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コラム - 最新エントリー

1 相続法が改正されます。これを機会に改正相続法に関係するコラムを書こうと思いました。でも、今回の改正の目玉でもあります配偶者居住権の創設などを一つ一つ説明しましても、知識だけであり、それほど面白くないと思います。
 そこで、私も驚いた体験を一つの課題として、その課題を中心にお話してみようと思います。
今回は、相続事件において、不動産がどれ位面倒になる可能性を秘めているのかについてお話しします。

2 困った事例の最初は、不動産にかけられる相続税で、この体験は 本当に多いのです。
 相続事件に関する相談で、私の事務所所属の若い先生に指摘されたことがあります。私は、最初に面接した際、必ず現金の有無を確かめるそうです。もちろん、私は、「預金はどれ位残されていましたか」というように間接的に質問しているつもりです。つまり現金の有無を直接確認するような、失礼な質問はしません。でも、さすが弁護士の先生は見破っているのです。
 相続財産が不動産中心というのは本当に多い事例ですが、その相続税はびっくりするほど高いのです。課税される不動産の概算価格は、国が作成している路線価表から調べればいいのですが、その概算を見ただけで、相談者は相続税が支払えるのかと心配になる事例は多いのです。特に、自宅の敷地が都心一等地で、ある程度の広さがある場合、しかし、相続財産がそれしかないような場合は本当に困りますね。遺産争いなどしている場合ではないと忠告したくなります。相続税の支払いの目途は、お亡くなりになって10か月です。税務署はうるさいですよ。
 ここで大事なことは、必ず相続税に強い税理士に相談してください。土地や家屋の相続税については、種々低減できる評価方法や、特例などもあり、専門家の助言が必要な場面なのです。

3 山間部にある膨大な不動産が相続財産という事例も扱いました。
 数年前ですが、私が「放棄できない不動産」というテーマで本コラムを書いていたところ、出版社や新聞社等から随分インタビューの申し込みを受けました。講演を依頼されたこともあります。このようなコラムを書き始めたのは、相続してしまった不動産をもてあまして、私も一緒に困惑した事件が多かったからです。
 東京に住む私の依頼者は、故郷であっても、田も畑も、山の中の土地も不要でした。だからといって山間部・農村の土地は、売却も困難です。故郷の跡継ぎのお兄さんは、自分の自宅以外なら「どの土地でも風呂敷に包んで、どんどん持って帰って頂戴」と冗談を言われるのです。相続放棄も検討して、結局、少額の現金で妥協しました。この傾向はこれからも続くでしょうね。山間部の住民が激減しているのですから、地方公共団体の利用計画や観光地化など工夫がない限り、売却処分をして財産を分配することなど無理でしょう。

4 非上場の株式を相続する場合に困ったことがあります。
 不動産を賃貸して相当な賃料を回収されている場合、このビジネス形態を法人化される手法は、種々のメリットがあります。
 この非上場の少数株式を、同族と判断される方が相続した場合、驚くような相続税が課されることがあるのです。少数株主は少額の配当でも受けられれば感謝なのですが、同族と判断される相続人が相続されますと、少数株式の評価が資産、つまり不動産の時価にて評価されることになります。具体的な事例については、「少数株主」(牛島信著 幻冬舎文庫)という本を紹介しましょう。
 この本では、大日本除虫菊(金鳥という蚊取り線香の会社)の少数株式を相続したおばあさんが、自己評価で500万円のところ、税務署に1億6000万円も課税され、争われた実例が出ております。
 上記の本は、「非上場会社にコーポレートガバナンスを導入するべきだ」という理念のもとに書かれた本で、面白いですよ。

5 最後に、弁護士報酬が問題になる場合です。相続事件によくある
とですが、不動産が相続財産の殆どを占める事例です。
 遺産分割請求事件や遺留分減殺請求事件の弁護士報酬は、通常、対
象となる相続分・遺留分の時価相当額とされております。相続の全体価額が数億円であっても、不動産が依頼者の相続財産の中心であって、金銭が殆どない状態で分割される場合、弁護士報酬を単純計算すると、報酬額が、依頼者の分配取得現金を上回る場合も出てくるのです。
 このような場合、弁護士は本当に困ってしまいます。私は、このような場合を含めて当初の契約時に、弁護士報酬の考え方の基礎となる「経済的利益」について十分に説明するようにしております。しかし、それでも契約後に少数株式が出てきた場合もあるのです。
 そこで、経済的利益について、依頼者の要求する請求額と事件の相手方が当方依頼者に提案している金額の差額とすることが分かり易いと考えております。しかし事件の内容によっては、相手方の要求額が分からない場合もあります。特に、遺留分減殺請求事件の場合には、依頼者に当該権利が認められるかどうかが争点になる場合もありますから、やはり、依頼者の請求額全額が経済的利益となってしまいます。上記のような遺留分減殺請求事件でしたが、争いのない部分を作り出し、一部を時価相当額の3分の1に計算し直して、依頼者に納得していただいた場合もあります。
 今回はこの辺で。

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一 当事務所では、元従業員が退職して競業会社を設立した場合や営業秘密を持ち出された情報漏洩の場合を含め、競業会社が不正競争行為を行っている場合の法的問題を多く取り扱ってきております。 
  その中には、商品の形態を模倣された、いわゆるパクリ商品を製造、販売されてしまったという事案があります。 
  当事務所において、パクリ商品を製造、販売している競業会社に対する訴訟を提起し、販売の差し止めを勝ち取るなどしておりますので、本コラムでは、このような場合にどのように対処すれば良いのかをご説明差し上げたいと思います。

 

二 まず、意匠権又は商標権等を登録していれば、意匠権侵害又は商標権侵害等で訴えることが可能です。 
  もっとも、事前に意匠等の登録をしていない場合には、今から意匠等の登録をしたとしても既に発生している事案に対応することはできません。 
  そこで、このような場合には、不正競争防止法が役に立つことになります。 
  例えば、商品形態が需要者の間に広く認識されている商品等表示にあたる場合に、同一または類似の商品形態の商品を譲渡するなどし、他人の商品と混同を生じさせる行為は、周知表示混同惹起行為という不正競争行為に該当することになります(不正競争防止法2条1項1号)。 
  この場合には、商品に個性的な特徴があるか、長期的独占的に使用しているか、宣伝広告や販売実績はどうか等という点が問題になります。 
  また、商品形態が著名であると認められれば、同一または類似の商品形態の商品を譲渡する等の行為は、混同の恐れがなくとも著名表示不正使用行為という不正競争行為に該当することになります(不正競争防止法2条1項2号)。

 

 もっとも、このような条文に該当することはそれほど簡単なことではありません。 
  そのため、次に、不正競争防止法2条1項3号に基づく商品形態模倣行為に該当しないかが問題になります。 
  「商品の形態」とは、需要者が通常の用法に従った使用に際して知覚によって認識することができる商品の外部及び内部の形状並びにその形状に結合した模様、色彩、光沢及び質感をいいます。 
 また、「模倣する」とは、他人の商品の形態に「依拠」して、これと「実質的に同一の形態」の商品を作り出すことをいいます。

 

四 当然のことではありますが、商品をデッドコピーした場合には、「模倣」に該当することになります。 
もっとも、通常は、競業会社もバカではありませんから、デッドコピーではなく、少しだけ形態を変えたものを製造したり販売したりするものです。そうしておけば、「模倣」したものではないと言い訳しやすくなるからです。 
そのため、競業会社の商品が、御社の商品にフリーライド(ただ乗り)していると言えるほど酷似しており、「実質的に同一」であることを証拠に基づき立証していく必要があります。 
「実質的に同一」といえるかどうかにつきましては、裁判官によって評価が異なってくる部分でもありますので、いかに多くの証拠を収集できるかということがポイントになっていくわけです。 
前述しました通り、「模倣」に該当するかどうかの要件には、「依拠」していることも立証する必要がありますが、客観的に「実質的に同一の形態」といえれば、主観的に「依拠」していたという事実は推認されると考えられますので、「実質的に同一」であることを立証することが非常に重要です。

 

五 競業会社側からは、問題になっている形態が「ありふれた形態」であることや「商品の機能を確保するために不可欠の形態」であることを主張立証されることが多いです。 
  このような場合には、法律上、不正競争防止法違反にならないと解されているからです。 
  例えば、競業会社が「ありふれた形態」であることを立証するためには、似たような商品をインターネットで検索し、同じような商品がいくらでも出回っていることを立証することが考えられます。 
  これに対し、御社とすれば、競業会社によって検索された商品が、御社の商品の形態とは全く特徴が異なることなどをしっかりと立証していく必要があるわけです。 
  このように、形態模倣行為というためには非常に専門的な判断が必要になりますので、弁護士によるアドバイスが不可欠です。

 

六 冒頭でも述べました通り、当事務所では、元従業員が退職して競業会社を設立した場合や営業秘密を持ち出された情報漏洩の場合を含め、競業会社が不正競争行為を行っている場合の法的問題を多く取り扱ってきております。 
  特に形態模倣行為については、商品が最初に発売された日から3年の期間しか保護されませんので、手遅れにならないうちに当事務所にご相談ください。お待ちしております。 
       以 上


 


 

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一.    相続法が約40年ぶりに大改正されます。
 主に平成31(2019)年7月31日から施行されますが、一部については、既に平成31(2019)年1月13日から施行されていますので、注意が必要です。
 相続や事業承継はどなたにとっても非常に重要なことですから、是非ともしっかり対策して頂くことが必要だと思います。

二.    まず、配偶者居住権(配偶者が相続開始時に被相続人が所有する建物に住んでいた場合に、終身または一定期間、その建物を無償で使用することができる権利)が創設されました。
 ^篁妻割における選択肢の一つとして、或いは被相続人の遺言等によって、配偶者に配偶者居住権を取得させることができるようになります。
 このことによって何が起きるかと申しますと、例えば、相続人が妻及び子、遺産が自宅(2000万円)及び預貯金(3000万円)の場合のことを考えると分かりやすいです。

(改正前)
妻:預貯金500万円+自宅
子:預貯金2500万円

(改正後)
妻:配偶者居住権(1000万円) 預貯金1500万円
子:負担付の所有権(1000万円) 預貯金1500万円

 妻にとって、預貯金を多めに受け取ることができるようになっていることがお分かりいただけるはずです。

三.    また、相続法改正により、結婚期間が20年以上の夫婦間で、配偶者に対して自宅の遺贈または贈与がされた場合には、原則として、遺産分割における計算上、遺産の先渡し(特別受益)がされたものとして取り扱う必要がなくなります。
 例えば、相続人が妻と子、遺産が自宅(2000万円)、空き家(1000万円)、預貯金(3000万円)の場合で空き家を共有にするとした場合、預貯金は、

 改正前 妻:500万円+自宅 子:2500万円であったものが
 改正後 妻:1500万円+自宅 子:1500万円

 となります。
 やはり、妻がかなり有利になっていることがお分かりいただけると思います。
 配偶者の権利に関しては、配偶者短期居住権(配偶者が相続開始時に被相続人が所有する建物に居住していた場合に、遺産の分割がされるまでの一定期間、その建物に無償で住み続けることができる権利)も創設されており、保護されております。

四.    自筆証書遺言(自筆で作成する遺言書)については、改正前は、添付する目録も含め、全文を自書して作成する必要がありました。
 しかし、改正後は、遺言書に添付する相続財産の目録について、パソコンで作成した目録や通帳のコピーなど、自書によらない書面を添付することによって作成することができるようになりました。
 財産目録の書式は自由で、遺言者本人がパソコンで作成する場合以外にも、遺言者以外の者が作成することも可能です。
 併せて法務局で自筆証書による遺言書を保管する制度が創設されました。全国にある遺言書保管所において、遺言書が保管されているかどうかを調べること(「遺言書保管事実証明書」の交付請求)、遺言書の写しの交付を請求すること(「遺言書情報証明書」の交付請求)ができ、また、遺言書を保管している遺言書保管所において遺言書を閲覧することもできるようになっています。

五.    さらに、被相続人(お亡くなりになった方)名義の預貯金の払い戻しについても改正されます。
 改正前は、生活費や葬儀費用の支払、相続債務の弁済など、お金が必要になった場合でも、相続人は遺産分割が終了するまでは被相続人の預貯金の払戻しができませんでした(平成28年12月19日最高裁判決)。
 しかし、改正後は、^篁妻割前にも預貯金債権のうち一定額(ただし、同一の金融機関に対する権利行使は、150万円が限度)については、家庭裁判所の判断を経ずに金融機関で払戻しができるようになります。
 なお、単独で払戻しをすることができる額=(相続開始時の預貯金債権の額)×(3分の1)×(当該払戻しを求める共同相続人の法定相続分)ですので、例えば、預貯金600万円、子2人の場合、100万円となります。 また、仮払いの必要性があると認められる場合には、他の共同相続人の利益を害しない限り、家庭裁判所の判断で仮払いが認められるようになります。

六.    その他にも、相続法改正により、処分された財産につき遺産に組み戻すことについて処分者以外の相続人の同意があれば、処分者の同意を得ることなく、処分された預貯金を遺産分割の対象に含めることが可能になります。
 遺留分についても、金銭債権化され、不動産が複雑な共有関係になることを回避できるようになります。
 また、遺言書で「相続させる」と記載することにより、長男が被相続人所有の空き家を取得する場合(被相続人は長男と次男の2人の場合)、改正前は、相続債権者が、「空き家の登記は被相続人名義のままなので、次男が相続した法定相続分での差押をしよう」としても、常に長男が優先することになっていました。
 しかし、改正後は、相続させる旨の遺言についても、法定相続分を超える部分については、登記等の対抗要件を具備しなければ、第三者に対抗することができないことになります。
 さらに、相続人以外の親族が被相続人の療養看護等を行った場合、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭の支払を請求することができるようになります。

七.    以上の通り、相続法の大改正により、様々な項目が変わることになります。一読して頂いただけでは良く分からない難しい内容もたくさん含まれていると思います。
 この機会に、弁護士に相談しながら相続法改正のメリットを享受できないかご検討いただいた上で、遺言書を作成された方が良いと思いますし、身近な方に遺言書の作成をお勧めされた方が良いと思います。既に遺言書を作成されている方は、作り直しもご検討いただくのが良いと思います。
 事業承継の際にも注意した方が良いとも思いますので、いずれの場合でも、是非一度当事務所にご相談いただけると幸いです。

 

 上

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一.   平成31(2019)年1月23日、経済産業省が営業秘密管理指針を改定しました。
 そして、この営業秘密管理指針の中には、当事務所が勝訴した判決が「参考裁判例」として掲載されています。
 具体的には、経済産業省は、「営業上の必要性を理由に緩やかな管理を許容した例」とタイトルを付け、「顧客情報の写しが上司等に配布されたり、自宅に持ち帰られたり、手帳等で管理 されて成約後も破棄されなかったりしていたとしても、これらは営業上の必要性に基づくものであり、従業員が本件顧客情報を秘密であると容易に認識し得るようにしていたとして、秘密管理性を肯定」と解説しています。
 確かに、当該判決で勝訴を勝ち取るために、当事務所は、一般的な法律事務所では行わないであろうと思われる様々な努力と工夫をしました。通常の訴訟のやり方では敗訴するであろうと思ったからです。その結果がこのように評価されていることは、まさしく当事務所の行ってきたことが依頼者の方々の利益になっていることを裏付けられたものとして、非常に喜ばしく思っております。

二.   さて、経済産業省が改定した営業秘密管理指針の内容に戻りましょう。
 営業秘密管理指針は、まず、秘密として管理されているかどうかという要件(「秘密管理性」と言います)に関し、企業が秘密として管理しようとする対象(情報の範囲)が従業員等に対して明確になること(それによって、従業員等の予見可能性を確保すること)が重要であると述べています。
 さらにいえば、企業の秘密管理意思(特定の情報を秘密として管理しようとする意思)が、具体的状況に応じた秘密管理措置(アクセス制限等)によって、従業員に明確に示され、結果として、従業員が当該秘密管理意思を容易に認識できる状態になっていることが必要であると述べています。

三.   また、企業が、営業秘密以外の一般情報を保有しないとは考えられないため、‐霾鵑寮質、∩択された媒体、5〔性の高低、ぞ霾麥姪に応じて、営業秘密と一般情報とを合理的に区分することが必要であると述べています。要するに、何でもかんでも営業秘密だと言っても、認められないということです。
 媒体に「マル秘」などと表記すること、当該媒体に接触する者を限定すること、営業秘密たる情報の種類・類型をリスト化すること、秘密保持契約(あるいは誓約書)などを締結して守秘義務を明らかにすることにより、従業員に対し、一般情報とは取扱いが異なるべきという規範意識を生じさせることがポイントであるとされています。

四.   具体的な管理措置の方法としては、紙媒体の場合には、‥該文書に「マル秘」など秘密であることを表示すること、∋楙可能なキャビネットや金庫等に保管すること、紙媒体のコピーやスキャン・撮影を禁止すること、ぅ灰圈蕊数を管理(余部のシュレッダーによる廃棄)すること、デ柯曠灰圈爾魏鷦すること、Εャビネットを施錠すること、Ъ宅持ち帰りを禁止することが挙げられています。
 また、電子データの場合には、.侫.ぅ詭勝Ε侫ルダ名・ヘッダーにマル秘を付記すること、▲侫ルダの閲覧に要するパスワードを設定すること、人事異動・退職毎にパスワードを変更すること、ぅ瓠璽蕁爾寮瀋衒儿垢砲茲觧簍僖瓠璽襪悗療樵を制限すること、ナ理的にUSBやスマートフォンを接続できないようにすることが挙げられています。
 さらに新製品の試作品など物件に営業秘密が化体している場合には、[ち入り禁止にすること、⊆命浸1洞愡澆療修蟷罎鬚垢襪海函↓1超犯詭リストとして列挙し、当該リストを営業秘密物件に接触しうる従業員内で閲覧・共有化することなどが挙げられています。
 無形のノウハウについても、リスト化したり、誓約書を取ったりすること等が挙げられています。

五.   秘密管理性の有無は、法人全体で判断されるわけではなく、営業秘密たる情報を管理している独立単位(例えば、支店)ごとに判断されることとされています。
 そのため、A支店の従業員であれば、法人全体ではなく、A支店の中でどのように管理されているかが重要になります。
 また、自社内部での情報の具体的な管理状況は、別法人(子会社も含みます)における秘密管理性には影響しないことが原則です。
 そのため、他社の従業員に対しても秘密であると認識させるためには、営業秘密を特定した秘密保持契約(NDA)の締結により自社の秘密管理意思を明らかにすることなどが必要になります。
 秘密保持契約(NDA)を締結する際に、何ら秘密情報の範囲が具体化されていない抽象的な規定になっているものを見かけることが多々ありますが(むしろそのようなNDAの方が一般的であるとさえ言えますが)、それでは全く意味がないのです。

六.   以上の通り、営業秘密管理指針が改定されました。
 営業秘密管理指針は最低限度の基準ですので、これだけやっておけば訴訟で勝訴できるというものではありません。
 もっとも、会社がしっかりと弁護士と相談して法的な準備さえしておけば、退職した従業員が営業秘密を持ち出した(情報漏洩した)場合に損害賠償請求訴訟を提起して勝つことは可能です。
 そのことは、冒頭に挙げた、当事務所が勝訴した裁判例が物語っています。
 会社の営業秘密や秘密情報をしっかり守っていきたいという方、或いは、営業秘密を不正に利用している者(情報漏洩をしている者)に対して法的請求をしたいという方は、是非一度当事務所にご相談ください。
 御社の利益となるアドバイスをすることができると思います。

以 上

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一.   2019(平成31)年4月より、働き方改革法が施行され始めます。
 今まで労務問題が生じていなかった会社や法人においても、今までの働き方を大きく変える必要があり、働き方改革法に対応できなかった会社は、ブラック企業であると叩かれ、訴訟を起こされるという世の中がすぐそばに来ています。
 大企業だけではなく、中小企業も含め、働き方改革法に対応することが急務になっておりますので、本コラムにおいては、まず、働き方改革法の概要をお知らせいたします。

二.   まず、今回の改正によって、法律上、時間外労働の上限は原則として月45時間・年360時間となり、「臨時的な特別の事情」がなければこれを超えることができなくなります。
 「臨時的な特別の事情」がある場合でも、時間外労働は年720時間以内にしないといけませんし、月45時間を超えられるのは年6カ月が限度です。
 これに違反すると、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される恐れがあります。また、時間外労働と休日労働の合計は、常に月100時間未満、2〜6カ月平均80時間以内にしなければなりません。
 2019(平成31)年3月31日までに36協定を定めれば、1年間はこのような規制が適用されませんので、今のうちに対応しておくと良いと思います。

三.   今回の改正によって、年次有給休暇(有給)が年10日以上付与される労働者については、有給を年5日取得させることが使用者の義務となります。
 使用者は、労働者ごとに、意見を聴取した上で、有給を付与した日から1年以内に、取得時季を指定して5日間の有給を取得させなければなりません。
 また、使用者は、時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法等について、就業規則に記載しなければなりません。そのため、多くの会社において、就業規則の改定が不可欠と言って良いと思います。

四.   今回の改正によって、フレックスタイム制も使いやすくなりました。
 フレックスタイム制を導入すると、1日8時間・週40時間という法定労働時間を超えて労働しても、ただちに時間外労働とはなりません。清算期間(上限3か月)における実際の労働時間のうち、清算期間における法定労働時間の総数を超えた時間数だけが残業代の対象となります。
 もっとも、清算期間全体の労働時間が、週平均40時間を超えるか、または、1か月ごとの労働時間が週平均50時間を超えると、残業代を支払う必要が生じてしまいます。フレックスタイム制を導入するためには就業規則の規定と労使協定の締結が必要ですので、注意が必要です。

五.   今回の改正によって、正社員と非正規社員との間で、基本給や賞与などあらゆる待遇について不合理な待遇差を設けることが禁止されることになります。
 また、非正規社員は、正社員との待遇差の内容や理由について、事業主に対して説明を求めることができるようになります。
 例えば、厚生労働省が公表している「同一労働同一賃金ガイドライン」においては、労働者の貢献に応じて支給する賞与について、貢献に応じた部分につき、パートタイム労働者等であっても同一の支給をしなければならないとされています(実際に、平成31(2019)年2月15日、大阪高裁が、アルバイトに対して賞与を支払わないのは違法であるという判決を下したという新聞報道がありました)。
 また、平成31(2019)年2月20日、東京高裁は、正社員との間に待遇格差があるとして、長期間勤務した契約社員に退職金の支給を全く認めないのは不合理であるとして、契約社員に退職金の支給を認める判決を出したという新聞報道がありました。
 多くの会社において、「正社員に支払っている手当や賞与」と「非正規社員に支払っている手当や賞与」には差があることが一般的ですので、会社としては、直ちに対応する必要性が大きいポイントの一つです。

六.   今回の改正により、裁量労働制の適用者や管理監督者についても、会社が労働時間の把握をしなければならなくなりました。
 また、マスメディアを賑わせた高度プロフェッショナル制度も導入されます。年収1075万円以上の高度労働者(具体的には、金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、 アナリストの業務、コンサルタントの業務、研究開発業)が希望した場合には、残業代の支払いとは異なる規制がなされることになります。
 もっとも、高度プロフェッショナル制度を導入するためには労使委員会で定める必要などがありますので、注意が必要です。

七.   以上のように、働き方改革法によって大きく考え方が変わりますので、ほぼ全ての会社において対応が必要になると思われます。
 厚生労働省は、中小企業においても働き方改革法を着実に実施することが必要であると述べておりますので、働き方改革法に対応できない場合、ブラック企業と叩かれ、魅力ある人材を採用できなくなるばかりか、訴訟になったり罰則が適用されたりする可能性もあります。
 そのようなことにならないよう、当事務所は、会社の実情に合わせ、働き方改革法に対応するための人事労務コンサルティング業務を数多く行っております。
 是非とも当事務所までお問い合わせくださいますよう宜しくお願い致します。

 

 以 上

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 2019年4月に働き方改革法の施行が近づいている中、労務管理をどうにかしなければならないとお考えの会社様も多いのではないかと思います。
 そのため、コンサルティング会社に見積もりを取ったところ、費用に1000万円以上かかると言われた、または一年近く期間がかかると言われたという会社様も少なくないのではないでしょうか。
 当事務所では、専門家である弁護士と社会保険労務士が連携して人事労務コンサルティングを行っておりますので、コンサルティング会社よりもかなり低い金額で、期間としても比較的短い期間でお受けすることが可能です(コンサルティング会社は、難しい法的解釈などに関する問題が生じた場合、改めて弁護士や社会保険労務士に確認を取ったりするために、費用も高く、時間もかかるという側面があるのではないかと推測しております)。
 また、専門士業として、いくつもの会社に関わっていますし、紛争を予防し、仮に紛争になったとしても解決しやすい方法を熟知した上でコンサルティングさせていただきますので、コンサルティング会社とは一味違う内容をご提供することが可能です。
 人事労務コンサルティングにご興味のある会社様は、この機会に是非当事務所までご連絡下さいますよう宜しくお願いします。

                                            

料金例(あくまで一例です。)
売上80億円、従業員100名の場合
顧問料のみ(弁護士月5万円、社労士月3万円) それ以外の費用は0円
売上500億円、従業員650名の場合
顧問料+100万円
G箴1500億円、従業員2000名の場合
⇒顧問料+200万円

 

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1.    昭和62年、民法817条の2以下において「特別養子縁組の制度」が設けられてから、今回、始めて、赤ちゃんに対する育児放棄や嬰児殺しの実態について、本当の勉強をしました。
 もちろん、当時の立法経緯も知ってはおりましたが、30年以上も経過して「赤ちゃんポスト」がいまだに全国で熊本の一カ所しかないのです。その唯一の「赤ちゃんポスト」の運営に対して、国や児童相談所の応援もなく(寧ろ足を引っ張るほうです)、孤立した戦いを強いられている現状について始めて知りました。
 このような現状打破を目指すシンポジウムが、先週土曜日(平成3129日)、中野サンプラザで開かれました。
 築地市場の事件等に際し、たくさん勉強させていただいている弁護士安福先生より、今回のシンポジウムの連絡をいただきました。そして、日本で最初の赤ちゃんポストを作られた慈恵病院の院長蓮田太二先生の著作「ゆりかごにそっと」なる本も送っていただきました。事前に相当勉強をしたことになります。でも勉強家の安福先生とのお付き合いからは、当然の準備です。
 そもそも安福先生とは、東京地方裁判所の破産部に係属する難事件等に関し、裁判官の方々が、その方向性を検討される会議に一緒に参加させていただく機会もありました。弁護士のやりがいを贅沢に味わわせていただいている先生です。これくらいの準備ではまだまだ不十分であり、先生には着いていけないでしょう。

2.    シンポジウムは盛大に開催され驚きました。若い方は寧ろ少なく、女性の出席者が多いのに驚きました。
 司会は安福先生がされましたが、熊本で、日本唯一の「赤ちゃんポスト」の創設者である蓮田太二先生の講演をお聞きし、感激しました。蓮田先生は、慈恵病院の医師として活躍されながら、11年も前に、生まれ出ずる命のすべてに幸せをの願いを込めて「赤ちゃんポスト」を作られたのです。
 蓮田先生は、赤ちゃんポストを「こうのとりのゆりかご」と名付けられています。シンポジウムでは、赤ちゃんポストの入口やベッドの写真を見せていただきました。この写真から伝わる気配りは感動ものです。
 蓮田先生の静かな語り口と、燃える安福先生の司会とを合わせると絶妙のコンビになります(安福先生、ゴメンなさい)。

3.    今回のシンポジウムでは、愛知県方式と言われる「特別養子縁組制度」を工夫された矢満田篤二さんも発言されました。
 矢満田さんは84歳ですが、愛知県から、このシンポジウムのために上京されたのです。矢満田さんは、愛知県庁の児童家庭課に勤務されてから、遺棄される嬰児に多大の関心を寄せられてきました。保護責任者遺棄罪幇助の罪に問われることを知りながら、遺棄された嬰児のために奮闘されました。そして遺棄された赤ちゃんを乳児院に保護することなく、児童相談所が、直接、養子縁組希望の里親家庭に里子として委託し、家庭裁判所から養子縁組が認容されるという実績を残されておられます。
 そもそも児童相談所が介入すると嬰児の幸せでなく実親に対する責任追及が最重要視されるようです。「特別養子縁組制度」ができてからも、嬰児が成長してからの「実親に関しての知る権利」を重要視して、子供の養育という最大命題を軽視しているのではないかとの批判もなされました。批判の根本には、先ず嬰児の幸せのために「養育親を探す」という発想がないことにあります。
 矢満田さんの最大の目玉は、「赤ちゃん安全保護法」の創設を言われているところにあると勝手に解釈しております。

4.    日本は先進国と言われていますが、「赤ちゃんポスト」が一カ所では、諸外国と比較しなくても情けない。
 今回のシンポジウムでは「こうのとりゆりかご基金」に対する税金面に対する怒りも知りました。更に、特別養子縁組制度に対する弊害として、熊本の児童相談所の消極的な活動もあげられました。嬰児に害を及ぼす思考回路に怒りを覚えます。役人としての官僚主義的な対応が、捨てられた子供の幸せに通じないという実態を強く知りました。児童相談所の対応が決して子供の幸せに通じないのは、嬰児の感受性が3歳までに構築されるということを知ることが大切です。
 蓮田先生の「ゆりかごにそっと」は、上記の事実に関して、実体験でしか書けないことが書かれています。
 「どの子も愛に包まれ育つ権利がある」のですね。

 

5.    最近、毎日のように新聞報道される父親の幼児虐待事件によって、児童相談所の在り方が問題になっております。特別養子縁組制度に対する不適切対応も、同時に検討できるのではないでしょうか。
 児童相談所を再構築する良い機会になると判断します。児童相談所の在り方に関する方向性について、これをチャンスとしてほしいのですが、歴史的な経緯をみておりますと無理なんでしょうね。しかし、近時の新聞報道では、弁護士や医師等外部の人間を児童相談所に配置するという厚労省の見解も出されております。
 官僚主義打破のために、外からの相当なプレッシャーがかけられる良い機会であると捉えていただきたいと思います。
 皆さん、蓮田先生の「ゆりかごにそっと」を読んでいただけるでしょうか。

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一.  これまでもいくつかのコラムの中でお話ししている通り、当事務所は、退職者の不法行為や不正競争行為に関して訴訟や刑事告訴などを行い、東京地方裁判所や知的財産高等裁判所で勝訴判決を得るなど多数の成果を挙げています。

二.  当事務所にご相談いただいている案件数も非常に増えておりますが、元役員(取締役)に関するご相談も多くなっています。
 そこで、近時、元役員(取締役)との関係で行われた裁判例をご紹介させて頂きます。
 裁判所がどのような事案でどのような判断を下しているのかを知り、有利になるように裁判例を使いこなすことこそが良い結論を導き出す要因の一つだと思います。

損害賠償請求

平成22年7月7日東京地裁判決

5486万8288円

取締役の地位にありながら、重大な影響を与える移籍について、他の取締役に対して隠密理に計画を進行させ、その最終段階で不意打ちのような形でこれを明かしたものであって、会社に対して著しく誠実さを欠く背信的なものであるといわざるを得ないこと等を理由として不法行為を認めた。

損害賠償請求

平成22年3月4日東京地裁判決

2954万7720円

 

在籍中であったにもかかわらず、その立場を利用して派遣エンジニアを不安にさせ、その不安に乗じて勧誘を行った行為態様が悪質であること、会社に引き抜き防止の措置をとる機会を与えないよう秘密裏に一斉の引き抜き行為を行ったこと、引き抜き人数も20人と少なくないことに関し、社会的相当性を欠く違法な行為であると判断した上で、元代表取締役にも連帯して賠償する責任を負わせた。

差止請求及び損害賠償請求等

平成28年4月18日東京地裁判決

401万9542円など

元代表取締役が、株主総会の承認を受けることなく、自分に対してA店の事業譲渡を行ったことが利益相反行為に該当すること、原告の取締役でありながら個人としてA店の営業(競業取引)を行った行為が原告に対する競業避止義務違反に該当すること等を理由として損害賠償を認めた。

損害賠償請求

平成29年9月20日東京地裁判決

295万8300円

ブログやサイトにおいて、自らの精神障害の原因について、周囲の無理解や会社在職中の上司の罵倒、パワハラであったこと、会社から勧奨退職の名目で自らが解雇され、他にもそのような従業員がいたこと、会社において損益の改善のために人員削減がされ、離職率が高いことなどを記事として掲載したこと等に関し、損害賠償を認めた。

損害賠償請求

平成26年7月17日大阪地裁判決

原告Aに対して200万円

原告Bに対して110万円

会社の教材利用行為一切が著作権侵害であることを、取引先、監査法人、証券取引所等に吹聴して回ることにより、原告A及び原告Bの教育事業に進出して自らと競合することを妨害しようとしたものと解さざるを得ず、その態様は、会社らに対する敵意、害意を伴う執拗かつ悪質なものであると判断して不正競争防止法違反を認めた。

損害賠償請求

平成27年9月17日東京地裁判決

100万円

著作権侵害が無いにもかかわらず、「添付警告書を発送しました。同警告書の記載のとおり、著作権侵害の可能性があります。」などと記載した通知を行ったことに関し、不正競争防止法違反行為であると認めた。

損害賠償

平成23年4月28日大阪地裁判決

13万円

 

元取締役が、会社が「粉飾決算」をしていると発言した事実が不正競争防止法違反として認められた。

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 以 上

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一.    当事務所が数多くの立退案件を取り扱っていることは、これまで様々なコラムでお話しした通りです。

二.    そして、立退料に相場が無いということもお伝えしている通りです。

 このことは、当事務所において、不動産業者などの賃貸人から依頼された際には立退き料0円で解決していることもありますし、賃借人から依頼された際には立退き料として月額賃料の200ヶ月分で解決したこともあること等からご理解頂けると思います。

三.    不動産業者などの賃貸人の立場に立って解決する場合であっても、賃借人の立場に立って解決する場合であっても、具体的に近時の裁判例がどのように解決しているのかを知ることが最も重要です。

 裁判所がどのような事案でどのような結論を取っているのかを知り、依頼者にとって有利になるように裁判例を使いこなすことこそが、良い結論を導き出す要因の一つだと言えるからです。

そこで、本年も、近時の裁判例をご紹介することに致します。

立退き料

平成28年5月12日東京地裁判決

1億3313万円

 

 

本件ビルは老朽化しており、耐震強度も低いから、補強工事或いは建替えの対象と考えられ、耐震工事に2億円程度の費用と7か月程度の工期を要する。

しかしながら、本件ビルの建替えを等価交換方式で行い、敷地はディベロッパーに売却することを予定していることを考えると、上記の事由のみで正当事由があるとはいえない。

内装費2010万1000円、家賃増額分の補填分4276万8000円、営業補償1557万2496円、借家権価格5290万円とした上で、そのうち約9割を賃貸人が負担して立退き料を支払う必要があると判断した。

立退き料

平成28年3月18日東京地裁判決

3000万円

大地震時に崩壊する可能性が高く、非常に危険であること、補強工事を施しても、一時的な安全が保持されるに留まり、耐震性の問題が解決されないにもかかわらず、2億4000万円以上の費用を要すること等から、営業休止補償、工作物補償などを立退き料とした。

立退き料

平成28年5月23日東京地裁判決

2500万円

本件建物は地震の震動等に対して倒壊する危険性が高いところ、本件建物について耐震補強工事を実施することは経済的合理性を欠くと判断した。

工作物補償1562万円のほか、“移転後の店の売上げが現在の水準に回復するまでの間に発生する減収分に相当する金額”の営業補償を認めるべきであり、その金額は、店の1年間の営業利益の25%をもって相当とする等と判断した。

立退き料

平成28年1月12日東京地裁判決

1000万円

消防法違反行為が債務不履行解除に該当しないと判断した。

本件ビルは、平成25年の時点で建築後48年余りが経過し、鉄筋コンクリート造の建物であることを考慮しても残存する耐用年数はわずかであると認められると判断した。

不動産鑑定士が本件建物の老朽化に伴う立退料について、鑑定評価額を705万円としたこと、賃借人が本件建物以外の場所において本件店舗と同様の営業をする場合、相当額の営業上の損失及び移転費用を要することが見込まれること等の諸般の事情を考慮して、立退き料を1000万円とした。

立退き料

平成27年10月15日東京地裁判決

840万円

立ち退くにあたって必要となる費用のうち、帰責性の割合として7割に相当する部分について、賃貸人が立退料として提供することが必要であると判断した。引越に伴って生じる実費として950万円、移転に伴って生じる人件費として250万円と判断した。

立退き料

平成27年12月16日東京地裁判決

530万円

耐震上の危険性の高い建物であること等から、借家権価格を立退料として補償する必要があるとまではいえないと判断した。移転費用を276万4300円、移転に伴い就業できなくなると見込まれる日数は5日程度と認めるのが相当であるとした上で、就業不可に伴う損失補償33万9000円、収益減補償は36万円等を認めた。

立退き料

平成28年3月15日東京地裁判決

60万円

最も高い月額4万5000円の物件を基準とし、本件部屋の賃料月額3万3000円との差額の月額1万2000円を2年程度補填するものとし、新契約に要する敷金礼金を各1か月程度として積算した上、これに転居費用等を合わせ、立退料を60万円と判断した。

立退き料

平成27年11月4日東京地裁判決

正当事由なし

賃貸人は立退き料600万円を提示していたものの、賃貸人の孫の転居は、賃借人の退去が確定してから計画を具体化するものであり、喫緊の必要性があるとまでは認められないのに対し、賃借人は、3世代5人の家族とともに、現に本件土地を生活の本拠とし、他に不動産を所有していないこと等から、立退きを認めなかった(地代:月1万3988円)。

立退き料

平成28年1月28日東京地裁判決

正当事由なし

賃貸人は、立退き料8億円を提示したものの、耐震性の問題については、補強工事によって対応できること、再入居の提案がなされなかったこと、賃借人にとって、知名度を上げ、会社全体の営業規模を将来にわたって拡大する上で無くてはならない店舗であり、他では代替し難いものであること等を理由として、立退きを認めなかった。

請求棄却

平成27年9月25日東京地裁判決

正当事由なし

 

賃貸人が本件建物を使用する必要性(賃貸人自身が生まれ育った本件建物に戻り、離婚して生活の苦しい親族と同居するという事情)は、一応は認められるものの、それが緊急性を有する程度までに至っているとはいえない反面、賃借人が本件建物を使用する必要性は、賃借人における投下資本の内容(1300万円)や本件建物からの収益(月50万円)、本件建物の代替建物確保の不確実性等の事情に照らしても、強く保護されるべきであること等から、立退きを認めなかった。

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                         以 上

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