう可能性が強いでしょう。
   また、秘密情報を漏洩させてしまったという事実自体が、企業の社会的信用を低下させることにもつながりません。
   そればかりか、秘密情報が顧客情報の場合には、顧客情報を漏洩したことにより、顧客から訴えられる可能性も出てくるのです。
   このように、秘密情報の漏洩は企業にとって致命的な事態を及ぼしかねません。
 
三 経済産業省のハンドブックには、概ね、秘密情報を決定する際の考え方、情報漏洩対策の具体例、秘密情報管理にあたっての社内体制、紛争への備え、情報漏洩事案への対応方法などが事細かに記載されております。
   また、当該ハンドブックには、秘密情報管理に関する就業規則例、情報管理規程例、秘密保持誓約書例、秘密保持契約書例なども細かく記載されており、実務にも大変役立つ内容になっています。
   もっとも、当該ハンドブックは100ページを大幅に超える大作であり、法律的な裏付けに基づいて記載されておりますので、軽く読んですぐに全てを理解できるというものでもありません。
   そこで、本コラムでは、数回にわたり、当該ハンドブックの内容を簡潔に紹介したいと思っております。
 秘密情報の管理に向けて社内規程の整備を検討されていたり、情報漏洩事案への対応を検討されたりしている場合には、当事務所にご相談いただければ幸いです。
   

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一  当コラムで何度もご紹介している通り、裁判で不正競争防止法の「営業秘密」に該当すると認めてもらうことはそれほど容易なことではありません。経済産業省のガイドラインを見て、諦めてしまっている会社も少なくないと思います。
  しかし、仮に不正競争防止法の「営業秘密」に該当しなくても、損害賠償請求が認められないというわけではありません。
   本コラムでは、当事務所で扱った事例で損害賠償請求が認められた案件をご紹介いたします。 
二 その訴訟は、元従業員が競業会社と共謀して会社の顧客を奪い取ったという事例です。
(一)具体的には、元従業員は、退職直前に会社の顧客情報等を大量にコピーしていました。元従業員は、退職直後に競業会社に顧客情報等を持ち込み、顧客に対して、今までの取引条件よりも安く契約するので競業会社と取引してほしいと働きかけたという事例です。
   元従業員が顧客情報等を持ち出したとはいえ、当該会社の顧客情報等は厳格に管理されておらず、不正競争防止法上の「営業秘密」には該当しませんでした。
   そのため、元従業員の行為が違法であると立証するのはそれほど容易ではありませんでした。 
(二)そこで、当事務所では、弁護士が、会社の担当者と共に協力的な顧客を一つ一つ訪問し、元従業員から契約変更を働きかけられた際の話を聞かせて頂くとともに陳述書を作成して頂くことで、元従業員の悪質な行為を立証することにしました。協力して下さるということであれば地方の顧客にも訪問しました。
   当事務所が費やした時間は相当なものでありましたが、当該陳述書等が功を奏し、訴訟では、第一回口頭弁論期日から裁判官が当方に極めて好意的な意見を述べるという状態を作り出すことができました。
   訴訟では一旦出来上がった流れが突然大きく変わるということはそれほど多くありませんので、その後も、当方に有利な流れで訴訟は進行し、証人尋問になりました。
   反対尋問では、元従業員も最初は言い逃れをしていましたが、最終的には当方の追及に耐え切れず、在職中から会社の情報を利用して顧客を奪う準備をしていたこと等を認めるに至りました。
   当方が勝訴を確信した瞬間です。
三)当事件では、元従業員が数多くの顧客に働きかけていましたが、大部分の顧客は取引を変更しなかったため、会社の実損害はそれほど多くない事例でした。
   そのため、逸失利益(本来であれば得られたであろう利益)が争点となりましたが、結論としては逸失利益も認められました。
   当方が勝訴となる判決文を作成済みであることは裁判官が明言していましたが、元従業員が高額の解決金を支払うことを約束したことや元従業員との関係性などを考慮 して、最終的には当方の勝訴的和解で決したという事例です。
三 このように、仮に経済産業省のガイドラインなどをチェックしてみて、「営業秘密」とは認められなさそうだな、と思ったとしてもすぐに諦める必要性はありません。
   元従業員や競業会社が自由競争の範囲を逸脱するような悪質な行為をしていれば損害賠償請求が認められる可能性は十分あります。
   まずは当事務所にご相談いただければ幸いです。
                                               

 

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一(元)従業員らに営業秘密を持ち出された(情報を漏洩された)場合の法律相談としてはいくつかバリエーションがありますが、刑事告訴を要望される経営者の方が多いことも事実です。従業員に裏切られるわけですから、当然といえば当然の反応といえるでしょう。
  もっとも、一般の方が警察署に行って不正競争防止法に基づく刑事告訴をしようとしても容易でないことも事実です。
 
二 そのような中、平成27年1月28日付けで、経済産業省から営業秘密管理指針の全部改訂(以下「全部改訂版」といいます)が公表され、従前の解釈がだいぶ緩やかになりました。会社にとってみれば、喜ばしい改訂であると考えられます。
  全部改訂版によれば、「改訂に当たっては、『知的財産推進計画2014』(平成26年7月知的財産戦略本部決定)で、『一部の裁判例等において秘密管理性の認定が厳しいとの指摘や認定の予見可能性を高めるべきとの指摘があることも視野に入れつつ、営業秘密管理指針において、法的に営業秘密として認められるための管理方法について、事業者にとってより分かりやすい記載とするよう改める』と記載されたことを踏まえ」とされ、「秘密管理性要件については、企業が、ある情報について、相当高度な秘密管理を網羅的に行った場合にはじめて法的保護が与えられるべきものであると考えることは、次の理由により、適切ではない」と記載されております。
  「次の理由」の中には、「営業秘密が競争力の源泉となる企業、特に中小企業が増加しているが、これらの企業に対して、『鉄壁の』秘密管理を求めることは現実的ではない。仮にそれを求めることになれば、結局のところ、法による保護対象から外れてしまうことが想定され、イノベーションを阻害しかねないこと」という記載もなされていますから、全部改訂版は従前の営業秘密管理指針に比べてかなり踏み込んだ内容になっていると考えることが可能です。
 
三 このような影響もあるのでしょうか。「営業秘密」に関する刑事事件としては、本年に入ってから、既に複数の事件がマスメディアに取り上げられています。
  例えば、本年1月14日付け各紙によれば、大阪府警は、家電量販大手エディオンの「販促スケジュール案」などのデータを不正取得したという疑いで、エディオンから転職した上新電機の元部長を不正競争防止法違反容疑で逮捕したとのことです。さらに、2月4日付け各紙によれば、同容疑者の元部下についても逮捕したとの報道もなされています(以下「エディオン事件」といいます)。
  報道によれば、エディオン事件においては、職場に共用パソコンが存在していたこと、遠隔操作ソフトのインストールが可能であったこと、退職後90日間にわたり退職者のID及びパスワードが依然として有効なままであったことなど「秘密管理性」を否定する方向に推認し得る事実がいくつか存在するようですが、大阪府警は「営業秘密」として認められるという判断をしているようです。
  また、本年2月14日付け各紙によれば、神奈川県警は、日産自動車に在職中、日産本社のサーバーにアクセスし、モーターショーでの車の配置や照明の当て方などに関するデータ8件を自分のUSBメモリーなどに複製して不正に持ち出したという疑いで、日産自動車の元社員を逮捕したとの報道もなされています。
 
四 今後は、全部改訂版に従った「営業秘密」の管理をしておくことによって、従前と比較して、刑事処罰による従業員に対する抑止を行い易くなり得ると考えられます。
  そのために重要なことの第一は、各会社の実情に合わせて規則等を定めることです。
  また、万が一、(元)従業員にデータ等を持ち出されてしまった場合(情報漏洩されてしまった場合)には、会社の実情に応じて当該データ等が「営業秘密」に該当するかどうかを法的に検討する必要があります。
  当事務所では、営業秘密管理指針に適合する規則等を整備するばかりでなく、(元)従業員にデータ等を持ち出されてしまった場合、不正競争防止法上の規定に加え、各種刑罰法規に該当しないかどうかを様々な角度から検討し、刑事告訴等を行っております。
  一度ご相談くだされば幸いです。
                                                                                                                                                                      

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