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相続法が大きく改正されますので、遺言書の作成・作り直しをお勧めします。(相続・事業承継)

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相続事件
 

一.    相続法が約40年ぶりに大改正されます。
 主に平成31(2019)年7月31日から施行されますが、一部については、既に平成31(2019)年1月13日から施行されていますので、注意が必要です。
 相続や事業承継はどなたにとっても非常に重要なことですから、是非ともしっかり対策して頂くことが必要だと思います。

二.    まず、配偶者居住権(配偶者が相続開始時に被相続人が所有する建物に住んでいた場合に、終身または一定期間、その建物を無償で使用することができる権利)が創設されました。
 ^篁妻割における選択肢の一つとして、或いは被相続人の遺言等によって、配偶者に配偶者居住権を取得させることができるようになります。
 このことによって何が起きるかと申しますと、例えば、相続人が妻及び子、遺産が自宅(2000万円)及び預貯金(3000万円)の場合のことを考えると分かりやすいです。

(改正前)
妻:預貯金500万円+自宅
子:預貯金2500万円

(改正後)
妻:配偶者居住権(1000万円) 預貯金1500万円
子:負担付の所有権(1000万円) 預貯金1500万円

 妻にとって、預貯金を多めに受け取ることができるようになっていることがお分かりいただけるはずです。

三.    また、相続法改正により、結婚期間が20年以上の夫婦間で、配偶者に対して自宅の遺贈または贈与がされた場合には、原則として、遺産分割における計算上、遺産の先渡し(特別受益)がされたものとして取り扱う必要がなくなります。
 例えば、相続人が妻と子、遺産が自宅(2000万円)、空き家(1000万円)、預貯金(3000万円)の場合で空き家を共有にするとした場合、預貯金は、

 改正前 妻:500万円+自宅 子:2500万円であったものが
 改正後 妻:1500万円+自宅 子:1500万円

 となります。
 やはり、妻がかなり有利になっていることがお分かりいただけると思います。
 配偶者の権利に関しては、配偶者短期居住権(配偶者が相続開始時に被相続人が所有する建物に居住していた場合に、遺産の分割がされるまでの一定期間、その建物に無償で住み続けることができる権利)も創設されており、保護されております。

四.    自筆証書遺言(自筆で作成する遺言書)については、改正前は、添付する目録も含め、全文を自書して作成する必要がありました。
 しかし、改正後は、遺言書に添付する相続財産の目録について、パソコンで作成した目録や通帳のコピーなど、自書によらない書面を添付することによって作成することができるようになりました。
 財産目録の書式は自由で、遺言者本人がパソコンで作成する場合以外にも、遺言者以外の者が作成することも可能です。
 併せて法務局で自筆証書による遺言書を保管する制度が創設されました。全国にある遺言書保管所において、遺言書が保管されているかどうかを調べること(「遺言書保管事実証明書」の交付請求)、遺言書の写しの交付を請求すること(「遺言書情報証明書」の交付請求)ができ、また、遺言書を保管している遺言書保管所において遺言書を閲覧することもできるようになっています。

五.    さらに、被相続人(お亡くなりになった方)名義の預貯金の払い戻しについても改正されます。
 改正前は、生活費や葬儀費用の支払、相続債務の弁済など、お金が必要になった場合でも、相続人は遺産分割が終了するまでは被相続人の預貯金の払戻しができませんでした(平成28年12月19日最高裁判決)。
 しかし、改正後は、^篁妻割前にも預貯金債権のうち一定額(ただし、同一の金融機関に対する権利行使は、150万円が限度)については、家庭裁判所の判断を経ずに金融機関で払戻しができるようになります。
 なお、単独で払戻しをすることができる額=(相続開始時の預貯金債権の額)×(3分の1)×(当該払戻しを求める共同相続人の法定相続分)ですので、例えば、預貯金600万円、子2人の場合、100万円となります。 また、仮払いの必要性があると認められる場合には、他の共同相続人の利益を害しない限り、家庭裁判所の判断で仮払いが認められるようになります。

六.    その他にも、相続法改正により、処分された財産につき遺産に組み戻すことについて処分者以外の相続人の同意があれば、処分者の同意を得ることなく、処分された預貯金を遺産分割の対象に含めることが可能になります。
 遺留分についても、金銭債権化され、不動産が複雑な共有関係になることを回避できるようになります。
 また、遺言書で「相続させる」と記載することにより、長男が被相続人所有の空き家を取得する場合(被相続人は長男と次男の2人の場合)、改正前は、相続債権者が、「空き家の登記は被相続人名義のままなので、次男が相続した法定相続分での差押をしよう」としても、常に長男が優先することになっていました。
 しかし、改正後は、相続させる旨の遺言についても、法定相続分を超える部分については、登記等の対抗要件を具備しなければ、第三者に対抗することができないことになります。
 さらに、相続人以外の親族が被相続人の療養看護等を行った場合、一定の要件のもとで、相続人に対して金銭の支払を請求することができるようになります。

七.    以上の通り、相続法の大改正により、様々な項目が変わることになります。一読して頂いただけでは良く分からない難しい内容もたくさん含まれていると思います。
 この機会に、弁護士に相談しながら相続法改正のメリットを享受できないかご検討いただいた上で、遺言書を作成された方が良いと思いますし、身近な方に遺言書の作成をお勧めされた方が良いと思います。既に遺言書を作成されている方は、作り直しもご検討いただくのが良いと思います。
 事業承継の際にも注意した方が良いとも思いますので、いずれの場合でも、是非一度当事務所にご相談いただけると幸いです。

 

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