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コラム - 最新エントリー

  1.  当事務所が数多くの立退案件を取り扱っていることは、これまで様々なコラムでお話ししています。
     借地借家法が存在しているため、家賃滞納がない普通借家契約の場合、明渡しの条件として、立退料の支払いが必要になることが一般的です。
     もちろん、当事務所においては、賃貸人から依頼された際には
    立退き料0円で解決していることもありますし、賃借人から依頼された際には立退き料として月額賃料の数百ヶ月分を受領して解決したこともありますので、一般論が全て当てはまるわけではありません。
  2. 今回も近時の裁判例を紹介しておきますが、貸主とすれば、しっかり準備をしないといつまでも明け渡してもらえないということになりますし、借主からすれば、立ち退きを求められたとしても、しっかりと準備をすれば自らの利益を守り、立退料を請求することができます。
     いずれにせよ、早めに当事務所にご相談いただくことが肝要だと思います。

立退料

平成29年7月18日東京地裁判決

972万5636円

 

建物について地震により倒壊する危険性があり、建替後の建物の一部については原告代表者の家族又はその親族が自己使用する理由があること、借主が本件理髪店として自己使用する必要性が高いこと等を理由とした上で、固定資産税評価額を基準に、借家権価格を647万2892円と算定した。また、平均利益の3年分の利益相当額である325万2744円を営業補償額とした。そして、それらの合計額を立退料とした。なお、設備及び什器備品等については、減価償却を終了しているので、立退料に含めなかった。

立退きが認められず

平成29年10月19日東京地裁判決

正当事由なし

賃借人は、本件建物において約15年間にわたって洋服のリフォーム店を経営して収入を得ていること、一定数の固定客を有し、周辺住民等に店の存在が認知されていることが推認できること、年齢や経営規模を考えると、移転により経営上相当の負担を負うこと、駅に近く、国道に面しているという本件建物の立地が、洋服のリフォーム店という業態にとっても客を呼び込む上で有益であること等を理由に、明渡し請求を認めなかった。

立退料

平成29年12月25日東京地裁判決

601万7000円

 

本件店舗の移転補償等の額を積算した移転補償額と、本件店舗の借家権価格をそれぞれ算定し、これらを比較検討して適正な立退料額を決定した。
移転補償額の算定に当たっては、公共事業の損失補償基準(用対連基準)を援用して、本件店舗の契約形態に即して動産移転費用、内装・設備の工作物補償、比準賃料との差額賃料の2年分相当額、敷金等の移転一時金、移転雑費、移転に伴う2か月分の営業休止補償をそれぞれ算定して積算し、移転補償額を498万8000円と査定した。
借家権価格の算定に当たっては、敷地価格に建物価格を加算した積算価格に借家権割合を乗じた額により算定する割合法と、上記積算価格から収益価格を控除して算定する自建貸家差額法の2方式により本件店舗の借家権価格を試算し、各算定手法の特性等を検討した結果、割合法を重視して借家権価格を601万7000円とした。

立退料

平成30年1月26日東京地裁判決

50万円

建築後40年以上が経過していること、本件共同住宅の耐震性その他の状況から、新規の賃借人を募集することができないでいること、そのまま放置すると、貸主の損害が拡大する可能性があり、損害の拡大を防ぐために、本件共同住宅を取り壊すことを計画していること、借主は、サービス付き高齢者向け住宅に実質的な生活の本拠を移しており、本件建物を居住として使用していないこと、本件共同住宅の近隣において、本件建物と同程度の賃料、床面積、設備(トイレ付き)の建物は、他にも存在することが認められること等から、立退料を50万円と判断した。

立退きが認められず

平成30年2月14日東京地裁判決

正当事由なし

賃借人である自己使用の必要性が極めて高いのに対し、賃貸人の自己使用の必要性がほとんどないこと、相応の経年劣化が見られるとしても、建て替えの必要性が生ずるに至っているということはできず、せいぜい近隣に位置する建物と同程度であるか、仮にそれより劣るところがあっても、その原因は建物の保守管理を十分に行ってこなかった賃貸人側にある以上、これを賃借人側に不利益な要素として過大評価するのは相当ではないこと等を理由に、明渡し請求を認めなかった。

立退きが認められず

平成30年2月21日東京地裁判決

正当事由なし

本件コーポはもともと共同住宅として賃借することが予定された収益物件であったのに対し、賃借人による本件建物の使用上、契約上の賃借条件(居住用限定、居住専用)と異なる使用(事務所としての使用)を一部含むものの、その使用実態は、コーポの他の居室の居住目的による使用収益を損なうようなものではなく、当時の賃貸人の承諾も得ていたのであるから、本件賃貸借契約上の用法違反があったと評価することはできず、本件建物の明渡請求の正当事由とすることはできない(貸主の請求は認められない)と判断した。

立退料

平成30年2月22日東京地裁判決

802万1000円

以下 銑イ旅膩彝曚鯲退料とした。

 _板尊抗枴篏67万1000円
 近隣の賃貸事例をもとに試算した代替建物の賃料12万2000円の1年分と本件賃貸借契約の賃料10万3000円の1年分との差額である22万8000円に複利年金減価率2.9410を乗じたもの
◆^貉金補償46万円
 代替建物の賃貸借契約締結時の敷金として賃料12万2000円の5か月分から現在の敷金15万円を差し引いたもの
 移転費用補償405万円
 設計・監理料、新規内装工事費用、新規什器等購入費用、引越費用等を合算したもの。
設計・監理料については1崚たり1万円と、新規内装工事費用については1崚たり4万円とした上で、被告賃借部分の面積33屬鮠茲犬道蚕个靴燭發痢⊃卦什器等購入費用については、同業種の新規開業に関する資料をもとに算出したもの、引越費用は業者からの見積り等をもとに算出したもの
ぁ―経費の補償57万2000円
 仲介手数料、弁護士費用、登記費用、移転通知費用及び各種届出費用等の概算額
ァ ̄超畔篏(移転に係る営業損失)226万8   000円
過去3年の理容店の差引金額378万円に営業損失として20%を乗じた上でその3年分として算出したもの

立退料

平成30年3月7日東京地裁判決

1556万4000円

借家権の取引について、一般的とはいいがたいといった事情も踏まえると、本件の立退料の算定に当たり、借家権価格を加えることは相当といえないとした上で、収益減補償299万円、得意先損失補償703万7000円、固定経費補償2万4000円、従業員の休業補償49万5000円、移転費用等の補償費501万8000円の合計額を立退料とした。

立退き

平成30年5月18日東京地裁判決

1730万円

借家権価格1200万円と移転費用等の雑費530万円(内訳:‘飴紺榲称繊憤越費用)26万8500円、内部造作等の移転料300万円、0榲渉銘痢Π榲称紅馘の補償額150万円、ぐ榲樟菫定に要する費用22万3290円、ニ[畩紊亮蠡海僕廚垢詒駘傳庫2245円、Π榲召鉾爾就業不能による損失補償額20万2400円、Ь暖饑播相当額2万4220円)合計額を立退料とした。

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  1.   これまでも複数のコラムの中でお話ししている通り、当事務所は、元従業員や元役員から競業行為をされた場合に訴訟や刑事告訴などを行い、多数の成果を挙げています。
    経済産業省が作成している営業秘密管理指針にも、当事務所が勝訴した判決が「参考裁判例」として掲載されています。
  2. 元従業員や元役員(取締役・監査役)の転職などが一般的になりつつある中、情報漏洩、競業行為、信用毀損行為に関し、当事務所にご相談いただいている案件数も増えております。
    会社側有利な裁判例も増えておりますので、気軽に当事務所にご相談ください。

損害賠償請求事件

平成30年3月5日東京地裁判決

。械隠庫6491円

■隠沓緩円

46万円

ぃ毅暇円

誓約書に基づく競業義務違反行為(自らの担当顧客であった顧客のうち、元使用者の薬箱が配置されている者に対して、薬箱を配置し、又は医薬品を販売する行為)について、競業1件当たり3万円の違約金の定めは、競業避止義務違反行為による損害額の予定であると解される等として、損害賠償額を算定した。

営業差止請求事件

平成22年10月27日東京地裁判決

宣伝、勧誘等の営業行為をしてはならない

原告と競合関係に立つものであって、本件競業避止合意に反すること、被告は今後も同教室を運営する意思を有していること、話すためのヴォイストレーニングを行うための授業方法、授業内容等についての原告のノウハウを保護するためには、被告がホームページ及びブログ等を作成してウェブ上に公開することによって同教室の宣伝、勧誘等の営業行為をすることを差し止める必要性が高いこと等を理由として、営業差止めを認めた。

損害請求等事件

平成14年8月30日東京地裁判決(ダイオーズサービシーズ事件)

120万円

少なくとも顧客情報を利用して、退職時2年以内に在職時に担当したことのある営業地域であるさいたま市にて同業の事業を起して、原告の顧客に対し営業活動を行ったものというほかないこと等から違法であると判断した上で、原告は顧客奪取による損害を被ったのであるから、その損害額は、奪取された当該顧客との取引で得ていた利益を基本とすべきであると判断した。

損害賠償請求

平成29年9月13日知財高裁判決

600万円

被控訴人が控訴人の機密情報である本件開発データを複製し、これを控訴人の事務所から持ち出したことは、故意に、控訴人の法律上保護される利益を侵害する違法な行為であるとした上で、実態把握のための調査費用100万円と弁護士費用20万円を損害として認めた。また、債務不履行の損害として、逸失利益の額である1573万8406円のうちのうち2割程度の300万円を損害として認める等した。

損害賠償請求事件

平成29年9月20日東京地裁判決

295万8300円

被告が被告ブログや○○サイトにおいて、自らの精神障害の原因について、周囲の無理解や原告在職中の上司の罵倒・パワハラがあったこと、原告から勧奨退職の名目で自らが解雇され、他にもそのような従業員がいたこと、損益の改善のために人員削減がされ、離職率が高いことなどを記事として掲載していることについて、信用毀損の損害50万円を認めた。他に、架空の売上げの計上という善管注意義務違反をしたことについても、損害賠償を認めている。

損害賠償請求等事件

平成24年

1月17日東京地裁判決

業務等の差止め

700万円

「個人情報及び営業ノウハウなどの会社情報を活用しての商行為(特定非営利活動も含む。)に関与した者は、損害賠償として700万円の罰金を科す」という就業規則について、被告が7年以上取締役を務めていたこと、被告の窮迫、無知、軽率に乗じて、被告に本件規定による制約を負わせたという事情は認められないこと、被告は、原告を退職後わずか2か月で原告と競合するa社を設立し、原告と競合するb社及びc協会の役員に就任して、2年以上、競業避止義務違反を継続していることから、本件において、被告に適用する限り、それが不合理なものであるともいえないと判断した。

損害賠償請求事件

平成19年4月24日東京地裁判決(ヤマダ電機事件)

143万2755円

競業避止条項に違反する状態が生ずることを認識しながら本件誓約書を作成し、退職の翌日に派遣社員という形を装ってc社の関連会社で働き始めたこと等を理由として、違反行為が軽微ではないとした上で、「損害賠償他違約金として、退職金を半額に減額するとともに直近の給与6ヶ月分に対し」という規定をもとに、損害賠償額を算出した。具体的には、給与は現実に稼働したことの対価として支給されるものであること等から、1か月分しか違約金として認めなかったものの、退職金の半額相当分を請求することについては認めた。

損害賠償等請求事件

平成27年3月12日大阪地裁判決

営業差止め

992万3145円

原告に在職中及び退職直後から、塾生に対する勧誘活動又はそれに類する活動をしていたこと、仮処分の前後を通じ本件学習塾への実質的関与を継続し塾生の復帰を妨げていること、現時点においても、塾生数は約3分の1程度までしか回復していないこと等から、退塾者に関する年度末(平成26年2月)までの特別授業を含む授業料相当額及び退塾者の進級後の数に退塾率を乗じた人数についての新年度の夏期講習より前の分(平成26年3月から7月まで分)の特別授業を含む授業料相当額について、相当因果関係のある損害と認めた。(経費中の固定費の比率は高いものと考えられ、塾生数の変化による経費の変動はさほど大きくないと推認されると判断し、3割の経費控除をした。)

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  1. 当事務所が数多くの立退案件を取り扱っていることは、これまで様々なコラムお話ししています。
     借地借家法が存在しているため、家賃滞納がない普通借家契約の場合、明渡しの条件として、立退料の支払いが必要になることが一般的です。
     もちろん、当事務所においては、賃貸人から依頼された際には立退き料0円で解決していることもありますし、賃借人から依頼された際には立退き料として月額賃料の数百ヶ月分を受領して解決したこともありますので、一般論が全て当てはまるわけではありません。

  2.  もっとも、裁判例を良く知っていただいた上で、法的にどのように判断されるかを知っておくことは非常に重要なことです。
     貸主とすれば、しっかり準備をしないといつまでも明け渡してもらえないということになりますし、借主からすれば、立ち退きを求められたとしても、しっかりと準備をすれば自らの利益を守ることができます。
     いずれにせよ、早めに当事務所にご相談いただくことが肝要だと思います。
     

立退料

平成28年9月6日東京地裁判決

0円

 

 

築50年以上で外観も「おんぼろ」、階段の壁もガタガタでアパートの老朽化は著しく、取り壊し・建て替え等の必要性が高いこと、正当な交渉にも応じず、不合理な行為を繰り返していること等を理由として、立退き料0円で明渡しを認めた。

立退きが認められず

平成28年12月8日東京地裁判決

正当事由なし

賃借人は、本件建物を唯一の活動拠点としてテナント料(転借料)による収入を収益として事業活動を行っており、本件賃貸借契約が終了した場合には、その唯一の収入源が断たれること等を理由として、立退料9727万9920円の提供を申し出ていることを考慮しても、明渡し請求を認めなかった。

立退きが認められず

平成28年12月20日東京地裁判決

正当事由なし

大地震時に倒壊する可能性が高いほか、老朽化が進み、断熱機能を失い、建物が傾斜するなどしていること等からすると、建物全体としての経済的効用が相当程度失われており、建替えの必要性が高いものの、借主はピアノを指導することで生計を維持してきたこと、ピアノの指導により生計を維持するとの前提で転居先を探すことが困難であること、立退料が170万円にとどまること等を理由に、明渡し請求を認めなかった。

立退料

平成28年12月22日東京地裁判決

350万円

築後約43年が経過しているが、現在における耐震基準や耐火基準を満たしていないこと、土地の建蔽率及び容積率、並びに、本件土地上に8階建ての相当規模のマンションを建築することが可能であると見込まれていること等を理由に、引越料その他の移転実費、転居後の賃料と現賃料の差額の2年分程度を基準に立退料を算出した。

立退料

平成29年1月17日東京地裁判決

200万円

建築後44年余りが経過していること、アパートの収益からすると相当多額の修繕費が必要となっていること等を理由にした上で、借主及びその配偶者がうつ病に罹患しており、転居に際しては相当な負担となること、本件建物よりも相当程度多額な賃料を要する建物に転居する必要がある可能性が高いこと等を理由に、立退料を200万円と判断した。

立退きが認められず

平成29年3月28日東京地裁判決

正当事由なし

本件建物の建替えの場合(費用1億円)よりも容易かつ安価に本件建物の耐震性能の向上を図ることが可能であること、補強案であっても本件建物の効用を害することはないこと等から、本件建物の耐震性能が不十分であることをもって、本件建物の明渡請求の正当事由とすることはできない(貸主の請求は認められない)と判断した。

立退料

平成29年5月11日東京地裁判決

900万円

建替えの必要性は認められるものの、借主は、本件店舗の営業による収益以外に収入がなく同収益で生計を立てており、本件建物を使用して営業する必要性が高いこと、焼肉店という業種に鑑みても、煙、油や臭いが発生するとの理由で本件店舗の代替店舗の確保は容易でないこと等を理由とした上で、差額賃料の2年分240万円、移転契約費用として2か月分の賃料60万円、引越費用30万円、現状の本件店舗の内外装を移転する費用600万円の合計額から若干の減額をした900万円を立退料と判断した。

立退きが認められず

平成29年5月16日東京地裁判決

正当事由なし

築60年近く経過していること、耐震性にも相当の疑問があるものの、明渡しを求めるほどの必要性は無いこと、借主は30年近くにわたり本件貸室において生活をしており、その生活の基盤も同所において形成してきたこと等を理由として、明け渡しをさせる正当事由が認められない(貸主の請求は認められない)と判断された。

立退きが認められず

平成29年5月29日東京地裁判決

正当事由なし

シロアリによって一定程度、腐食、劣化していることが認められるものの、築20年未満であること、上記腐食等の程度が、本件契約について解約をして修繕をしなければならないほどの程度に達していると認めるに足りる証拠はないこと、立退料186万円程度では足りないこと等を理由として、明渡しをさせる正当事由が認められない(貸主の請求は認められない)と判断された。

立退料

平成29年6月23日東京地裁判決

6180万9800円

 

貸室1について差額方式に基づく価格が1070万円、控除方式に基づく価格が4500万円、割合方式に基づく価格が4360万円とした上で、これらの価格を平均した3310万円を借家権価格とし(貸室2についても同様に算定し借家権価格を1040万円とした)、営業補償額としては、借主が調剤薬局を19店舗展開しており、新規出店の立地調査や出店後の経営ノウハウ等について相応の蓄積があるというのが相当であるので、本件貸室1の24か月の賃料である894万2000円と認めるのが相当であるとした上で、内装費、移転費用、仲介手数料を加算して、立退料を算定した。
なお、賃料差額については、借家権価格に含められると判断している。

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一 先日、ソフトバンクから次世代通信規格「5G」の営業秘密情報(ネットワーク技術情報で、無線基地局の効率的な整備に関するもの等が含まれていたようです)が元従業員に持ち出されたということで、元従業員が逮捕された事件が起きました。報道によりますと、元従業員は、転職直前に約30回にわたり、社外から自身のパソコンでソフトバンクの管理サーバーに接続し、営業秘密が入ったファイルを自分自身にメールで送信し、転職先である楽天モバイルの業務で活用した可能性があるようです(楽天モバイルは否定しているようですので真偽は不明です)。
 ソフトバンクは、営業秘密の利用停止と廃棄等を目的とした民事訴訟を提起する予定であると報道されています。

二 これまでも複数のコラムの中でお話ししている通り、当事務所は、営業秘密や機密情報を持ち出されたり、顧客を奪われたりする等の競業行為をされた場合に訴訟や刑事告訴などを行い、多数の成果を挙げています。
 平成31(2019)年1月23日、経済産業省が営業秘密管理指針を改定した際には、当事務所が勝訴した判決が「参考裁判例」として掲載されています。
 このことからも、いかに当事務所が、営業秘密の持ち出しや情報漏洩・情報流出、競業行為などの不正競争に関し、豊富な経験があり、得意としているかを分かっていただけると思います。

三 終身雇用制が限界を迎え、雇用が流動化し、従業員や役員(取締役・監査役)の転職などが一般的になりつつある中、情報漏洩、競業行為、信用毀損行為に関し、当事務所にご相談いただいている案件数も増えております。
 近時の裁判例をご紹介しますが、会社側有利な裁判例も増えておりますので、退職した元従業員や取締役等への対応の参考にして頂き、気軽に当事務所にご相談ください。

損害賠償請求事件

平成30年4月26日東京地裁判決

1億4044万6980円

被告会社において原告の商品である婦人服の形態を模倣して婦人服を販売等した行為を違法と判断した。
被告会社の代表取締役として、かかる不正競争行為に積極的に関わったものである者の個人責任も認めた。

刑事事件

平成30年5月11日名古屋地裁豊橋支部判決

懲役2年及び罰金50万円

4年間執行猶予

ハードディスク1台没収

被害企業の従業員であった被告人が、同社が取り扱う製品の図面データ(営業秘密)等141件を不正に領得した行為について違法と判断した。
被告人が領得した情報は、被害企業の主力製品の工作図データ等であり、競合他社に利益をもたらし得るものである。被告人は、その重要性を認識しながら、将来自らが事業を行う際、あるいは同業の元同僚から情報提供の依頼があった際などに役立てたいと考え、アクセスを許可されていたデータベースから収集してパソコン内に保存してあったデータを、情を知らない同僚のパソコンを操作するなどして私物のハードディスクに複製し、領得したので、悪質な犯行と判断された。

損害請求等事件

平成30年5月11日大阪高裁判決

500万円

使用・開示差止請求

廃棄請求

 

アクセス制限があったこと等から秘密管理性を認めた。秘密管理性が認められることから、有用性や非公知性が推認されると判断した。
秘密情報管理規定及び秘密情報保持に関する誓約書を閲覧し、面談の際にも、弁護士からの本件誓約書の条文の有効性についての説明に対しても、特に質問をすることなく、理解している旨述べていることから、本件電子データが営業秘密に該当することは十分に認識していたと判断し、違法性を認めた。

損害賠償請求事件

平成30年9月7日東京地裁判決

(在職中の行為)

1841万4364円

 

(退職後の行為)

298万4580円

原告在職中、原告ドメインのメールアドレスを用い、原告の従業員であることを示して、関係先に取引の勧誘を行うなどしながら、原告の事業と同業であるCG制作等を個人として受注し、勤務時間中及び勤務時間外に原告リソースをも使用してそれら個人受注案件を処理し、報酬を得ていた行為を不法行為と判断した。
また、損害の立証が不十分であるとしつつも、民事訴訟法248条に基づき、個人受注案件による総売上額(税抜き)の5割と認めるのが相当であるなどと判断した。
さらに、退職後に、被告Y1がリモートアクセス等により原告の設備等を原告に無断で使用し、被告Y2がこれを手助けするなどした行為についても共同不法行為と判断した。

刑事事件

平成30年12月3日最高裁判決

懲役1年

執行猶予3年

勤務先を退職し同業他社へ転職する直前に、勤務先の営業秘密である前記1の各データファイルを私物のハードディスクに複製しているところ、当該複製は勤務先の業務遂行の目的によるものではなく、その他の正当な目的の存在をうかがわせる事情もないなどから、不正競争防止法21条1項3号にいう「不正の利益を得る目的」があったと判断した。

損害賠償請求等事件

平成31年

1月31日大阪地裁判決

ウェブサイトの表示差止請求

相手方の製品が自身の製品の「コピー」であると表現することができるのは、外観、構造等が同一、あるいは区別し得ない程度に類似しているような場合か、少なくとも、相手方の製品が、自身の有する特許発明の技術的範囲に属し、特許権侵害が肯定されるような場合に限られる。それにもかかわらず「コピー」という表現を用いたことは違法であると判断した。
もっとも、本件では実際の損害が生じていないので、損害賠償は認めなかった。

損害賠償請求事件

平成31年2月21日大阪地裁判決

10万円

6万2000円

 

ヘルパーの人員確保ができなくなったことと、経営の不手際があったため、充分なサービスの提供が難しくなったことを説明した上で、運営している事業所の全サービスを休止するという書面を送付した行為について営業上の信用を毀損する違法行為であると判断した

損害賠償請求

平成31年3月1日東京地裁判決

55万円

顧客らに納入した(被告の著作物である)デザインを無断で改変するなどの違法行為を行い、顧客に生じた被害についても伝えないなど無責任な対応をする会社であるとの印象を与えるファックスを送った行為について競争関係にある原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知した違法行為であると判断した。

損害賠償請求事件

平成31年3月19日東京地裁判決

138万6000円

元従業員らが、原告を順次退職し、被告会社に転職したことを総合すると、キーマシン等は、本件元従業員らのうちの誰かが、原告内に置かれていたものを持ち出したか、又は、仕事等のために持ち出し、そのまま返却せずに被告会社に移して、業務に使用したものであるとして、不法行為を認めた。

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1 調査委員会の活躍の場は、会社関係に限る訳ではありません。学校内の不祥事などで調査委員会が設けられることは、皆様、既にご存知ですね。しかし、調査委員会のその殆どが、会社 の不祥事に際して、その原因調査や、今後の適正な業務環境の構築のために立ち上げられるこ とが通常です。
 当事務所でも毎年の如く調査委員の業務を受任しております。その都度、猛烈な調査活動を し、不祥事の実態と原因の調査、そして当該不祥事に対する再発防止策等まで検証して、依頼 主に数十ページ程度の調査報告書を作成、提出しております。
 ところで、今回、調査委員会に関係したコラムを書こうと思った理由から申し上げましょ  う。以下に述べます判例紹介が、皆様の関心を呼ぶであろうと思われること、しかも、会社の ために行う株主代表訴訟や、会社の訴訟参加(補助参加と言います)というような専門的な法 律制度の紹介にも適していると考えたからであります。

2 では判例紹介から入りましょう。
 近時発行された判例時報2442号に、2017年に発生した「地面師詐欺事件」に関係する判例 解説(大阪高裁令和元年7月3日、民事6部決定、抗告棄却確定)が載せられておりました。
 判例評論として付けられた題を、そのまま引用します。
「株式会社の社外役員で構成される調査委員会作成に係る調査報告書が『民事訴訟220条4号  二』にいう『自己利用文書』に該当しないとされた事例」と記載されています。
 判例時報では、会社の名前については慣例により伏せてありますが、理由中に大手ハウス  メーカーと記載され、事件発生時の年月日や所在地等、事案の内容等がそのまま記載されてい るのですから、あの有名な地面師詐欺事件の事例であることは直ちに判明します。

3 では、この文書提出命令の前提となる事件の紹介から入りましょう。つまり、上記命令の前提として、大手ハウスメーカーの株主が、地面師詐欺により生じた損害55億5900万円余を、 当時の代表取締役社長及び副社長に対して責任追及の訴訟を提起したことに端を発しておりま す。このように株主が、不祥事を起こした会社経営者らに対して責任追及する訴訟(損害賠償 請求訴訟)を株主代表訴訟と言います(会社法第847条)。この事件の大報道を契機に「地面 師」という用語も定着しました。
 上記株主代表訴訟に対し、会社は、被告らを補助するため当該訴訟に参加しました。会社法 第849条第1項により、会社は、訴訟参加をすることが可能です。このような制度を法律上「補 助参加」と言います(民事訴訟法第42条も参照)。
 訴えていた株主は、補助参加した会社に対し、当時の調査報告書の提出を求めました。不祥事の原因を追究して会社経営者に損害の補填を要求しているのですから、当時の調査報告書の提 出を求めることは当然の成り行きです。ところが、この調査報告書の提出について、会社は、 自己利用文書であることを理由に提出を拒否したのです。民事訴訟法第220条4号ニで「専ら文 書の所持者の利用するための文書」は、文書提出命令を拒むことができるとされているので  す。
 今回、紹介する大阪高裁の決定では、会社の主張する自己利用文書であることを否定し、当 該調査委員会作成の報告書の提出を命じました。何と、裁判所は、イン・カメラ手続きと言わ れる制度(民事訴訟法223条6項)を利用して、自ら当該調査報告書を読了した上での結論で  す。

4 そもそも、調査委員会の報告書は会社の不祥事が暴露されるものですから、不祥事を防御できなかった会社組織の弱さや矛盾、そして、それに潰されるサラリーマンの悲哀が読み取れる ものが少なくありません。
 私の好きな小説作家池井戸潤の企業小説の世界が展開されていると感じられる場合もあるの です。
 もっとも、調査委員会には、本件のように会社関係者で構成される社内調査委員会のような 場合もありますが、全く外部に委託する「第三者委員会」と呼ばれるものもあります。会社が 調査報告書をどのように利用しようと考えているかで、委員の構成の仕方が変わります。
 このように会社の考え方により調査委員の構成の仕方が変わりますから、企業べったりだと いう批判も絶えません。「第三者委員会の欺瞞」という本まで発行されておりますし、「第三 者委員会報告書格付け委員会」なる組織もあり、報告書の採点をしております。

5 ところで、このコラムを掲載したくなった理由は、もう一つあります。
 この地面師詐欺事件は、目黒川沿いにある古い旅館の土地購入を巡る事件でした。実は、昨 年、当事務所の顧問先が建てたマンション立ち上げに際して、目黒川沿いのマンション建築現 場に臨場させていただきました。当該マンションのベランダから見下ろす目黒川の風景は、本 当に絶景でした。春の桜並木に彩られる目黒川を想像すると、大手ハウスメーカーの当該社長 でなくとも、是非、当該マンションを購入したくなると思ってしまいました。
 この気持ちを当事務所の面々に話したところ、目黒川沿いの高級飲食店にまで、話が盛り上 がりました。

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1 前回のコラムで「大先輩から(野良猫に)餌をやっているうちに、一匹が本当に可愛くて・・。連れて帰って飼いたいんだけど・・」という通常の会話めいた相談があったことを書きました。今回は、この大先輩の相談から入りましょう。

野良猫や野良犬の情報に関係するネットを見ていて驚きました。

本当に大量の野良猫情報が溢れていました。その中で、野良猫を保護したら必ずするべきこととして、三つ挙げている解説に“丁寧だな”と感心しました。…召阿防賊,墨△譴討いこと、¬造でではないか保健所やSNSで確認すること、飼育できる環境を作ることなどと記載されているのですが、民法第195条の話は出てきません。弁護士の先生方のコラムでも「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下「動物愛護法」と言います)が出てくるくらいなら、その前提論点となる民法195条から書いてほしいなという感想を持ちました。弁護士に対する相談なのですから、可愛い猫で盛り上がる前に、つまりその前提として、猫を拾った友人に関し、民事及び刑事の心配がないというアドバイスが必要ではないでしょうか。

2 民法第195条は、「動物の占有による権利の取得」という条文なのです。民法がこんな細かい規定を置いているのですから驚きです。

条文をそのまま載せましょう。

「家畜以外の動物で他人が飼育していたものを占有する者は、その占有の開始の時に善意であり、かつ、その動物が買主の占有を離れた時から1箇月以内に飼主から回復の請求を受けなかったときは、その動物について行使する権利を取得する」とあるのです。猫は必ずしも家畜とは言えない可能性があります。友人の相談する猫は、鎌倉の地域猫(その地域で生活する野良猫です)であることは間違いないでしょうから、「他人が飼育していた」とは言えないでしょう。でも警察に連絡して猫の紛失届が出ているかどうか確認すれば万全を期したことになると助言しました。同時に、病院で埋められたチップがないかを確認すれば万全です。我が家の愛猫には、戸籍となるチップが植えてあります。

3 本年6月、動物愛護法の改正があったことも関係しているのでしょうか、ハトやカラス或は犬や猫に関係する報道が目に付くようになりました。そんな中で、ツキノワグマの飼育に関係した報道が、朝日新聞に報道されていて楽しみました(本年920日夕刊)。クマを飼育されていた秋田県の畜産業者の方の記事でした。

  その方は、仕掛けた罠にかかった子熊(名前は「クーコ」)を可哀想に思われたのでしょう、育てておられました。ところが、動物愛護法に基づく許可を得ていなかったため、警察から書類送検されてしまったそうです。クーコの預入先である宇都宮動物園に行けば、クーコに会えて、更に、クーコの半生が紙芝居で見れるそうです。

 ところで、現在の動物愛護法では、クマは危険動物の指定があり、飼育自体が禁止されるようになりました。そもそも、動物愛護法では、愛護動物をみだりに殺したり、傷つけたりしたら5年以下の懲役又は500万円以下の罰金だと知ると驚かれませんか?愛護動物とは、法によると「牛、馬、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる」とされております。これらの動物を虐待したり、遺棄したりした場合には、1年以下の懲役又は百万円以下の罰金を科されることになっておりますよ。

 猫や犬が大好きな私が驚いていては駄目です。野生動物と人間との共生という重たい課題が残されております。今後も、サル、鹿、猪やクマが、どんどん我々の生活圏に入り込んできます。

4 ついこの間、日本経済新聞の一面下に掲載されている「あすへの話題」に掲載されたジャズ・ピアニスト山下洋輔氏執筆の“猫返し神社”の記事には本当に驚き、楽しみました。30年以上前、山下氏は、飼い猫3匹と共に東京都立川に引っ越しされたそうです。ところが、その一匹、“白猫ミオ”が外に出たまま帰ってこなくなったそうなのです。ここから括弧書きは山下氏の文章です。

山下氏は、白猫ミオを「散々探し回り、17日目の夜に行き着いた神社にお賽銭をあげて猫を返してくださいとお祈り」したそうです。すると、「翌朝台所でにゃあという声が聞こえ」白猫ミオが帰ってきたそうなのです。インタビューや雑誌に「この神社は猫返し神社だと言いふらした」ことから、その神社が猫返し神社として全国的に有名になったそうで、「猫返しのお守り」と「猫の絵馬」が名物になりました。しかも、その神社では、山下さんのピアノ演奏「越天楽」が流れているそうです。立川にあるこの神社には是非行って、お守りをいただこうと思いました。でもネットで調べると、この神社は立川駅から相当遠いのですね。

5 前回のコラムで、今回紹介する予定とお話しした直木賞受賞作「少年と犬」(著者馳星周 文藝春秋発行)の紹介ができないほど余白が無くなってまいりました。本作品は、東日本大震災の被災者である野良犬が、同じく被災者である子供を探し求めて、熊本まで旅をする物語です。それも仙台から熊本までという長旅の途中(日本海側が中心)、その各地で暮らしておられる人との出会いをテーマにしております。

久しぶりに感激しました。○○賞と言われる本は、それなりにチェックをしており、文藝春秋は、○○賞と言われる都度購入しております。でも最近は、外れの本が多いですね。“これがお勧めですか?これが○○賞ですか”、“出版社の都合で賞を出していません?”と嘆いておりました。でも「少年と犬」は、実に良くできています。目的地である熊本に着いた項の「少年と犬」の章には泣かせられました。是非一読を。

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 1 弁護士を業とするせいでしょうか、友人から「女房が、野鳩やすずめに餌をやっているが、大丈夫かな・・」というような友人間の会話の形での相談は、実は多いのです。この質問は“法律相談なのかな”と迷うような会話を頻繁に経験してきました。

  本年6月に施行された「動物の愛護及び管理に関する法律」(改正動物愛護管理法)に関係する相談めいた会話も近時経験しました。なんでも関東の古都である鎌倉は、野良猫がたくさん闊歩しているらしいのです。大先輩から“餌をやっているうちに、一匹が本当に可愛くて。連れて帰って飼いたいんだけど・・”という趣旨のお話しがありました。当然、上記改正法の内容や鎌倉市の条例についてもチェックし、関連するものとして、神奈川県条例を見つけました。

今回、大阪市条例に反対する弁護士の先生の論文も読ませていただきました。先生は「THEペット法塾」の代表までされておられました。動物を愛する者の一人として、大先輩や弁護士の先生には、私の分まで頑張って頂きたいと思っております。

2 今回は、“野鳩やすずめ、或はカラスに餌付けをしていいのか”、“野良猫や野良犬を飼っていいのか”をコラムの題材にしようと準備を始めておりました。ところが、本年の直木賞受賞作「少年と犬」(著者馳星周 文芸春秋発行)は、野良犬と人との遭遇による物語なのです。それも仙台から熊本まで旅をする犬と各地における人との出会いをテーマにしております。更に、何と!本年芥川賞受賞作「首里の馬」(著者高山羽根子 文芸春秋9月号)は、野良馬(宮古馬)を飼い始める話なのです。

  書き始めてびっくりしました。書きたいことが多すぎるのです。従って、野良猫や野良犬は次回送りにせざるをえません。

3 今回はハト、カラス、ツバメを題材にしましょう。

30数年にわたってお付き合いしている友人から、「嫁いでいる私の娘が、嫁ぎ先のアパートの傍で、鳩に餌をやっているが大丈夫でしょうか」という相談を受けました。

私は、30年近く前、相談者の故郷、日本アルプスの山の中の実家に連れて行っていだだき、本当に楽しい日々を送らせていただいた経験があります。イワナ釣りのため、渓谷に分け入った対岸にシカがいました。30年ほど前は、今ほど野生動物が跋扈しておらず、鹿との共存など想像しておりませんでした。驚いたと感想を言ったところ、「野生のサルもイノシシもクマもいるよ」と普通のように言われました。

このような環境が普通の生活になっているのであろう娘さんに何を言えばいいのでしょう(野鳩やスズメが可愛いのは当然ですが、餌やりには必ずカラスも付いてくるけど、敢えて話題にしていません)。

でも私は、次のようなお答えをしております。

会話形態にしましたが、要約です。「ハトやカラスの糞で真っ白になった道路を見たことないですか。やはり薄汚いという印象を受けますよ。残された餌や、ビックリするほどの鳴き声を含めて、環境破壊だという近隣住民は多いようです。彼らの要望に応えるために、条例で対応しようという動きも増えました。東京も種々の地区で既に対応しております。地域によっては罰金を課すというような条例も出てきました」、「でも大切なことは、娘さんの住環境ですよ。とにかく近隣住民との紛争は避けるように言ってください。心の平穏が揺さぶられる事件になることだけは避けてください」とアドバイスしました。

私は、つい3か月前のコラムで「カラスは飼えるか」(松原始著・新潮社発行)という本を紹介したほどですから、娘さんを応援したいのが本音です。でも近隣紛争は本当にしんどいのです。10年程前のことですが、互いが警察を呼び合うような事件に発展した経験もあります。相談者は賃貸物件居住者でしたから、引っ越しして終わりました。

4 本コラムで紹介したいと思い、新宿御苑に行って、鳩やカラスの様子を見てきました。

実は、30年近く前、当事務所で破産申立てをされた方々で、申立ての直後に行き場のない人達に、当事務所の机に一日中座っていてもらうことが何度かありました。紛争が落ち着くか、次の仕事を見つけられると、私の事務所を卒業されることになります。

その際、通例のこととして、事務所の前に位置する新宿御苑内のベンチに座り、緑濃い木々や、鳥たちを見ることが多かったのです。ハトに餌やりをしている人たちも何度か見ました。餌のやり始めは、猛烈な数の野鳩が廻りを囲みますが、その外回りをカラスが囲むのです。そのうち少し飛び上がってハトに襲いかかり、ハトの囲みを突破するカラス達を見ていて、凄い戦いだと驚き、怖くなることもありました。

でも、最近は餌やりを禁じているのでしょうか、鳩は殆どいません。カラスは、芝生に座られているご婦人方と全く同様に、伸び伸びと休んでおりました。野鳩が増えたというネット情報とは違いました。

5 でも、ツバメは本当に見なくなりました。

私の大学時代の友人で、絵描き仲間の金子凱彦君が、長い間調査し続けたツバメの巣作り報告書である「銀座のツバメ」という本(学芸みらい社出版)を出版したことがあります。ツバメは、人を用心棒にして巣作りをするため、銀座は“ひな育て”に最適であると知り驚きました。この本は、当時、随分売れたようで入手に苦労したものです。

金子君の最近の活動状況をネットで調べたところ、今年は、ツバメが銀座に数カ所巣を作っているのだそうです。その講演会のお知らせがあり、“頑張っているな”と感激しました。

同じく友人の五十嵐茂君が、今年の春、駅の天井に巣を作ったツバメの巣を守るため、巣の下に「工事中」の標識を出して囲みを作った駅の対応を評価し、コラムを書いております。その標識の傍に出店する駅売店の女性を応援するため、度々、買い物に行っているようです。

去年の秋、五十嵐君と新宿のお寺巡りをしましたが、太宗寺でたむろする猫を紹介しました。

6 次回は、直木賞受賞作「少年と犬」を中心にして報告します。

 

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    今日においては、個人情報が漏洩したというニュースを頻繁に聞くようになってしまいました(このコラムを書いている数日前にもYahoo! JAPAN IDで最大38万件の個人情報が漏洩したというニュースが話題になったばかりです)。
便
利な世の中になった反面、個人情報を利用するサービスが多くなったためやむを得ないかもしれません。
 貴社において、顧客から預かっている個人情報をシステムで管理しているにもかかわらず、個人情報が漏洩してしまった場合、どうなるのでしょうか。
 当事務所においては、顧客の個人情報をシステムから漏洩させてしまった会社の弁護を実際に行っていますので、そのような事案も踏まえ、ご説明差し上げます。

    まず、貴社は、顧客に対して対応をしなければならないことになります。個人情報が漏洩してしまった場合、把握している情報や原因を確認した上で、顧客の問い合わせに対応するため、(内部又は外部の)コールセンターを設置し、顧客に対し、お詫び状や報告書面を送付するなど、迅速な対応が必要になります。そればかりか、顧客に対して、慰謝料を支払わなければならない可能性もあります。
 慰謝料の金額がいくらか、ということですが、例えば、氏名,郵便番号,住所,電話番号、メールアドレスなどが流出したベネッセホールディングスの事件(クレジットカード情報は含まれていませんでした。東京高裁令和元年6月27日判決)では、実害が発生したとは認められないこと、直ちに被害の拡大防止措置が講じられていること、事後的に慰謝の措置が取られていること等を根拠に、1個人当たり2000円が慰謝料として認められています。
 他方で、氏名、職業、年齢、性別、住所、電話番号及びメールアドレス等の情報のみならず、登録日時、顧客が関心を有していたエステのコース名、エステに関する回答の内容等が漏洩したエステティックのTBCの事件では、秘匿性の高い情報であったこともあり、1個人当たり3万円の慰謝料が認められています。
 個人情報が漏洩したような事案では、お詫びのために500円〜1000円程度のQUOカードなどが配布されることもありますが、訴訟になるよりも金額が抑えられることが多いですし、訴訟で慰謝料の金額を決定する際にも有利に考慮されることが多いと思いますので、加入している保険が使えないかどうかも検討しつつ、迅速に対応することが重要です。
 顧客に対する対応を誤ると、大きなレピュテーションリスク(評判を落とすリスクのことです)となり、「炎上」につながりかねませんので、注意が必要です。

  三 次に、貴社としては、個人情報が漏洩してしまったシステムを構築、保守又は運営していたシステム会社に対して、損害賠償請求することが考えられます。
 当事務所では、不正アクセスにより個人情報が漏洩してしまったシステムを構築、保守又は運営していたシステム会社に対して行った損害賠償請求訴訟において、8000万円の損害賠償を勝ち取った事案もあります。
 当該事案は、当初は他の法律事務所が受任しており、劣勢の状況でしたが、膨大な証拠を提出し、法律論や個人情報が漏洩してしまった原因などをシステムの技術も含め、丁寧に説明したことで、裁判所の心証を当方の有利に変え、有利な結論を導きました。

    個人情報が漏洩してしまったシステムを構築、保守又は運営していたシステム会社に対して損害賠償請求する事案の場合、難しいのは、個人情報が漏洩してしまった原因を追究しないといけないことにあります。
 個人情報が漏洩してしまう原因には様々なものがありますが、ハッカーなどによる不正アクセスの場合、どのように不正アクセスをしたのかを検証するだけでも大変ですし、何故不正アクセスを許してしまったのかということまで立証するとなると、困難を極めます。システムの専門家によって意見が異なる場合も少なくありません。
 そのため、個人情報が漏洩してしまった場合には、迅速に原因を追究することが重要であり、そのためには、システムや情報セキュリティに関する専門家のほか、弁護士にも早めに相談する必要があります。

    個人情報が漏洩した原因を確定させることが非常に難しいため、裁判例においては、しっかり原因が確定できていなくてもシステム会社に対する損害賠償請求が認められている事案もあります。
 例えば、東京地裁判決(平成25年3月19日)では、「サイトに何らかの不正なアクセス等が行われることによって被告の顧客のクレジットカード情報が漏洩したことが推認される」というような曖昧な内容でしたが、「クレジットカードの情報という機密性の高い情報を扱うサイトであるから、それに応じた高度のセキュリティ対策が必要というべき」等と認定した上で、システム会社側が当該サイトに応じたセキュリティ対策を取っていたことを立証できなかったことをもって、システム会社の責任を認めています。
 また、東京地裁判決(平成26年1月23日)では、調停委員会(プログラムの専門家が調停委員として加わっていた)において「直接証拠がない点を重視し」、「SQLインジェクションが本件流出の原因であるとの立証は尽くされていない」旨の意見書が作成されていたにもかかわらず、裁判所が、独自に判断を行い、「本件流出の原因は,SQLインジェクションである」と判断しました。
 要するに、個人情報漏洩の原因が、プログラム上、真に突き止められなかったとしても、法科学的に一定の立証ができていれば、責任追及は可能であるということです。

    システムから個人情報が漏洩してしまった場合、原因を突き止めて責任を追及することは容易いことではありませんが、早めに弁護士に相談し、しっかりと証拠を残しながら対応をしていくことで、被害者である顧客に対する対応も十分行うことができ、加害者であるシステム会社に対する損害賠償請求も成功することが可能です。
 前述しております通り、当事務所では、このような事案に対応して有利な結論を導いている実績がありますので、貴社が個人情報を漏洩させてしまった場合や個人情報を法的にしっかり管理したいという場合を含め、早めに当事務所にご相談くださいますよう宜しくお願い致します。

                                                              

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一 当事務所が数多くの立退案件を取り扱っていることは、これまで様々なコラムでお話しした通りです。

二 そして、立退料に相場が無いということもお伝えしている通りです。
 このことは、当事務所において、不動産業者などの賃貸人から依頼された際には立退き料0円で解決していることもありますし、賃借人から依頼された際には立退き料として月額賃料の200ヶ月分で解決したこともあること等からご理解頂けると思います。

三 不動産業者などの賃貸人の立場に立って解決する場合であっても、賃借人の立場に立って解決する場合であっても、具体的に近時の裁判例がどのように解決しているのかを知ることが最も重要です。
 裁判所がどのような事案でどのような結論を取っているのかを知り、依頼者にとって有利になるように裁判例を使いこなすことこそが、良い結論を導き出す要因の一つだと言えるからです。
 今回のコラムにおいては、貸主側の主張が認められず、立退きが認められなかった事例や立退料に6億円以上もかかった事例が出てきます。
 貸主とすれば、しっかり準備をしないと大変なことになるということを示していますし、借主からすれば、立ち退きを求められたとしても、しっかりと準備をすれば自らの利益を守ることができるということを示しています。
 いずれにせよ、早めに当事務所にご相談いただくことが肝要だと思います。

立退料

平成28年8月26日東京地裁判決

500万円

 

 

築45年程度が経過しており、耐震性調査の結果、震度6ないし7程度の地震が発生した場合に中破又は大破となる可能性が指摘されていること、補強工事費用は5000万円を超えること、借主は公認会計士・税理士事務所であり、使用の継続が必須ではないこと等を考慮した。貸主の不動産鑑定が立退料相当額を442万円と評価し、借主の鑑定は1244万5000円としているが、借主の鑑定を採用しないこととし、500万円を立退き料と判断した。

立退料

平成28年7月14日東京地裁判決

200万円

貸主は、85歳で介護の必要があり、長男夫婦と同居する必要があるのに対し、借主は、がん治療を継続し、不眠であるため、転居には負担があるものの、代替物件もある。そこで、引越費用相当額と賃料(月7万3000円)の2年分を立退料とした。

立退きが認められず

平成28年7月26日東京地裁判決

正当事由なし

貸主は退職後に飲食店を営むために建物が必要であると主張するが、飲食店経営を準備している等の事情が存在しないこと、それに対して、借主には景品交換所の経営上必要であるという事情から、明け渡しをさせる正当事由がない(貸主の請求は認められない)と判断された。

立退きが認められず

平成28年9月23日東京地裁判決

正当事由なし

貸主が建物を使用する具体的な必要性が乏しいこと、借主がパチンコ店として使用しようとしていること等からすると、貸主が立退料算定のための鑑定申出をしていることを考慮しても、明け渡しをさせる正当事由がない(貸主の請求は認められない)と判断された。

立退きが認められず

平成28年10月28日東京地裁判決

正当事由なし

貸主は、仲間たちと運営する喫茶店を兼ねた大人の趣味のための教室を開く計画を進めているものの、客観的必要性が高いとは言えないこと、他方で、借主は昭和53年から居住し、美容室の経営に携わっていること等から、貸主よりも借主の方が必要性が非常に高いので、明け渡しをさせる正当事由がない(貸主の請求は認められない)と判断した。

立退きが認められず

平成28年12月8日東京地裁判決

正当事由なし

借主が本件建物を唯一の活動拠点としてテナント料(転借料)による収入を収益として事業活動を行っていること、本件建物の建て替えが具体的に計画されているわけではないこと等を理由として、貸主が立退料9727万9920円の提供を申し出ていることを考慮しても、明け渡しをさせる正当事由が認められない(貸主の請求は認められない)と判断された。

立退きが認められず

平成28年12月8日東京地裁判決

正当事由なし

貸主の必要性は、専ら経済的利益であること、借主は店舗を運営しており、代替物件も限定されること、築31年が経過しているというだけでは強度不足による倒壊等の危険性が生じているとまでは言えないこと等からすると、貸主自身の依頼した鑑定評価における借家権価格である9220万円に若干の増額を加えた1億円を立退料として申し出ていることを考慮しても、明け渡しをさせる正当事由が認められない(貸主の請求は認められない)と判断された。

立退きが認められず

平成28年12月20日東京地裁判決

正当事由なし

本件建物は昭和31年12月に建築されており、大地震時に倒壊する可能性が高いものの、高齢の借主はピアノ指導で生計を立ててきており、転居先を探すことが困難であること、貸主の申し出た立退料が170万円にすぎないこと等から、明け渡しをさせる正当事由が認められない(貸主の請求は認められない)と判断された。

立退料

平成29年1月19日東京地裁判決

35万円

築48年を経過した耐震性に問題のある建物であり、その耐震補強を行うには本件アパートの建て替えと同程度の費用を要すること、本件アパートの借主以外の入居者らは既に本件アパートから退去している一方で、生活保護者である借主が引越に要する費用の支払いを受ければ、当該建物を引き続き使用する必要性は低いので、立退料を35万円とした。

立退料

平成29年2月17日東京地裁判決

6億2723万8000円

 

立退料の算定には、^榲省篏額としての試算価格及び貸家控除法による試算価格(3億5000万円)を用いる。本件においては、借家権の取引慣行は無いので、借家権割合法による試算価格は参考程度とする。

,瞭睫は、新店舗との差額家賃等の補償額(損失補償基準細則別表第5により、補償期間3年間、3億0901万6000円)、移転費(200万円)、内装工事費(坪30万円、2億1040万円)、営業補償費(青山地区で代替物件を探しにくいこと等から、休業期間を6ヵ月とすると9780万円)、移転事務費(売上の1%で802万2000円)の合計6億2723万8000円が立退料になると判断された。

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                                以 上 

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1  昨年11月19日、日本経済新聞に「相続財産の算定評価基準 路線価否定判決に波紋」という記事が報道されました。
 相続財産の算定評価基準となる路線価については、以前から大きな関心を持っておりました。本件訴訟の内容が、判例雑誌等に報道されるのを待って本コラムを掲載しようと思っておりました。でも、報道された相続人は控訴されたのでしょう、続報がありません。むしろ、上記新聞では、本年2月29日、「賃貸経営 節税封じ」、その副題として「税制改正 富裕層を監視」なる特集記事が全面に掲載される状況になっております。
 今回のコラムでは、相続税や贈与税の評価基準として、その基本となる「路線価」を巡る争いについてみていきましょう。
 皆さん、国税庁が発表している路線価表を見たことがありますか?皆さんが住んでおられる土地の値段に関して、ある程度知ることができるように地図として表にされているのです。当事務所では、相談に来られた方が、たまたま土地がらみの紛争であるような場合、相談に立ち会っている弁護士の一人が、すぐにその表をパソコン画面に出してくれます。紛争の程度が直ちに分かる訳ですが、本当に重宝しています。

2 早速、冒頭の日経新聞報道内容を引用します。引用するだけで衝撃的です。
 「東京地裁が路線価に基づく相続財産の評価を『不適切』としたのは、2012年6月に94歳で亡くなった男性が購入していた東京都内と川崎市内のマンション計2棟。購入から2年半〜3年半で男性が死亡し、子らの相続人は路線価などから2棟の財産を「約3億3千万円」と評価。銀行などからの借り入れもあったため、相続税額を「ゼロ」として国税側に申告した。だが男性が購入した価格は2棟で計13億8700万円で、路線価の約4倍だった。」という事案です。
 この事案では、国税側は路線価による評価は適当ではないと判断し、相続税の申告漏れとして約3億円の追徴課税の処分を行いました。
 先ず、以前から感じている第一の疑問は、路線価については相続税の評価基準として国税庁が定めるものです。国税庁の定める認定の約4倍が実勢価格という実態を国税庁は把握できていなかったのでしょうか?ここまで差が出る国の評価には何処か問題があるのではないかと疑問を感じるのです。確かに、路線価は土地取引の目安となる公示地価の8割程度とされていますが、ここでは何の問題もない程度でしかありません。しかも国の定める評価を自ら見直しできる通達制度、財産評価基本通達第6項(これが追徴課税処分できる根拠です)にも疑問を感じます。国税庁の評価が時の流れについていけないのなら、逆に、このような制度の見直しもやむを得ないと思ってしまうのは私だけでしょうか。
 もっとも、上記行政庁の認定に対しては、我々は裁判所に上記認定が適正かどうか訴訟することが可能であり、本件追徴課税について争うことができます。国税庁である行政庁の認識を改めることが可能なのですから、弁護士である我々の任務の重要性が認識できます。

3 次に紹介する判例(東京地裁平成19年8月23日付判決 判例タイムズ1264号)は、有名です。争いの内容は、親族から土地である不動産を購入した原告らに対して、時価と比較して「著しく低い価額」で買ったのであるから、時価と本件売買代金との差額は贈与と見做されるという行政庁の認定が下されたのです。「著しく低い価額」で購入した原告にはその差額分に関して贈与税が課されることになります。
 原告らは、本件売買代金額は相続税評価額である路線価方式に基づいて算定した額であり、相続税法上の時価そのものであると主張しました。本件訴訟では相続税法第7条、或は、「著しく低い価額」の判定基準等の争点もありますが、ここでは路線価が、時価と比較して著しく低額なのかどうかについて問題を提起し、訴訟をしたことについて、意味を見出してほしいのです。
 本判決は、負担付贈与通達の適用自体は否定しませんでした。しかしながら、同通達第2項(著しく低い対価で財産の譲渡を受けた場合について規定)に関し、個々の事案に対して当該基準を硬直的に適用するならば、結果として違法な課税処分をもたらすことは十分に考えられるとして、本件の課税処分を取り消したのです。
 原告代理人弁護士は、よく頑張ったと評価されるべき事案です。

4 7月23日、羽鳥慎一モーニングショーで、評判のコメンテーター玉川さんが「世界と比較して、日本でPCR検査が少ないのは、PCR検査に誤診の可能性が多少あって、行政は、それで訴訟になるのが怖いと言っている」と特ダネのように話しておりました。
 すごく良く分かる話なのですが、現在のコロナ騒動のなかで、行政が損害賠償請求訴訟をそれ程恐れる必要はないと思います。
 確かに、医療過誤訴訟もあるでしょうが、緊急事態を招いている現状では、裁判所もPCR検査で陽性だと言われ、それが誤診で損害を受けたと主張する個人を保護するとは思えません。もちろん、重大な過誤があり、受診者に莫大な損害が生じるなど、例外的な場合もあるでしょうから、ここで一刀両断することはできないでしょうが・・。
 しかしながら、我々弁護士も法の安定を祈念して業務を行っております。
 どうか、皆さまも現在の危機的状況を乗り越えるため、PCR検査の拡充をお考え下さい。

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