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コラム - 201703のエントリ

1 この本は、畏友である弁護士安�童�二先生の著作であり、昨年9月29日、出版されました。昨年末、新宿紀伊国屋書店にこの本を求めて案内担当に尋ねたところ、「よく売れていますよ」と不思議そうな感じで説明を受けました。確かに表紙は、字だけのみの簡素なものであり、題も一般受けしにくく、宣伝意識が不十分のようにも思います。
  安�得萓犬箸里�付き合いは既に20年近くになるのではないでしょうか。近時、激しく揺れ動いております築地の仲卸業者の債務整理、つまり営業権譲渡の特殊案件において、東京地方裁判所のご依頼を受けて面識を得ました。互いに破産法上の保全管理人として、築地市場で新たなシステムを作る中でのお付き合いが始まりです。
  安�得萓犬蓮�行動力に優れておられますが、その法的バランスも申し分なく、この先生はできる弁護士だと確信した数少ない方です。
  本書も優れたドキュメントでありますが、私は「刑法の教科書」として或は「お医者様の必読文書」として推薦したいと思いました。でも、とてつもなく面白いドキュメントでありますから、皆様には、教科書的読み物でなく、ノンフィクション小説のように読んでいただければ幸いであると考えております。

2 早く本論に入りましょう。
  第一に、この本により、医療分野の本当の難しさに、新たに目を開かせていただいたことであります。
  安�得萓犬蓮∋�実の追求が半端ではありません。私も、若い先生方に事実をどこまでも調べてくださいと要求しておりますが、こんなことは、安�得萓犬砲肋鐚韻任后�あるいはまた、私が、「その道の専門家に聞くことが一番」という事実調査の実践は、常識以前のものでしかありません。この究極の人脈造りは、安�得萓犬凌由覆里覆擦觀覯未任垢�ら、真似ができません。ドキュメントですから、その説得力が違います。
  以上の調査結果として、産婦人科医の仕事の大変さを肌で知りました。胎盤と血液などの関係を勉強しておりますと、子供が生まれる仕組みを知りました。母の大変さに思い至り、自らの無知の猛省です。母や妻に感謝せねばなりません。
  また医療の世界の一部ではありましょうが、麻酔科医の先生の役割も、初めて勉強したことになります。神奈川がんセンター事件は、まさしく麻酔科医の先生が起訴され、無罪となった事件ですが(横浜地方裁判所平成25年9月17日判決・確定)、その紹介の場面も本書の急所です。
  これらの事件が発生する問題の一つとして「事故調査委員会の報告書」をあげておられます。これは、後に述べることにします。
 
3 第二の衝撃は、法と医療の目指す「正義」が全く違うという指摘です。起訴されれば、有罪か無罪。検事の立証が、法に抵触したと認定するに足りる事実を摘示して立証するなら有罪となります。安�得萓犬蓮△海譴鰺�罪か無罪かの二択と説明します。しかるに医療は三択なのですね。安�得萓犬遼椶魄�用します。
  「医療事故はいくら誠実に調査しても、結果は、三択の答え、要するに、『何が原因で起こったのか判らない』との結論が出る可能性がいくらでもある」(261頁)。ここで医療と刑事罰との正義の思考形態が異なることの説明も面白いのです。だから納得しがたい起訴もありうるのですね。もっと引用をしたいのですが、書きたいことがありすぎて‥。勘弁してください。

4 この本を、ノンフィクション小説の一分野として世に広めたいという希望を述べました。これは、この本が、刑事裁判の経過を詳細に展開していながらも、そのエピソードが実におもしろいのです。
  例えば、勾留理由開示の裁判が終わり、退廷する加藤医師が手錠腰縄なのに、自然に振り返ったという場面も傑作です。引用します。「これはなんだ、と見上げると看守と目が合った。なぜか腰縄がゆるめられたと。」その理由まで読み進むと、思わず、涙ハラリです。
  もう一つ。「私は怒りを最高裁への上告理由書にぶつけた。『東京高裁は東京地検公判部東京高裁出張所と言われている』と書き出した。」
  いやー、痛快ですね。
  こんな面白い話が続出では、刑事裁判の教科書だけで終わりにするのはもったいない。このような部分は、安�得萓犬痢版�の溢れる人柄”がそのまま生かされているのですが、私は、つい、ノンフィクション小説などと発言してしまうのです。
  もちろん刑事事件に通暁しようという若い弁護士の先生方には、是非とも読んでいただきたい。ミランダルールとか書きたいことは一杯ありますが‥。刑事弁護の手抜きは、できなくなりますよ。

5 最後に、安�得萓犬�問題提起しておられる事故調査報告書です。
  私も、会社依頼の第三者委員会報告書等に関して、本コラムに、その問題点などを提起してまいりました。その解決策も提案してきたつもりです。その一案として、保険制度を利用し、依頼者という夾雑部が入らないようにしないと公正性が保ちえないなどと警告してきたつもりです。お金を出す人と関係しない仕組み造りが、必要なのです。
  安�得萓犬蓮⊂綉�点について問題提起をされておりますが、医療の世界では“患者とその家族という利害関係人”まで入ることに驚きました。引用します。「なんとか遺族に補償がでるように、(医師に)過失ありきとも読めるように、書かねばならない状況に追い込まれた」事故調査委員会の報告書に警告を鳴らしておられるのです。しかも、この報告書によって警察等の捜査機関が動くのです。悲しい因果関係です。
  ページが尽きました。最後に、再度「この本はすごい」。

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一 個人情報保護法が改正され、平成29年5月30日から施行されます。これまでは取り扱う個人情報が5000人以下の事業者には関係ありませんでしたが、今回の改正後はこのような企業にも個人情報保護法が適用されることになります。
  履歴書一つを取ってもお分かりの通り、従業員を雇っている場合、必ずと言って良いほど個人情報を取り扱っていますので、今回の改正により、個人情報保護法を無視して良い会社は殆ど無くなったと言えると思います。
 
二 では、個人情報保護法が改正されたことにより会社は何をどのように対応すれば良いのでしょうか。
  まず、ホームページのトップページから1クリック程度の場所にしっかりとした内容のプライバシーポリシーを載せることです。
 個人情報保護法は、�仝朕余霾鵑鯏�正な方法で取得すること、�⇒�用目的を特定し、�M�用目的の範囲内で取り扱うこと、�ね�用目的をあらかじめ公表しておくこと等を求めております。
 そのため、会社がどのような目的で個人情報を利用するのかについてしっかりと検証した上で、中身のあるプライバシーポリシーを掲載する必要があります。
 
三 次に、従業員や委託先をしっかり監督するなどして個人データ(個人情報がデータベース化されたもの等を個人データといいます)を厳格に管理する必要があります。
 個人情報保護委員会が公表している「個人情報保護の法律についてのガイドライン」によりますと、「従業者が、個人データの安全管理措置を定める規程等に従って業務を行っていることを確認しなかった結果、個人データが漏洩した場合」や「個人データの安全管理措置の状況を契約締結時及びそれ以後も適宜把握せず外部の事業者に委託した結果、委託先が個人データを漏えいした場合」等には、個人情報保護法違反になってしまいます。
それ以外にも、個人データを委託するにあたり、必要な安全管理措置の内容を指示しなかったり、再委託の条件に関する指示を委託先に行わなかったりした場合には、違法になってしまう可能性があります。
そのため、外部の業者と契約する場合には、個人情報の管理に関する規定を業務委託契約の内容にしっかりと盛り込む必要があります(逆に、個人情報を預かる側の会社も必要以上に不利にならないような契約内容にする必要性が今以上に高くなることになります)。
 
四 また、名簿業者等が個人データを第三者に提供する場合には、個人情報保護委員会に届け出るとともに、提供の年月日や受領者等の記録をしなければならなくなりました。
  名簿業者等から個人データを購入して営業をかけるという会社もあると思いますが、名簿業者から個人データを購入する側も、名簿業者が個人情報保護委員会に届け出ているかどうかを確認した上で、取得経緯等を確認、記録し、保存しなければならなくなりました。
 他の会社との間で個人データをやり取りする場合には、今まで以上に厳格な対応が必要になったわけです。
 
五 親子会社やグループ会社間で個人データをやり取りする場合にも、第三者に提供していることになってしまいますので、何の対応もしないまま行ってしまうと、個人情報保護法違反になってしまいます。
そのため、個人情報保護法には「共同利用」という制度が設けられています。
 親子会社やグループ会社間で個人データを利用する場合で、「共同利用」として個人情報保護法違反にならないためには、「共同して利用される個人データの項目」や「共同して利用する者の範囲」などをプライバシーポリシー等にあらかじめ記載しておく必要があります。
プライバシーポリシーに「共同利用」の項目がない場合には、できる限り早めに記載した方が良いと思います。
 
六 さらに、個人情報保護法改正に伴い、個人データの開示、訂正、利用停止等の請求が裁判上の権利として明記されました。
そのため、一定の要件を満たした場合、保有個人データに関して訴訟を提起されるリスクも生じています。
今まで個人データの開示、訂正、利用停止等を請求されたことのない企業であっても、今後は、裁判になる前に、どのように対応するのかを良く検討しておいた方が良いと思います。
 
七 今回の個人情報保護法の改正では、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工した情報(匿名加工情報)に関するルールを明確化することにより、ビッグデータを活用したマーケティング業務等を行いやすくなったという一面もあります。
  しかし、そのように個人情報等の有用性が確保された反面、データベース提供罪(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金、会社の代表者や役員も処罰される可能性があります)が新設されるなど個人情報の保護に関して厳格な規制もなされております。
 知らず知らずのうちに個人情報保護法違反になってしまわないように十分な法対応を行うとともに、仮に個人情報が漏洩してしまった場合にも適切な措置を取る必要があります。
 当事務所では、個人情報保護法改正に伴う法対応に関するアドバイスを顧問会社に対して行っているほかに、「ウェブシステム会社に対して個人データを委託していたところ、個人情報が漏洩したという事案」でシステム会社との間の紛争を処理したりもしております。
 具体的にどのようにすれば良いのかが不安であるという方は是非当事務所にお問い合わせください。

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