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コラム - 202010のエントリ

 

1 前回のコラムで「大先輩から(野良猫に)餌をやっているうちに、一匹が本当に可愛くて・・。連れて帰って飼いたいんだけど・・」という通常の会話めいた相談があったことを書きました。今回は、この大先輩の相談から入りましょう。

野良猫や野良犬の情報に関係するネットを見ていて驚きました。

本当に大量の野良猫情報が溢れていました。その中で、野良猫を保護したら必ずするべきこととして、三つ挙げている解説に“丁寧だな”と感心しました。…召阿防賊,墨△譴討いこと、¬造でではないか保健所やSNSで確認すること、飼育できる環境を作ることなどと記載されているのですが、民法第195条の話は出てきません。弁護士の先生方のコラムでも「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下「動物愛護法」と言います)が出てくるくらいなら、その前提論点となる民法195条から書いてほしいなという感想を持ちました。弁護士に対する相談なのですから、可愛い猫で盛り上がる前に、つまりその前提として、猫を拾った友人に関し、民事及び刑事の心配がないというアドバイスが必要ではないでしょうか。

2 民法第195条は、「動物の占有による権利の取得」という条文なのです。民法がこんな細かい規定を置いているのですから驚きです。

条文をそのまま載せましょう。

「家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有する者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、その動物が買主の占有を離れた時から1箇月以内に飼主から回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する」とあるのです。猫は必ずしも家畜とは言えない可能性があります。友人の相談する猫は、鎌倉の地域猫(その地域で生活する野良猫です)であることは間違いないでしょうから、「他人が飼育していた」とは言えないでしょう。でも警察に連絡して猫の紛失届が出ているかどうか確認すれば万全を期したことになると助言しました。同時に、病院で埋められたチップがないかを確認すれば万全です。我が家の愛猫には、戸籍となるチップが植えてあります。

3 本年6月、動物愛護法の改正があったことも関係しているのでしょうか、ハトやカラス或は犬や猫に関係する報道が目に付くようになりました。そんな中で、ツキノワグマの飼育に関係した報道が、朝日新聞に報道されていて楽しみました(本年920日夕刊)。クマを飼育されていた秋田県の畜産業者の方の記事でした。

  その方は、仕掛けた罠にかかった子熊(名前は「クーコ」)を可哀想に思われたのでしょう、育てておられました。ところが、動物愛護法に基づく許可を得ていなかったため、警察から書類送検されてしまったそうです。クーコの預入先である宇都宮動物園に行けば、クーコに会えて、更に、クーコの半生が紙芝居で見れるそうです。

 ところで、現在の動物愛護法では、クマは危険動物の指定があり、飼育自体が禁止されるようになりました。そもそも、動物愛護法では、愛護動物をみだりに殺したり、傷つけたりしたら5年以下の懲役又は500万円以下の罰金だと知ると驚かれませんか?愛護動物とは、法によると「牛、馬、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる」とされております。これらの動物を虐待したり、遺棄したりした場合には、1年以下の懲役又は百万円以下の罰金を科されることになっておりますよ。

 猫や犬が大好きな私が驚いていては駄目です。野生動物と人間との共生という重たい課題が残されております。今後も、サル、鹿、猪やクマが、どんどん我々の生活圏に入り込んできます。

4 ついこの間、日本経済新聞の一面下に掲載されている「あすへの話題」に掲載されたジャズ・ピアニスト山下洋輔氏執筆の“猫返し神社”の記事には本当に驚き、楽しみました。30年以上前、山下氏は、飼い猫3匹と共に東京都立川に引っ越しされたそうです。ところが、その一匹、“白猫ミオ”が外に出たまま帰ってこなくなったそうなのです。ここから括弧書きは山下氏の文章です。

山下氏は、白猫ミオを「散々探し回り、17日目の夜に行き着いた神社にお賽銭をあげて猫を返してくださいとお祈り」したそうです。すると、「翌朝台所でにゃあという声が聞こえ」白猫ミオが帰ってきたそうなのです。インタビューや雑誌に「この神社は猫返し神社だと言いふらした」ことから、その神社が猫返し神社として全国的に有名になったそうで、「猫返しのお守り」と「猫の絵馬」が名物になりました。しかも、その神社では、山下さんのピアノ演奏「越天楽」が流れているそうです。立川にあるこの神社には是非行って、お守りをいただこうと思いました。でもネットで調べると、この神社は立川駅から相当遠いのですね。

5 前回のコラムで、今回紹介する予定とお話しした直木賞受賞作「少年と犬」(著者馳星周 文藝春秋発行)の紹介ができないほど余白が無くなってまいりました。本作品は、東日本大震災の被災者である野良犬が、同じく被災者である子供を探し求めて、熊本まで旅をする物語です。それも仙台から熊本までという長旅の途中(日本海側が中心)、その各地で暮らしておられる人との出会いをテーマにしております。

久しぶりに感激しました。○○賞と言われる本は、それなりにチェックをしており、文藝春秋は、○○賞と言われる都度購入しております。でも最近は、外れの本が多いですね。“これがお勧めですか?これが○○賞ですか”、“出版社の都合で賞を出していません?”と嘆いておりました。でも「少年と犬」は、実に良くできています。目的地である熊本に着いた項の「少年と犬」の章には泣かせられました。是非一読を。

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