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コラム - 最新エントリー

1 前回のコラムでは、次回、証人尋問の劇場性について書いてみましょうと結びました。“証人尋問に劇場性など不要”というコラムばかり書いておきながら、その劇場性についてお話ししたいのは、その意外な結末が小説より面白いからです。
世紀の裁判と言われたO.Jシンプソンの裁判を視察に行きましたが、そのサンフランシスコでの経験は、半端ではありませんでした。今回、同時に紹介しようと考えておりますアメリカ大統領、リンカーンの弁護士時代の証人尋問も、刑事弁護等の多くの専門書に掲載されています。劇場性を紹介するなら、この二つの事件しかないでしょうが、やはりO.Jシンプソンの裁判・刑事裁判無罪は別格です。
それまで勉強してきた証人尋問の教科書等が色あせる裁判でした。
2 証人尋問の劇場性について触れる前に、一番驚いた話から始めます。20年以上前の話といっても、正確に復元することは問題があるかもしれません。多少、トーンを落とします。
それは、報酬数億円と言われた、当時アメリカの超一流弁護士を集めた弁護団「ドリームチーム」に関与された方から直接聞いた話です。
最初のうちは、陪審裁判の証人尋問のやり方を勉強してきた私たちにとって、通常よくある話でした。その一部が、役に立つよう標語式に纏めたメモの形で、私の古いノートに残っておりました。これだけでも我が国の弁護士には驚きでしょうが・・。
 陪審員の会議で、中心的な役割を演じる者を見抜け。
彼がターゲットだ。
 靴やネクタイを見よ。ラフな見かけの人は楽な方向に流れる。それ以上に偏見を持つ人を見つけて扇動することが重要。
 弁護士は、陪審員の誰を見て話すのかなど、証人尋問の際のパフォーマンスを検討せよ。証人尋問はショーである。
 二日目に目標とする人を見定められないとすれば、あなたは無能弁護士だ。
国民の司法参加を標榜して世界中の裁判制度を視察していた私には、上記の項目は、それ程刺激的な話ではありません。
次に、俗な話題になりました。弁護士の報酬が数億円であったかどうかについて、お聞きしたのです。ところが煙に巻かれました。しかし、高い報酬は当然だという話をするためでしょうか。「弁護団は、陪審員の属性等の細部についても調べ上げる」との説明がありました。これにはショックでした。ここで話しが終わってしまったのです。
探偵を使ったのかどうかなど詳細は聞けませんでした。
我が国の裁判員のプライバシーに関する調査を事前にされたら、裁判員裁判制度は終わりです。国民の司法参加を標榜していた我々にとって、こんな恐ろしい話はありません。陪審員・裁判員には、絶対アンタッチャブルでいてほしい。
3 O.Jシンプソンの裁判で、劇場性そのものと考えられた事実は、O.Jシンプソンの自宅の門の通路に落ちていた右手の革手袋です。
この手袋は、刑事によって発見されたものです。私たちも驚いたのですが、当時、裁判はテレビでそのまま放映され、超人気を呼んでおりました。法廷でこの手袋を嵌める実演があったのです。なんと、この手袋はO.Jシンプソンの右手には小さくて嵌まらなかったのです。この実演を見て陪審員は、この手袋に証拠性はない、無罪であると判断するのは無理からぬことではないでしょうか。
確かに、捜査機関の証拠保存の不手際(血液の保存方法や現場に残された靴跡の靴等)や、刑事の黒人差別発言もあったのですが、極めつけは手袋を嵌めさせようとしたものの、小さくて入らないという劇場性・ショーにあったことは明白です。
O.Jシンプソンは、その後の民事裁判では逆に敗訴し、巨額の損害賠償責任を負いました。現在、無罪判決は間違いだったという風説が強いようです。事実、ネット情報というのでしょうか、右手に手袋が嵌まらなかったのは、当時、手に関節炎を患っていたが、薬を飲まないで腫れをそのままにしていたからだという話しも読んだ記憶があります。
4 リンカーン大統領の証人尋問での劇場性に触れましょう。
頁の残りが少ないので「弁護士リンカーン」(フレデリック・トレヴァー・ヒル著)の引用に留めます。小説のように楽しまれたい方は、「反対尋問」(ウエルマン著 旺文社文庫)をどうぞ。この本は、我が国に裁判員裁判制度を導入された平野龍一先生が解説されており、裁判員制度を勉強されようとする方の必読書でもあると思います。
引用「(殺人事件の現場を目撃したという)証人は、被告人がパチンコか何かそのような武器(ピストルではない)で致命的な一撃を与えるところを実際に見たと証言し、リンカーンは彼を問い詰めて、凶行の時刻を夜の十一時頃だったと言わせておいてから、そんな時刻にどうしてそんなにはっきりと見ることができたのか陪審員に教えてやるよう要求した。「月が出ていたので」と証人は即座に答えた。「でも、起こったことが何でも見えるくらいに明るかったんですか?」と尋問者は迫った。証人は、朝の十時に太陽のあるあたりに月が出ていて、だいたい満月だった、と答えたが、その言葉が口から出るやいなや、この反対尋問者は暦をつきつけて、月は午前零時七分に完全に没したはずであり、したがって十一時には実際上月明りはなかったことを示したのである。これがこの裁判の転換点となり、以降はすべてリンカーンの思うままに運んだという」。これを、証人尋問の劇場性だという人が多いのですが、楽しまれたい方は、「反対尋問」82頁以下(上記引用と異なる)をどうぞ。

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1 ずいぶん昔のことですが、陪審裁判を研究することが花盛りだった頃、証人尋問の能力を自慢する弁護士の方が多数おられました。アメリカ映画で描かれる弁護士を見て、証人尋問のうまい弁護士に頼みたいとおっしゃった一般の方もおられました。
私も弁護士になった頃は、“証人尋問のコツは陪審裁判にあり”と考え、証人尋問の仕方を随分勉強したものです。模擬陪審裁判の弁護士を 演じるため、舞台監督の方にお願いしたこともあります。
2 でも長年弁護士稼業をやっておりますと、証人尋問を上手にできる ということが、即、弁護士の優劣を決するということとは全く関係ないということが分かります。証人尋問も弁護士の仕事ではありますが、単なる一つの業務というほどのものでしかないのです。結局、証人尋問を上手に行うためには、事件の終着点に関する見通し力と、その終着点を左右する徹底的な事実調査力に帰結するのです。
我が国の裁判員裁判制度の採用から、アメリカの裁判と類似させて証人尋問の劇場性を強調される方もおられましたが、陪審員のみで有罪・無罪を決する陪審裁判とはやはり異なります。
大切なことは、民事裁判での証人尋問まで考察するなら、その劇場性は殆どなくなってしまうのです。つまり、民事裁判において証人尋問をする際、相手方弁護士の目指す結論は、互いの準備書面において主張整理され、周知の事実になっております。そもそも判断をする裁判官の理解が前提になるのですから、劇場性など絵空事でしかないことが直ちに理解いただけるでしょう。
自らの主張を裏付ける具体的な事実について、裁判官の理解を得るために、判断の基礎となる事実をたくさん集め、且つどれを強調するか工夫し、裁判官を事前に説得できねば、勝訴は見込めません。
3 証人尋問能力を敢えて積極的に認める前提で定義するなら、それはプレゼンテーション能力というほどのものでしかありません。
プレゼンテーションということは、他者に対する働きかけといえますが、それが効果的なものになるということは相当な能力とも言えます。
しかし、臨機応変に対応ができるということは長年の訓練により可能になると誤解されてはいけません。経験も必要でしょうが、臨機応変に対応できるよう、その事件の分岐点、先読みに関する取り組み以外にないのです。事件に関する理解を深め、その分岐点となる事実を、どれだけ発掘できるかに尽きるのです。
4 一つ例をあげましょう。
その事件は、集団訴訟と言って、たくさんの弁護士が将来の「飯の種」を探して被害者なる者を集め、集団で訴訟を行うものでした。その弁護士さんの中には、現在、弁護士会で活躍されている方もおられますので、詳細は省きます。
結論から言いますと、この訴訟の帰趨を分けたのは、被告が「儲かります」と言って、客を集めたかどうかに尽きます。
この事件の長い経緯を、膨大な時間をかけて聞いていきますと、詐欺的な結末となったのは意図的なものでなく、“バブルの崩壊”によるものであることが分かります。その事実を集める苦労は、“筆舌に尽くしがたい”という言葉そのものでした。
分岐点の一つを示しておきましょう。
被告担当者が、原告の一人である女性と、フアミリーレストランで営業中、その真実を語る出来事の一つがありました。その時、女性の知り合いの方が、座る席がなくて偶然同席になった際、知り合いに対する彼女の話がありました。当然、被告担当者の陳述書にも、準備書面にも書きましたが、裁判官達には原告の主張は崩せないと判断したようです。当方に億単位の和解を迫るのですから、結局、証人尋問になりました。
裁判官の思い込みをどう崩すかが、当方のプレゼンテーションです。
最後の手段として、先ず裁判官が反対尋問を続ける私に、「その質問は止めてください」と異議を出させるまで原告の女性に対し、何時「儲かる」と言われたかの種々の場面を示して、回答を迫りました。いくつもの事例を出していたところ、思い通りに裁判官が介入してきました。そこで初めて、私は、“あなたがこの知り合いと、どのような話をしたか”について具体的な内容を聞きました。警戒していた担当者は、当時、景気の変動もあるし、保証まではできないと言っていたのです。彼女は、私が原告方の弁護士になっていれば、まず考えられない状態、“真っ白”になって支離滅裂の証言になっていったのです。
これは、原告弁護団の勉強或は準備不足以外の何ものでもありません。これらの事実は、被告担当者の陳述書にも、準備書面にも書いてあるのですから、徹底的に準備しなかった原告弁護団の責任です。
5 当事務所は、証人として法廷に立っていただく方に対しては、徹底して準備及び復習することが常識です。教育のようになってしまいますが、前項のように、極度に緊張される方もいらっしゃるのです。故に、相手方の質問を予想し、幾通りものパターンを作って事前の準備をします。究極は、劇場性など生じないようにすることです。事件の終着点と、その見通しがつけられるなら、その準備などそれ程難しくありません。
結論ですが、劇場性のあった証人尋問が演じられるなら、むしろ演じさせられた証人の弁護士は、無能なのです。
でもこんなことを書いていては、コラムとして面白くありませんね。
従って、次回は、証人尋問の劇場性について書いてみます。
私が、諸外国の裁判制度、O.Jシンプソンの裁判視察など、当時興味をもったことを中心にして、紹介したいと思います。

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1 内容証明は弁護士の専売特許のようなものです。

  事件を受任しますと、通常、先ず相手方に対し、今回の紛争を受任した旨、内容証明郵便で 知らせます。まだ先行きが見えぬ段階であっても、相手方に当方の依頼者の意向或いは本件紛 争の根本を示す必要のある場合が多いのです。当然、相手方の反発も考慮せねばなりません。
  近時、内容証明を本人以外の関係者や勤務先に出したり、或いは侮辱的な言辞を記載したり して、懲戒処分される弁護士もいますが、本コラムはそんな馬鹿らしい警告をするつもりなど ありません。
  つまり、最初に出すことになる内容証明は、私が何時も言っております弁護士としての必須 能力「先読み」が試されていることを知ってほしいのです。「先読み」が内容証明の中身を決 めるのです。
  当事務所は10年以上、毎年、司法修習生をお預かりしてまいりました。将来の法曹人を育て る事務所となっておりますが、内容証明の意義について深い理解をもっておられる方は少ない のです。当然、若い弁護士の先生方にも、その自覚を持ってもらいたいということもありま  す。2、3日程度で起案しなければならない内容証明が、職業人としての弁護士にとって、如 何に難しい仕事かを知っていただくことが、弁護士として成長する一番の早道なのです。この コラムは弁護士の先生も読んでおられますが、しかし、私の意識は、一般読者にあります。
  一般読者の方々は、内容証明によって、弁護士の優劣を判断することが可能であるとお知ら せいたします。皆様のご意向が反映されない内容証明は最低なのです。そもそも事前打ち合わ せは十分でしたか?

2 誰もが知る内容証明郵便ですが、法律上の根拠から述べましょう。

  今回の郵政民営化によって郵便法等がどのように変わったのかについて触れてみましょう。 それまで公務員であった郵便局員は、通常の民間会社の社員になってしまったのです。
  郵政民営化によって、郵便局には郵便認証司が設けられました。郵便認証司は「認証事務に 関し必要な知識及び能力を有する者のうちから、総務大臣が任命する」者で(郵便法59条)、 認証事務を行います。認証とは「総務省令で定めるところにより、当該取扱いをする郵便物の 内容である文書の内容を証明するために必要な手続きが適正に行われたことを確認し、当該郵 便物の内容である文書に当該郵便が差し出された年月日を記載することをいう」(郵便法58  条)とされております。例えば、民法では、債権譲渡の通知・承諾は「確定日付のある証書」 でしなければならないと規定していますが(467条2項)、民法施行法第5条1項6号で、上記証 書に当たるものとして内容証明郵便を規定しております。ここまでは「先読み」とあまり関係 ないですね。

3 内容証明の使い方は多種多様です。

  昭和55年から始まり、30巻も発行され続けてきた「弁護始末記」(弁護実務研究会 大蔵省 印刷局発行)を紹介しましょう。昭和の終わり頃の若き弁護士の先生方に熱読されたシリーズ ものです。
  紹介するものは、第1巻の冒頭において掲載されました。主題は「内容証明郵便の利用」で す。紛争或いは事件の「とっかかり」として、30巻に及ぶ膨大な事例紹介の第一歩として適切 な題材だったのです。
  内容の項目を見ていただければ、内容証明の使われ方、つまり、その注意点が理解できる仕 掛けです。
 ‘睛鴇斂斥絞悗蓮∈任眇討靴澆笋垢に[Ъ蠱覆琉譴
 内容証明郵便は、法律上意味のある手紙である
 F睛鴇斂斥絞悗蓮∪訐鑄杞陲亮蟷罎任△
 て睛鴇斂斥絞悗蓮威儀を正した催告である
 テ睛鴇斂斥絞悗蓮⊇刃の剣である
 ζ睛鴇斂斥絞悗蓮△箸には観測用の気球であることもある
 内容証明郵便に対する回答は可能な限り避けるべきである
 内容証明郵便は、必ず、配達証明付にすべきである
 著者がいう「内容証明のチェックポイント」も上げておきましょう。
 ,海諒現颪浪燭鯡榲として書いたのか
 ∩蠎衒を不当に傷つける不穏当な記載はないか
 この文書は撤回し難い最後通告だと何度も考えてみたか
 ち蠎衒に誘発されて書かされた文書ではないのか
 イ海諒現颪相手方の有力証拠になることはないか
 Δ海諒現颪瞭睛討所定の法律要件を備えているか(契約解除の場合など催告期間をおいたか  どうか等)
 Г海諒現颪慮果がなかったとき次に打つべき手段を考えているか

4 私が弁護始末記を引用させていただきましたのは、事件解決屋としての弁護士にとって「先 読み」の能力が問われているという指摘が不足しているということに尽きます。もちろん弁護 始末記の指摘でも、先読みが必要であることは分かりますが、意識した取り組みが必要という ことなのです。例えば、相談当初、難しければ時系列表を作り、証拠表、要件整理表を作成  し、理解困難なところは他の弁護士や専門家に相談する姿勢を崩してはなりません。当然法律 書や判決等の先例分析も必須です。これらの準備をして、十分な先読みがなされねば満足な内 容証明は作成できないのです。依頼者が和解を希望される場合も多いですが、和解ができるか どうかの先読みに失敗して裁判になった場合、内容証明の内容について、裁判官がどう考える かも大切な先読みです。その際の提案金額が下敷きになるということですよ。
 弁護士でない皆様、内容証明が出される前に、相手方の対応にも配慮し、種々の視点から検証して弁護士の能力を試してください。

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1 この本は、畏友である弁護士安童二先生の著作であり、昨年9月29日、出版されました。昨年末、新宿紀伊国屋書店にこの本を求めて案内担当に尋ねたところ、「よく売れていますよ」と不思議そうな感じで説明を受けました。確かに表紙は、字だけのみの簡素なものであり、題も一般受けしにくく、宣伝意識が不十分のようにも思います。
  安得萓犬箸里付き合いは既に20年近くになるのではないでしょうか。近時、激しく揺れ動いております築地の仲卸業者の債務整理、つまり営業権譲渡の特殊案件において、東京地方裁判所のご依頼を受けて面識を得ました。互いに破産法上の保全管理人として、築地市場で新たなシステムを作る中でのお付き合いが始まりです。
  安得萓犬蓮行動力に優れておられますが、その法的バランスも申し分なく、この先生はできる弁護士だと確信した数少ない方です。
  本書も優れたドキュメントでありますが、私は「刑法の教科書」として或は「お医者様の必読文書」として推薦したいと思いました。でも、とてつもなく面白いドキュメントでありますから、皆様には、教科書的読み物でなく、ノンフィクション小説のように読んでいただければ幸いであると考えております。

2 早く本論に入りましょう。
  第一に、この本により、医療分野の本当の難しさに、新たに目を開かせていただいたことであります。
  安得萓犬蓮∋実の追求が半端ではありません。私も、若い先生方に事実をどこまでも調べてくださいと要求しておりますが、こんなことは、安得萓犬砲肋鐚韻任后あるいはまた、私が、「その道の専門家に聞くことが一番」という事実調査の実践は、常識以前のものでしかありません。この究極の人脈造りは、安得萓犬凌由覆里覆擦觀覯未任垢ら、真似ができません。ドキュメントですから、その説得力が違います。
  以上の調査結果として、産婦人科医の仕事の大変さを肌で知りました。胎盤と血液などの関係を勉強しておりますと、子供が生まれる仕組みを知りました。母の大変さに思い至り、自らの無知の猛省です。母や妻に感謝せねばなりません。
  また医療の世界の一部ではありましょうが、麻酔科医の先生の役割も、初めて勉強したことになります。神奈川がんセンター事件は、まさしく麻酔科医の先生が起訴され、無罪となった事件ですが(横浜地方裁判所平成25年9月17日判決・確定)、その紹介の場面も本書の急所です。
  これらの事件が発生する問題の一つとして「事故調査委員会の報告書」をあげておられます。これは、後に述べることにします。
 
3 第二の衝撃は、法と医療の目指す「正義」が全く違うという指摘です。起訴されれば、有罪か無罪。検事の立証が、法に抵触したと認定するに足りる事実を摘示して立証するなら有罪となります。安得萓犬蓮△海譴鰺罪か無罪かの二択と説明します。しかるに医療は三択なのですね。安得萓犬遼椶魄用します。
  「医療事故はいくら誠実に調査しても、結果は、三択の答え、要するに、『何が原因で起こったのか判らない』との結論が出る可能性がいくらでもある」(261頁)。ここで医療と刑事罰との正義の思考形態が異なることの説明も面白いのです。だから納得しがたい起訴もありうるのですね。もっと引用をしたいのですが、書きたいことがありすぎて‥。勘弁してください。

4 この本を、ノンフィクション小説の一分野として世に広めたいという希望を述べました。これは、この本が、刑事裁判の経過を詳細に展開していながらも、そのエピソードが実におもしろいのです。
  例えば、勾留理由開示の裁判が終わり、退廷する加藤医師が手錠腰縄なのに、自然に振り返ったという場面も傑作です。引用します。「これはなんだ、と見上げると看守と目が合った。なぜか腰縄がゆるめられたと。」その理由まで読み進むと、思わず、涙ハラリです。
  もう一つ。「私は怒りを最高裁への上告理由書にぶつけた。『東京高裁は東京地検公判部東京高裁出張所と言われている』と書き出した。」
  いやー、痛快ですね。
  こんな面白い話が続出では、刑事裁判の教科書だけで終わりにするのはもったいない。このような部分は、安得萓犬痢版の溢れる人柄”がそのまま生かされているのですが、私は、つい、ノンフィクション小説などと発言してしまうのです。
  もちろん刑事事件に通暁しようという若い弁護士の先生方には、是非とも読んでいただきたい。ミランダルールとか書きたいことは一杯ありますが‥。刑事弁護の手抜きは、できなくなりますよ。

5 最後に、安得萓犬問題提起しておられる事故調査報告書です。
  私も、会社依頼の第三者委員会報告書等に関して、本コラムに、その問題点などを提起してまいりました。その解決策も提案してきたつもりです。その一案として、保険制度を利用し、依頼者という夾雑部が入らないようにしないと公正性が保ちえないなどと警告してきたつもりです。お金を出す人と関係しない仕組み造りが、必要なのです。
  安得萓犬蓮⊂綉点について問題提起をされておりますが、医療の世界では“患者とその家族という利害関係人”まで入ることに驚きました。引用します。「なんとか遺族に補償がでるように、(医師に)過失ありきとも読めるように、書かねばならない状況に追い込まれた」事故調査委員会の報告書に警告を鳴らしておられるのです。しかも、この報告書によって警察等の捜査機関が動くのです。悲しい因果関係です。
  ページが尽きました。最後に、再度「この本はすごい」。

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一 個人情報保護法が改正され、平成29年5月30日から施行されます。これまでは取り扱う個人情報が5000人以下の事業者には関係ありませんでしたが、今回の改正後はこのような企業にも個人情報保護法が適用されることになります。
  履歴書一つを取ってもお分かりの通り、従業員を雇っている場合、必ずと言って良いほど個人情報を取り扱っていますので、今回の改正により、個人情報保護法を無視して良い会社は殆ど無くなったと言えると思います。

二 では、個人情報保護法が改正されたことにより会社は何をどのように対応すれば良いのでしょうか。
  まず、ホームページのトップページから1クリック程度の場所にしっかりとした内容のプライバシーポリシーを載せることです。
  個人情報保護法は、仝朕余霾鵑鯏正な方法で取得すること、⇒用目的を特定し、M用目的の範囲内で取り扱うこと、ね用目的をあらかじめ公表しておくこと等を求めております。
  そのため、会社がどのような目的で個人情報を利用するのかについてしっかりと検証した上で、中身のあるプライバシーポリシーを掲載する必要があります。

三 次に、従業員や委託先をしっかり監督するなどして個人データ(個人情報がデータベース化されたもの等を個人データといいます)を厳格に管理する必要があります。
  個人情報保護委員会が公表している「個人情報保護の法律についてのガイドライン」によりますと、「従業者が、個人データの安全管理措置を定める規程等に従って業務を行っていることを確認しなかった結果、個人データが漏洩した場合」や「個人データの安全管理措置の状況を契約締結時及びそれ以後も適宜把握せず外部の事業者に委託した結果、委託先が個人データを漏えいした場合」等には、個人情報保護法違反になってしまいます。
  それ以外にも、個人データを委託するにあたり、必要な安全管理措置の内容を指示しなかったり、再委託の条件に関する指示を委託先に行わなかったりした場合には、違法になってしまう可能性があります。
  そのため、外部の業者と契約する場合には、個人情報の管理に関する規定を業務委託契約の内容にしっかりと盛り込む必要があります(逆に、個人情報を預かる側の会社も必要以上に不利にならないような契約内容にする必要性が今以上に高くなることになります)。

四 また、名簿業者等が個人データを第三者に提供する場合には、個人情報保護委員会に届け出るとともに、提供の年月日や受領者等の記録をしなければならなくなりました。
  名簿業者等から個人データを購入して営業をかけるという会社もあると思いますが、名簿業者から個人データを購入する側も、名簿業者が個人情報保護委員会に届け出ているかどうかを確認した上で、取得経緯等を確認、記録し、保存しなければならなくなりました。
  他の会社との間で個人データをやり取りする場合には、今まで以上に厳格な対応が必要になったわけです。

五 親子会社やグループ会社間で個人データをやり取りする場合にも、第三者に提供していることになってしまいますので、何の対応もしないまま行ってしまうと、個人情報保護法違反になってしまいます。
  そのため、個人情報保護法には「共同利用」という制度が設けられています。
  親子会社やグループ会社間で個人データを利用する場合で、「共同利用」として個人情報保護法違反にならないためには、「共同して利用される個人データの項目」や「共同して利用する者の範囲」などをプライバシーポリシー等にあらかじめ記載しておく必要があります。
  プライバシーポリシーに「共同利用」の項目がない場合には、できる限り早めに記載した方が良いと思います。

六 さらに、個人情報保護法改正に伴い、個人データの開示、訂正、利用停止等の請求が裁判上の権利として明記されました。
  そのため、一定の要件を満たした場合、保有個人データに関して訴訟を提起されるリスクも生じています。
  今まで個人データの開示、訂正、利用停止等を請求されたことのない企業であっても、今後は、裁判になる前に、どのように対応するのかを良く検討しておいた方が良いと思います。

七 今回の個人情報保護法の改正では、特定の個人を識別することができないように個人情報を加工した情報(匿名加工情報)に関するルールを明確化することにより、ビッグデータを活用したマーケティング業務等を行いやすくなったという一面もあります。
  しかし、そのように個人情報等の有用性が確保された反面、データベース提供罪(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金、会社の代表者や役員も処罰される可能性があります)が新設されるなど個人情報の保護に関して厳格な規制もなされております。
  知らず知らずのうちに個人情報保護法違反になってしまわないように十分な法対応を行うとともに、仮に個人情報が漏洩してしまった場合にも適切な措置を取る必要があります。  
  当事務所では、個人情報保護法改正に伴う法対応に関するアドバイスを顧問会社に対して行っているほかに、「ウェブシステム会社に対して個人データを委託していたところ、個人情報が漏洩したという事案」でシステム会社との間の紛争を処理したりもしております。
  具体的にどのようにすれば良いのかが不安であるという方は是非当事務所にお問い合わせください。

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1 先日、私は、講談社と文芸春秋と共に「濱嘉之さん 文庫200万部突破を祝う会」の発起人として、上野精養軒にて行われた記念パーティーに出席しました。
大広間には驚くほどの人が集まりましたが、20年近く前、宇宙開発を目的として活躍した当時の会社役員とお会いし、昔のことを懐かしく思い出しました。当時の宇宙開発は、軍事目的(?)のロケット開発が中心でしたが、資金繰りに窮して会社に詐欺師が入り込んだため、濱さんと彼と私の三人は、大変苦労しました。特に、株主総会の運営は本当に厳しく、昨年9月、本コラムの「株主総会の運営(IR株主総会 その3)」においても、その一部を紹介しております。
当時の記念に、現在は公安警察小説家、第一人者と言われながらも、いまだ「危機管理が主たる業務」と宣言された濱さんを囲み、当事務所の副所長も含め、四人で記念写真を撮ってもらいました。

2 宇宙開発会社の業務も、人工衛星の利用により、実に多種・多様な業務に利用されるようになってきました。ネット通信や天候関係の業務には早くから利用されるようになっておりましたが、現在は画像の利用による交通や農業・漁業の収穫時期にまで利用できると言われております。日経ビジネスには、伊藤園が茶葉の摘み頃の判断に利用するという記事が掲載されておりました。
 でも生身の人間が宇宙を飛び回るというには時期尚早です。いまだ人類の月面着陸には疑惑があるとする説も唱えられる昨今、どうしても紹介したい本があります。
平成23年発行なので多少古いとも言えますが、人類にとって、宇宙の無重力での生活が如何に人間に馴染まないものであるかについて、詳細に取材した本を紹介したいのです。

3 それが「わたしを宇宙に連れてって」(メアリー・ローチ著 NHK出版)です。メアリー・ローチは、厚かましいおばさん(ごめんなさい)ジャーナリストですから、どこでも“もぐりこむ”という感じで取材します。例えば、日本の宇宙飛行士選抜試験にも実際に突撃取材するのです。型通りの日本で、こんな奇抜な試験をするのかと疑問ですが、“さもありなん”と思うから不思議です。
そもそも宇宙環境が如何に人間になじまないものであるかについて、若田光一さんが初めて宇宙に旅立つ際の記事(平成21年2月8日付日経新聞)が分かりやすいのです。この古い記事を読むと、宇宙に行きたくなくなりますが、その一部を紹介しましょう。つまり「宇宙から大量に降り注ぐ放射線や、方向感覚もまひさせる無重量環境」、しかも宇宙環境では「骨粗しょう症の患者に比べて十倍の速さで骨の量が減っていく」、あるいはストレスや睡眠不足など支障をきたす「自律神経」の問題など頭が痛くなります。現在、宇宙ビジネスの対象となっている数分の宇宙旅行など話の種にもなりません。

4 「わたしを宇宙に連れてって」では、無重力の世界では“ヒューズが飛ぶ”ことで障害を防ぐなどという重力現象の利用はできず、現代の科学技術の見直しという側面も描かれでおります。しかし何といっても極めつけは人間の体そのものに関する突撃取材でしょう。
 この本は、初めからズバリと本題です。「宇宙開発のエキスパートにとって、あなたは巨大な頭痛の種だ。彼らが扱う機械やシステムのなかで一番めんどうくさい相手、それがあなただ。気まぐれな代謝作用、貧弱なメモリー量、統一規格の存在しない形状にサイズ。あなたは予測不能だ。まるで安定していない。壊れるようなことがあれば、修理するのに何週間もかかる。宇宙で水や酸素や食料に困ったらどうするかという心配もしなくてはならない。あなたが小エビのカクテルや放射線たっぷりのビーフタコスを調理して食べるのに、どのくらい燃料を消費しそうか」。 長くなるので引用は止めます。
しかし無重力の世界で、人間の排せつ物の処理が一番工夫を要するという話、「14 別離の不安 無重力トイレの冒険は続く」で笑います。別離とは自分の排せつ物との別離です。
 皆さん、排せつ物が重力を利用して下に落ちていることを、ここで初めて勉強されると思います。重力がないと、液体は排せつ器官の周りで液体として漂うのです。物体も出てしまった空間に留まるのです。
宇宙開発のエキスパートがどのように苦労をしているのかを知るとおかしくも、せつなくなります。

5 今年の初め、宇宙法の説明について、アポロ11号の月面着陸に際して議論された題材をテーマにして紹介するつもりでいました。つまり月面にアメリカの国旗を立てるということは、宇宙条約に違反しているのではないかということです。北米旗章学協会に提出された論文を紹介して宇宙法の説明をしようと計画しておりました。でもメアリー・ローチの本により、旗がうなだれることは予想され(月の引力は地球の六分の一)、実際には横棒をつけたというエピソードの紹介で疑惑も解消するという腹積もりだったのです。でも宇宙法を概論するだけでもコラム一回分になります。そこで当事務所の秀才田中弁護士に宇宙法の概論を、今年夏過ぎ頃に、コラム形態で書いてほしいとお願いしました。
そもそも宇宙法の専門書は、私の所属する弁護士図書館でも2冊しかありませんでした。硬い表紙のほうの本を借りたのは、この14年間で私が二人目です。即ち、弁護士のコラムで宇宙法を宣伝にする弁護士は多いのですが、体系だった解説書は薄い表紙の本、学者先生方編著になる「宇宙法入門」程度しかないのです。
田中先生。宇宙をじっくり楽しんで、コラムはゆっくりやって下さい。

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1 前回コラム書評で、日本経済新聞、元日版「宇宙でごみ掃除。誰もやらないから面白い」と報道されていることを紹介しました。
この記事は、日本の民間会社社長が、将来、宇宙のゴミ拾いを民間ビジネスにするというもので、2017年にも自社開発の衛星を打ち上げ、衛星やロケットの残骸を片付けるというものでした。しかも女性社長の紹介記事なのです。
この記事を読んで、次回の書評は、宇宙のゴミ拾いを職業とする未来の若者たちを描いた漫画「プラネテス」しかないと思いました。

2 昔、宇宙開発会社の顧問をさせていただいていた当時、「思い出を宇宙に飛ばそう」という企画 に関し、私の友人弁護士から「宇宙にゴミを撒いて大丈夫なの」と質問されて以来、心の傷でした。でも、それから30年近く、宇宙開発事業は冬の時代であり、実際にその会社も整理になりました。しかるに近時の報道には多少呆れる思いです。
  昨年暮れから本年1月20日頃まで見ましても、宇宙の記事が掲載されまくりです。日本経済新聞でも、年末27日「欧州ロケット首位維持に総力」、同28日「中国、宇宙開発3強狙う」、今年になっても「宇宙システムに防衛指針」、「電柱サイズロケット公開」、「低コスト競争出遅れも」、「ミニロケット失敗」等と凄まじい勢いで宇宙ビジネス関連の報道です。他の新聞も同じだと思います。
新春の日経ビジネス「2017年宇宙商売ビックバン」も、表紙の題名のわりに新聞報道の枠を大きく出るものでもありません。でも纏まった状態にされた報道は全体を見るのに便利です。

3 これらの記事を書かれている記者の皆様は、40年以上前から宇宙開発に携わってきた民間企業の前人未到の開発、そして営業努力、しかもどれほどの苦難があったかを知っていらっしゃるのでしょうか。
笑ってしまう話ですが、弁護士の世界でも「宇宙弁護士」で売り出そうという企画があるそうです。でも宇宙関係の法律は、まだ「宇宙法」というほど充実していません。宇宙関係の会社も、従来の会社経営の法律相談が中心であり、宇宙関係の法律はその「付けたし」の段階です。宇宙旅行の契約書と言っても「専門性」を言うほどのものではありません。1月26日、TBSから報道された「人間観察モニタリング 宇宙旅行に当選したら?」をご覧になった方もいらっしゃるでしょう。契約書も話題になっておりましたが、専門性を問われるほどのものではないのです。でもこの当選を知ったお父さんの喜びぶりは、「騙し」だけに本当に可哀想でした(面白かったですね!)。

4 漫画「プラネテス」幸村誠著 講談社(4巻)の紹介をしましょう。
 2001年発行のこの漫画はいろんな賞をとっていて有名です。宇宙のごみ掃除(ごみを「デブリ」と言います)を職業とする若者の青春群像を、宇宙という途方もない大きな世界に対比して「生きる意味」を問うという、いわば青春小説です。
描かれる世界は、現在の数十年後を舞台にしております。従って、現在とは大違いに宇宙法も発達しております。漫画の世界では、宇宙のごみ問題に関する取り決めもあり、或は「宇宙葬」も禁止された後の世界として描かれるのです。もちろん月には衛星都市が作られ、月面地下に都市が存在しております。

5 宇宙ごみを拾うという過酷な労働であっても、高賃金ということで衛星に乗り地球軌道を回って働く青年が、いろんな人と葛藤し、初の木星探査乗組員として成長していきます。父親も火星に何度か行った「船乗り」なのですが、同様に葛藤の対象です。確かに無重力で空気のない世界に行けば、人類つまり人間とは何か?神っているのか?といろいろ考えざるをえないのでしょうね。空気もないのですから。
主人公は悩みが多すぎるようにも思います。しかし経験のない世界に行くと当然このようになるのかなとも思います。いずれにしても宇宙と比較し、地球上の懐かしい風景がしっくりと馴染むのです。これこそ絵を主体とする漫画の醍醐味です。
本作品は「愛」がテーマなのですね。4巻目のラストで遂に木星に到着した主人公が人類へのメッセージに際して「愛し合うことだけが どうしてもやめられない」と話したのに対し、木星探査責任者が「気安く愛を口にするんじゃねエ」とつぶやくところなど、これは論評の枠を超えていますが、面白ければいいのです。

6 近時、「宇宙」或は「ロケット」と聞けばすぐに買って読んでしまう癖がつきました。例えば、昨年9月10日第一刷発行の「売国」真山仁著(文春文庫)も「ロケット」が題材と知って直ぐに読みました。
真山仁作品では「ハゲタカ」など好きな小説です。最近では原発のメルトダウンを題材にした「ベイジン」も読んでいましたので、期待して読みました。
でも今回紹介する漫画「プラネテス」のほうが断然面白かった。「売国」はロケット、つまり宇宙関係の取材が不足ではないのかと感じてしまう。特に、主人公の女性八反田遙は夾雑部のようで、特捜検事の世界と馴染まず、私には構成不足と感じました。

7 宇宙物の作品を紹介しておりますと、何か作り物めいた、偽の社会を紹介しているような違和感が残ります。
故に、次回は完全な取材ルポ作品である「わたしを宇宙に連れてって 無重力生活への挑戦」(メアリー・ローチ著)を紹介しましょう。著者は、実際の無重力空間が如何に人間になじまないものかについて、取材しまくって書いております。
  宇宙に関する法の紹介が遅れておりますね。

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「火星の人」アンディ・ウィアー著  その映画版「オデッセイ」(主演マットデイモン) 「絶対帰還」クリス・ジョーンズ著

1 新年元日の新聞には、宇宙に関係する記事が掲載されるということを皆さまご存知でしたか?
10年以上前になりますが、私は、上場企業新年会の来賓代表挨拶の際、当時関心の高かった宇宙の話をしました。話したかった題材は「人類が火星で暮らす日が近い」というものでした。当時、宇宙を仕事とする会社の法律業務をたくさん扱わせていただき、社長さんとお話しする機会が多く、誰かに話をしたいという誘惑がありました。でも、それ以降、宇宙の話題が下火になるにつれ気になっておりました。そのような経緯から、私が購読している元日の新聞には、宇宙に関係する記事が必ず掲載されるということに気付いたのです。
本年の朝日新聞は「月面へ国際レース」、日本経済新聞は「宇宙でごみ掃除。誰もやらないから面白い」を掲載しております。
朝日新聞は、月面での国際レースに日本からも参加を目指すチームがあるというものです。日本経済新聞は、宇宙の環境問題に取り組むベンチャー企業について紹介しております。

2 そうなのです。ずいぶん前とはいえ新年そうそう、数百名の方にお話ししたことからもお分かりのように火星に関するコラムを書きたくてうずうずしておりました。
弁護士らしく宇宙に関係する法律から始めるのが常道でしょうが、次回にさせてください。でも概略だけ述べておきます。2008年、既に宇宙基本法が成立し、昨年11月、宇宙事業に対して民間参入を認める宇宙活動法が成立しました。今後、宇宙事業は一気に本格化するでしょう。つまり今年の新年こそが、火星についてコラムを書くラストチャンスと判断されるのです。
でも今回は冒頭の題にもありますとおり、三つの書評等を併せて紹介したいのです。長年蓄えてきた題材ですから、国連の宇宙条約等法律の側面と併せて、次回、宇宙SF漫画「プラネテス」(幸村誠著)の書評と一緒に書かせていただくことにします。

3 2015年12月、文庫本で発行された「火星の人」(アンディ・ウィアー著 上・下 早川文庫SF)は、宇宙オタクでなくても十分楽しめる本です。
  最初の84頁迄は、火星探検に派遣された乗組員の一人が、事故から火星に取り残されてしまい、やむなく火星で生き延びることのできる環境づくりをする作業から始まります。火星に着陸する次の火星降下機は4年後、それも3200キロも離れた地です。それまで生きるとすると食料も水も不足しております。ここら辺は早読みが難しい。
人間の生きることのできる空気や水の話ですから高校生時代に勉強した知識フル動員です。水は酸素と水素でできていますが、酸素と水素という分子から話が進むのですから大変です。環境づくりのための電力も同じように工夫が必要です。その中で、私が楽しんだのは基地内でのジャガイモ造りです。土壌とバクテリアという微生物の関係には、のめり込みました。私が映画「オデッセイ」を見たくて堪らなくなったのはこのジャガイモ畑の様子を見たかったからです。
ああ話が飛びました。映画「オデッセイ」の話になってしまいました。でもジャガイモ畑と赤茶けた火星の砂漠のイメージ。これをどうしても掴みたくて映画「オデッセイ」を見てしまったのです。でも、どちらかにしろと言われたら、私は映画より小説である「火星の人」を勧めます。迫力が違いすぎます。

4 宇宙を飛ぶロケットなどの本物の科学知識があれば、もっと面白いと思いませんか。
その材料として、私が昔読んだ「絶対帰還 宇宙ステーションに残された奇跡の救出作戦」(クリス・ジョーンズ著 光文社 2008年発刊)を紹介しましょう。
この本は、宇宙に関係する基礎知識の吸収に役立ちます。つまり、宇宙開発をめぐるさまざまな出来事をてんこ盛りにしたノンフイクション作品なのです。ノンフイクションですから宇宙の基礎知識を吸収するのに安心です。
このノンフイクションは、宇宙飛行士の本当に残酷な世界を教えてくれると同時に、組織の世界であるNASA(米国航空宇宙局)の実態も皮肉なまでに書かれています。
そもそも火星にはまだ誰も行っていません。小説や映画が正しいかどうかはまだ立証されていません。読んでいて「本当かな」と思う煩わしさはどうしても取り除いておきたい。だって1969年アポロ11号の月面着陸は、NASAの陰謀だなどという話はネットを見ればたくさん出てきます。

5 中国が宇宙開発の「3強」を狙うという記事が昨年12月28日、日本経済新聞に出ておりました。
小説「火星の人」でも、映画「オデッセイ」でも、中国が火星に取り残された主人公を救う手助けをするという話が出てきます。秘密の国なので誰も知らないロケットが飛ばせるという奇抜な筋立てに感心しました。でも日本経済新聞の報道によれば、中国は2020年には火星探査機を打ち上げるそうです。
現在、アメリカとロシアが中心になって開発していることは皆が知っておりますが、小説が本当のような話になります。
面白くなりそうですね。

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1 ある上場企業の役員会に出席した際、公認会計士の先生から、先月出版された「黒い巨塔」という本の書評を求められました。先生には、前回のコラム「サピエンス全史」の書評をご覧いただいたのでしょうか。書評を求められたのは初めての経験です。
今回のコラムの題材が決まりました。

2 瀬木氏の著作については、2014年7月、当コラム「裁判員裁判」の項目、2回目で「絶望の裁判所」(講談社現代新書)を紹介したことがあります。「黒い巨塔 最高裁判所」という題を見ただけで同じような内容が書かれていることはすぐに分かります。
弁護士をやっておりますと、最高裁判所が、どうしても行政寄りに判断することは直ぐに分かることです。高校時代、司法は、三権分立の一端を担い、行政や立法をチェックする機関と教わりました。しかし、社会状況の変動に及ぶような判断は避けたいに決まっています。もちろん、瀬木氏の著作は、そのような常識を更に逸脱した最高裁判所の実態について、紹介というよりも暴露です。その内容はあまりにも凄まじい。
行政や時の権力者におもねる裁判官、私たちの言葉でいう「ヒラメ裁判官」(瀬木氏からは「ヒラメではない。中途半端なことを言うな」と怒られるでしょうが)のいやらしさを驚くほどの事実を示して、苦悩する若い裁判官と対比させて書いておられます。
公認会計士のような畑違いの先生に、このような最高裁判所の側面を紹介できることは面白いことです。

3 でも瀬木氏は、少し気を使いすぎです。最初に「フイクション」だと断っているのに、あとがきで再度同じことを繰り返しておられます。「この作品は、私の一八年ぶりの創作である」と断られただけでなく、これを「異例のあとがき」だと付け加えておられます。
では小説、或はフイクションそのものと言えるのでしょうか?
「黒い巨塔」が小説だと主張されるなら、私は、お読みになる方に対して110頁迄の最初のほうは、辛い読書体験になるとお話しせざるを得ません。主人公の活躍もなく、最高裁長官や最高裁事務総局の面々を登場させて紹介のような形で、どうしようもない人物の話がえんえんと続きます。ここには物語性など全くなく、飽きてしまうのです。
この本を読まれる方には、読み方に工夫してくださいと申し上げざるを得ないのです。

4 後半は、瀬木氏と同じような苦労をされたと判断される主人公、つまり事務総局民事局に勤める主人公が、主人公の親友である裁判官と共に悩み、その妹との不思議な関係が続き、更にはトバモリーと名付けられた猫が登場します。
小説なら、前半との統一性を工夫されないと面白くありません。苦言めいた読書評になってしまいますが、もう一つ。
瀬木氏ではなく、編集者かもしれませんが、単語や横文字、更には専門用語の分かりやすい表現に工夫してほしいのです。例えば、瀬木氏はいろんなところで「韜晦」なる表現を使われますが、これは一般的に難解です。「フイクション」と言いながら、読者対象者を我々法律専門家に絞っておられると判断せざるを得ないのです。
でも我々法律専門家は、前回の「絶望の裁判所」以上でないと満足しません(これ以上書きませんが、専門家は厳しいですよ)。

5 瀬木氏は、我が事務所副所長が愛読する民事保全法(判例タイムズ社発行)の著者であることからも分かる通り、民事訴訟実務の大家であります。
この民事保全法の「著者略歴及び著者目録」(第三版776頁)を見ると、何と実名による著作と、関根牧彦という筆者名による著作を列挙されています。学術書にこのような著作集をあげられる実務家は珍しい。「映画館の妖精」なるフアンタジー小説も書いておられるのですね。これまで、私は幻想小説を読む暇がありませんでしたが、この読書評を書いたからには読まざるをえないでしょう。

6 この本を読んで、今、一番大事なことだと思うことがあります。
  瀬木氏は、最高裁長官による強烈な思想統制、それを最高裁事務総局主宰の裁判官協議会に始まり、裁判官に対する任地への配置転換という、今日言われる「ブラック企業」以上の凄まじさで後半を展開します。そしてその題材を原発訴訟に求めます。瀬木氏は原発推進派や反対派という立場でなく、裁判所の機能を「当該原発につきシビィアアクシデントの可能性がほぼありえず、ほぼ確実に安全であるといえるか否か」(ママ)にあるとします。裁判所は客観的な第三者として、原発の安全性を厳格に審査し、社会におけるフェイルセイフ(危険制御)の機能を果たすのが本来の司法の役割としております(156頁)。
  昔の仲間から、経産省前テント広場の原発反対闘争、座り込み運動に勧誘されても応じえなかった主要な理由は瀬木氏と変わりません。

7 ここで申し上げたいことがあります。今後の司法の行方を見てもらいたいのです。その材料として「逆襲弁護士河合弘之」大下英治著(祥伝社文庫)の第七章「身命を賭して徹底抗戦」だけでも読んでいただくと(その前の章の、自慢話は省きましょう)、現状認識に便利です。何と言いましても、河合氏は、原発反対訴訟の元締めです。今後の裁判所の行方ですが、潮目が少し変わってきたことを強調させてください。連戦連敗だった原発運転差し止め訴訟につき、裁判所が大飯原発及び高浜原発の運転差し止めを言い渡す事例が出てきたのです。
今後の裁判所の行方を見定めるためにも注視する必要があります。

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立退料の相場

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借地借家

一 当事務所が数多くの立退案件を取り扱っていることは、これまでいくつかのコラムの中でお話しした通りです。

二 そして、立退料に相場が無いということもこれまでお伝えしている通りです。
 このことは、当事務所において、不動産業者などの賃貸人から依頼された際には立退き料0円で解決していることもありますし、賃借人から依頼された際には立退き料として月額賃料の200ヶ月分で解決していることもあることからご理解頂けると思います。

三 不動産業者などの賃貸人の立場に立って解決する場合であっても、賃借人の立場に立って解決する場合でも、具体的に近時の裁判例がどのように解決しているのかを知ることが最も重要です。
 裁判所がどのような事案でどのような結論を取っているのかを知り、依頼者にとって有利になるように裁判例を使いこなすことこそが弁護士の能力の一つだと思いますし、当事務所が様々な依頼者から喜ばれている理由の一つだと言えます。
 そこで、定期的に近時の裁判例をご紹介することにしております。

立退き料

平成27年9月18日東京地裁判決

1億7000万円(月額賃料の約65ヶ月分)

築44年。鑑定結果は、借家権割合法による価格を1億7000万円、移転補償額としての価格を1億7000万円。移転補償額の算定に当たっては、家賃補償年数を2年として算定することが一般的であるところ、鑑定時において賃貸期間3年を残しての中途解約事案であることを特に考慮して、家賃補償年数を3年として移転補償額を算定した。

立退き料

平成27年9月17日東京地裁判決

555万円〜760万円

営業補償について、賃借人らが財務諸表等の証拠を提出しないので、業種別・企業規模別に企業の営業利益等を調査した「中小企業実態基本調査」のデータに依拠して検討した。その他に店舗部分の内装設備工事費用、契約費用、引っ越し代を考慮した。

立退き料

平成27年7月28日東京地裁判決

1000万円

 

賃借人は立退き料を6738万9722円と主張したが、一般に利回り法による算定の際に前提とされる利回り率は、5%から6%が相当であるとされることが多いので、賃借人の計算をもとにしても1300万円程度になると推測した。賃借開始時点で既に建築後45年程度が経過していたこと、本件建物が木造であること、賃貸人は近隣に比べて低額な賃料について増額を請求しないばかりか、平成21年からは減額に応じていたことなどを考慮した。

立退き料

平成27年7月17日東京地裁判決

200万円(賃料40か月分)

築50年以上を経過した木造の建物で、現に、複数箇所で雨漏りがあり、天井板の一部が崩落しているほか、天窓の亀裂、カビの発生、床板や土台のきしみ、腐食も認められるなど、著しい老朽化が認められること、賃貸人は、賃借人らと紛争となり、調停も不調となったことから、低額の賃料収入を甘受しながらローン2000万円程度の返済を継続する必要があること、賃借人は両名とも高齢ではあるものの、他所に転居して生活することに特段の支障があるとは考え難いこと、賃借人は相当程度の収入を得ているものと伺えるだけでなく、別荘も所有していることなどの事情を考慮した。

立退き料

平成27年6月30日東京地裁判決

200万円

 

昭和9年建築であり、老朽化が進み、物理的に損傷している上、耐震性にも相当の問題があるために、現状のままで建物の機能を維持することは著しく困難であるものの、賃借人は平成12年から本件建物で起居していることから、これに代わる住居を手当てし、移転費用を支出しなければならないとして、賃料、通常要する引っ越し費用、近隣の賃貸住宅の賃料や敷金等入居に係る費用を考慮した。

立退き料

平成27年3月6日東京地裁判決

1億3000万円

本件耐震改修促進計画に基づく耐震診断は行われていないこと、賃貸人の必要性は経済的な理由にすぎないこと、賃貸人がいまだ本件各土地の具体的な利用計画を明らかにしていないこと等を理由に立退料なしでは正当事由が具備できないとした上で、借家権割合方式で借家権価格を1億3800万円と算定した。

立退き料

平成27年2月27日東京地裁判決

150万円

賃借人は立退料2354万2637円を主張した。賃借人には本件建物の使用を必要とする事情があるものの、必要性がそれほど高くないとした上で、代替物件への引越に要する実費及び数日分の休業補償に見合う分を立退料として認めた。

立退き料

平成27年1月30日東京地裁判決

2376万円(月額賃料33か月分)

 

賃借人は代替店舗が無いことなどを理由に立退料として4億9692万円を主張していた(年間売上額は2億円程度)。都市再生法に基づく再開発であり、築20年が経過していること、本件店舗の売上高は賃借人の売上高全体の1割にも満たないこと等から、借家権価格108万円と公共用地の取得に伴う損失補償基準等に基づいて求めた通損補償額(営業補償、工作物補償、動産移転補償及び移転雑費補償の合計額)2268万円の鑑定合計額を支払うことで明渡しを認めた。

立退き料

平成27年1月14日東京地裁判決

0円

主位的に債務不履行解除を、予備的に200万円の立退料と引換えに明け渡しを求めた事案。無断転貸とまではいえないものの、用法違反、高額の金銭請求をしたこと、無断で補修工事をしたこと等を総合して判断して債務不履行解除を認めた。

請求棄却

平成27年2月3日熊本地裁判決

正当事由なし

(福岡高裁においても維持)

賃貸人は自社ビルを建築すると主張するが法規制上建築できるか疑問であること、賃料が低額なのであれば増額請求手続を履践すれば良いこと、近辺で賃借人が同業を営むための建物を新規に建築することは難しいこと、賃貸人が提示している300万円の立退料では少ないことなどを理由とした。(高裁では賃貸人は1000万円の立退料を提示した。)

請求棄却

平成27年2月5日東京地裁判決

正当事由なし

建築後79年が経過し、外観が古びていること、賃貸人が実施しようとした専門家による検査への協力を賃借人が拒んだものの、賃借人が昭和19年生まれの男性であり、昭和61年頃から本件建物に居住していること、賃借人は約10年前から、本件建物のある東京都北区やその周辺地域で貨物の運送業を営んでおり、運送業収入と基礎年金で生計を立てていること、賃貸人が本件建物の所有権を取得するや、2か月余りで本件解約申入れをしていること等から、賃貸人が立退料204万円を申し入れているとしても正当事由は具備できないと判断した。

請求棄却

平成27年7月16日東京地裁判決

正当事由なし

賃貸人が使用する必要性が高いことを立証できないのに対して、賃借人が使用する必要性が高いこと、築50年以上を経た古い建物であり、築年数相当の老朽化が見られるが、その外観や内観からして、朽廃が近いものとは認められないこと、本件耐震診断評価書で倒壊の危険があるとされているが、筋交いを設置して補強するだけでも一定の耐震効果が得られるものであることは明らかであること、正当事由として立退料300万円を申し入れているものの金額の問題ではないこと等を理由にした。

請求棄却

平成27年8月31日東京地裁判決

正当事由なし

本件耐震診断書作成の際に行われた現地調査によれば、躯体のひび割れ、変形が著しいものは見受けられず、仕上げ材の剥落等もなかったこと、同診断書は、コンクリート強度調査,コンクリート中性化試験及び鉄筋調査を行わずに作成されたものであること、他方で賃借人は数十年にわたり営業していることなどを理由とした。

請求棄却

平成27年9月7日東京地裁判決

正当事由なし

賃貸人は他に建物を所有しているのに対して賃借人は家族で住む必要性が高いこと、築70年以上経過しているものの、一応居住できる状態にあって、朽廃の状態にあるとまで認められないこと等を理由とした。

請求棄却

平成27年9月10日東京地裁判決

正当事由なし

賃貸人の主張は相続税対策の必要性にすぎないこと、他方で賃借人は本件建物とは別に自宅マンションを有しているものの、年金以外に収入はなく、生活のため本件建物からの賃料収入を必要としていること等を理由とした。

請求棄却

平成27年9月17日東京地裁判決

正当事由なし

賃貸人は3億3880万円の立退料を支払うと申し入れていたが、具体的な建築計画を有していたと認めるに足りる証拠はないこと、本件鑑定結果からも建替えを必要とするような建物の劣化が存在するとは認められず、本件耐震診断においても経年劣化の程度は軽微であるとされていること、建物について耐震性が不足する場合であっても、これを取り壊して建て替えるのではなく、耐震補強工事を行うことが可能であること等を理由とした。

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                               以 上

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