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コラム - 破産事件カテゴリのエントリ

 

1 事業譲渡型とは
 
(1)   会社という事業そのものを譲渡することと、その企業を再生させるということとは論理的には関係しておりません。最近の流行として、事業の承継すなわち相続にまで配慮した事業譲渡をしようという二代目対策も講演会の材料であります。そもそも自分は引退したいので自分が育てた事業を高く処分して、その代価で楽隠居の人生を送りたいという相談も多々あります。
  しかし事業譲渡は、実は企業再生と密接に関係し、倒産業務と不可分なのです。
 
(2)  実は、事業譲渡型から事例紹介をしたいと思った原因は、ライブ ドア事件で有名な堀江貴文氏の「『刑務所なう。』ホリエモンの獄中日記195日」(文藝春秋発行)にあります。
ライブドア当時、マスコミが呼んでいた名前「ホリエモン」と呼びますが、刑事事件になるずっと前に彼が話しているという内容を伝え聞かされました。つまりホリエモンがどうしてもやりたい将来事業は、医療関係の事業と宇宙関係の事業だと言っていると聞いたことにあります。私が顧問をしている医療関係の会社と宇宙産業の会社に対して、ホリエモンの関係者より事業譲渡の話がきた際、個別に各会社社長よりこの話を聞かされました。当時はホリエモンの先見性に感心したものです。しかしながら資金力にものを言わせて事業譲渡を迫るなど顧問会社からすれば複雑な話ではあります。当時必ずしも評判のよくないホリエモンの会社に吸収されてしまうと大騒ぎになり、急遽、打ち合わせをしました。
 ホリエモンがどうしてもやりたいと思う将来事業には「さすが夢があるなあ」と感心したことを覚えております。ホリエモンは獄中においても宇宙に関係する本を読んでいることを知り大変うれしく思いました。毎日、腕立て300回には拍手を送ります。
 
(3)   宇宙関係の会社は、世界を股にかけた会社でしたが、社長の夢は圧倒的な先駆者ではあっても社会環境が追いつきませんでした。ホリエモンとの関係も、宇宙関係の顧問会社として暫くは続きましたが、ホリエモンの刑事事件となって終わりました。会社を破産整理した原因は、ある国の不誠実な対応が原因でありましたが、社長との交遊は今でも続いておりますし、当時報道されたこと以外、詳細は述べられません。会社はホリエモンの刑事裁判と並行して整理することになりましたが、社長の夢は、今後必ず実現するものと何時も応援させていただいております。
 
(4)  提案のあった医療関係の会社は事業資金に窮しているわけでもなかったため、申し出は検討させていただきましたが、最終的にお断りさせていただきました。その後のホリエモンの行く末までは予想できませんでしたが、本当に適切なアドバイスができたと自負しております。
 
2 倒産関係事件は奥が深い
 
(1)  倒産業務に関係する事業譲渡は本当に多数経験しました。
   前回コラムで書きました医療法人の破産の申立ては、事業譲渡をした後に、残り粕の医療法人について破産の申立てを行った典型的な事例です。なんだか企業再生支援機構に自慢話をされているようで、当事者である当事務所は「大袈裟な話をして」と冷めた目で支援機構を見ざるを得ません。そもそも本事件は、民事再生における事業譲渡と何ら変わりのある話ではありませんでした。当事務所のように破産業務が多く、しかも企業法務を売り物にしている当事務所では通常の当たり前の事件でしかありません。
 
(2)  そもそも当事務所は築地市場における破産整理をする専門事務所の草分けと何回か前のコラムで書きました。
「仲卸」と言われる魚介類の売買を行う魚屋さんは、東京都に認可された営業権の譲渡なくして企業整理できないのです。営業権と言っても土地所有権があるわけではありません。魚介類を売る狭い場所の使用許可がなされるだけです。(ところで築地市場は公設市場としては世界最大のものと言われるほどの規模を誇り、「猫車」の横行等びっくりするようなところです。東京都が豊洲に移転させる前に是非一度見学に行ってください)。
昔はこの営業権が何千万円という高額で取引されました。この営業権を「大卸」と言われる水産会社がピンハネしておりました。これらの水産会社は上場企業であったりして魚介類を掛け売りして、仲卸の面倒を見てきたという自負がありましたから、営業権の売却による代金は大卸が当然のように魚介代金の肩代わりとして収受していたのです。当職他3名の弁護士(実際、実現させたのは私と私が尊敬する弁護士)が東京地方裁判所に保全管理人として任命され、これらの大会社と立ち向かったのが今から10年以上昔の話です。私も名物社長に談判に行って逆にお寿司をごちそうになるなどして破産法上のルールに則った配当ができるように変更できました。
一年に3件程度を任されてきましたので、築地関係事件だけでも30件以上の会社整理型事業譲渡を取り扱ったことになります。
 
(3)   倒産業務と一括りにして説明されることが多いのですが、特別清算や民事再生は事業譲渡とセットにして申し立てられることが多いし、当事務所もセットにして提案しております。もちろん事業譲渡に応じてくれる資本家や会社の存在については、当事者である整理対象会社の皆様がもっとも情報に通じておられる訳ですから、その方々の提案に応じて会社整理の方針を立てるわけです。当然、その業界において必死で闘ってこられた関係者の方々は、その会社をもっとも欲している当事者をご存じない訳がない。しかし医療法人については専門の業者と契約して買受先を探しました。この業者は当事務所の報酬より高いのですよ。
 弁護士の仕事は、これらの意向をルーティンにのせる作業をすることです。そして従業員の皆様が継続して働く場所があれば、これに勝る業務はないと思います。もっとも築地仲卸の営業譲渡には従業員の皆様の雇用継続がほとんどありません。残念です。
 
3 倒産関係業務はやりがいのある仕事
  前回のコラムで、記録を整理していて何と倒産関係業務が多いのかと改めて感心したと書きました。私の基本が何処にあるのかを思い出すことも必要です。次回も倒産関係事件のコラムを書くことにします。

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1 前回のコラムで約束した「事例紹介」の難しさ
 
(1) 所長である私は、前回、当コラムにおいて、次回から当事務所で扱った倒産関係事件の紹介をしたいと書きましたが、プライバシーの関係や債務整理事件の大量広告の時代を考えるともう一つ気乗りがしません。所長である私は、当事務所を信頼して事件を任せていただいた依頼者皆様の信頼を壊すような形で事例紹介をすることは厳しく戒めております。
確かに奇想天外で、小説でしかお目にかかれないような事件もありました。私自身を詐欺の対象とした「素晴らしい発想?」の事件もありました。当コラムを読んでいただいている若い弁護士先生にぜひとも読んでいただきたいような法律上珍しい事件もありました。
しかし、その内容がプライバシーに関係すると判断したものについてはそのまま紹介するつもりはありません。形を変えて記載するにしましても、プライバシーというような法律論以前の問題と考えて書いてきました。つまり私のモラルに反しないと判断しない限り書くつもりはありません。
 
(2) ところが世間ではこの基準が変わってきているのですね。
二か月前のコラム「弁護士に能力差はあるのか?」で紹介した三つの事例も、既に当ホームページ「借地借家の秘訣」で記載したものであり、且つ事例紹介に支障がないと容易に判断できる事例です。
そこで紹介した事例、債務名義を得ないで行った終局的解決の「団交の仮処分」事件は整理回収機構でも有名な事件であり、当時報道もされております。その内容においても傷つく人はいないと容易に判断できます。第二の「北池袋の明渡事件」として紹介した事例、念のため本事例は、高額の明渡料を拒否してそのまま賃貸借契約を継続させるという内容で勝訴判決をとった事例ですが、私の知らない間に、いろんな学術書や判例紹介において実名入りで紹介されています。後日、当事務所の若い弁護士が明渡事件を扱うことになって種々資料を探していたのでしょう、「すごい判決があります」と私にその学術書を持ってきたのには、当事者である私だから驚きました。どうしてこの本の著者は私に連絡しないのか疑問に思いますが、当事件は既に周知の事実と言えるのです。
 
(3) しかも一昨年行った大型病院の倒産業務については企業再生支援機構のホームページに実名入りで解決の手順を含めて、事例が紹介されているのです(しかし当事務所の名前がないのは残念ですね)。
当該ホームページには、公表事例として本事件を「私的整理の事例が少ない医療法人の再生モデルを提示することを目指す」事件として紹介されております。厚生労働大臣の所見も述べられ、当時私たち当事者が何とか労働者である医師や看護師、入院患者の皆様に迷惑をかけないで債務整理できないかと日夜悩んでいたことが当機構の「支援の意義」にそのまま記載されているのです。「高い公共性」、「地域への貢献度」、「有用な経営資源」、「医師看護師への配慮」等の各項目を読んでおりますと、院長先生や事務局長の皆様との苦悩の毎日がいやでも思い出されてしまいます。
 
(4) 私が極力分からないよう工夫してきたことなど、もはや配慮の必要がないと思われるほどであります。
 
2 所謂「クレサラ弁護士」への嫌悪
 
(1)           倒産関係のコラムを書きたくない理由はまだあります。
バブル崩壊後大量広告で集客し債務整理や破産関係業務を行ってきた、いい加減な弁護士や法律事務所に対する怒りです。私は、当時東京にある弁護士会の法律相談センターを統括する東京三弁護士会法律相談連絡協議会の議長の立場にありました。これらの法律事務所は、弁護士がほとんど関与しないでも業務ができる体制を作ることを経営指標としているため、依頼者の皆様に本当に迷惑をかける事例が頻出したのです。つい最近もテレビやチラシ等の各戸配布などという集団集客をしている法律事務所が、事件放置を理由にして、依頼者に損害賠償をするように命じられた判決も出ているほどです。
また過払い金を回収しない横着な弁護士や司法書士がいるという事例についても東京地方裁判所ですら周知の事実です。私が個人再生事件の再生委員をお願いされる際にも、裁判所の書記官から注意される事項の一つであり、このような司法書士或いは弁護士は、法曹界からいなくなってほしいと考えたりします。
 
(2)      倒産関係業務に関係するコラムを書くことは、以上に述べました安直に利益に直結するビジネスと同列にみられることが不愉快でならないからです。確かに法律相談センターの委員長までやっておりましたから、皆様の債務整理から破産まで数多くの事件を処理してきました。発生当初の「闇金」の連中とも怒鳴りあいの毎日でした。それぞれ事情の異なる依頼者に対応することは弁護士にしかできないことが多いのは常識です。大量処理を目ざす法律事務所で十全の対応ができるとは思えません。弁護士が直接解決に全力を尽くさなければ良い解決などできないというのが当事務所の信念であります。
 
3 今でもあったクレサラ弁護士の大量集客広告
 
    今回倒産関係に関するコラムを書こうとしてネットを見ていて驚きました。倒産関係事件について「歳末特別価格」と称する広告ホームページがありました。私が倒産関係に関するコラムを書きたくないという気持ち、お分かりいただけるでしょうね。
 

 

 

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1 当事務所での事件記録の保管はどうしているか?
 
(1)  当事務所では、数年毎に終了した事件の記録を点検し、保管するか廃棄するかどうかを決めています。
事件記録の整理・保管の仕方について、事件として受任した段階から順に説明しましょう。このような説明をする法律事務所のコラムは見たことがありませんが、当事務所のポリシーを説明するにはうってつけの題材です。
 
(2)  事件を受任すると、決められた担当者が予め決められた一定の方式で記録の作成を開始します。事件が継続している限り、担当弁護士が事件記録を整理作成し、決められた場所にて保管します。便宜を考慮して、通常は、担当の弁護士が自らの本箱で保管することが通常ですが、巨大事件は事務所中央にある本箱で共同保管します。
ここで重要なことは、どこに保管されていても、他の弁護士や事務局も同記録を閲覧或いは自由に取り出せるシステムをとっているということです。当事務所は、他の事務所以上に、各事件に対して事務所全員で議論し、その議論に基づいて種々の対応をすることを念頭においています。したがって係属中の記録の整理には、他の弁護士や事務局が閲覧しても直ちに分かるように記録されねばなりません。常に事務所全員で全ての事件に対処しているという認識をもっていることが必須なのです。
当事務所に参加を希望される弁護士、司法修習生諸氏も、自分の個人事件であっても、同様のシステムが採用されることを了解されないのなら、履歴書の提出など絶対にしないでください。
 
(3)  事件として終了すると、通常、暫くは担当弁護士のロッカーに置かれることが多いが、閲覧の必要性があるかどうかを考慮して、共同ロッカーに移動されることもあります。当事務所では、年間かなりの数の事件を新しく引き受けています。事件として終了しても引き続き閲覧する記録もあり、保管場所には注意を払っています。
 
(4)  終了後、数年を経過して保管か廃棄の判断をすることになります。依頼者の都合を考えて判断するようにしていますので慎重な判断が必要です。しかし借りている倉庫ですら記録が溢れてしまう状況ですので、やはり10年を超えれば殆んどの記録を廃棄処分せざるをえません。事務所責任者としては7年程度を目途にして廃棄を考えるようにしています。
 
2 今回の記録整理で判明したこと
 
(1)  今回記録を整理していて受任事件に特殊な傾向のあることが分かりました。これまでは、ある地方に事件が集中したり、刑事事件とか家事事件とかが一度にくるというように、不思議に何かが共通する形で受任することが多いと思っておりました。
今回の記録整理では、10年前の平成14年頃、何と倒産関係事件が多いことかと驚きました。平成14年度を挟んで前後3年間だけでも50件以上の倒産関係事件を処理しています。
当事務所は、クレサラ事件や、破産申立を中心に派手な広告をして集客する債務整理型事務所ではありません。一つ一つの事件を丁寧に処理する所謂地味な企業法務を中心にして受任する事務所です。したがって容易に処理できる個人破産の申立のような事件は少なく、反対に処理の困難な事件が中心であり、それを誇りにして頑張ってきました。当事務所の形態では、この数の倒産関係事件の処理は相当きつい作業を要求されます。
 
(2)  この特徴的傾向は、むしろ皆さんに自慢するべき内容なのです。倒産関係事件の殆どは、東京地方裁判所より依頼された事件だからであります。中心は裁判所より選任される破産管財事件ですが、当時より単純な個人破産や免責調査型などの破産管財事件はあまりありませんでした。殆どがややこしい、入り組んだ企業倒産が中心でした。もちろん中には民事再生事件から監督委員に選任され、牽連破産によって破産管財人になったという手数のかからない事件もあります。
 弁護士になって数年後、破産管財人に任命された難事件の解決が裁判所から重宝していただくきっかけになったと思います。思いだしますと、東京高等及び地方裁判所の入る建物の18階大会議室で破産管財人の教育のため、私は指導係として呼ばれ、並みいる弁護士の上席3番目に着席させられた時、何故弁護士経験の少ない私なのかと疑問に感じたこともあります。そのきっかけになった事件は後のコラムで紹介しますが、その研修会の帰りには裁判所の刻印が押された紅白まんじゅうをいただき驚きました。
 
(3)  倒産関係事件の内容
受任事件には、平成3年より施行された個人再生手続の定着により、東京地方裁判所より選任される再生委員の事件数も入っております。施行当時、私は、第一東京弁護士会の法律相談センターの委員長になっておりました関係から、裁判所の意向を弁護士会で工夫した記憶も鮮明です。
当時週刊誌も賑わした珍しい事件としては、会社からは民事再生の申立があったものの、債権者はそれに反対して破産の申立をした事件もありました。裁判所からは、調査委員、保全管理人、そして最後に破産管財人に選任されたこともありました。このような事件は、画一的な処理を要求される債務整理型法律事務所で取り扱えないことは明らかです。
 
(4)  当事務所の専門性
そもそも私は、築地でいわゆる「仲卸」と言われている魚の競りをされる会社の破産申立事件を、裁判所の依頼により受任する数名の専門弁護士の内の一人であり、そのパイオニアであります。このようになった経緯も後に当コラムで紹介しますが、仲卸の破産の場合には、築地市場で営業する権利、通称「営業権」という権利の売却が争点になります。破産になると都条例により営業権譲渡ができませんので、先ず保全管理人になって営業権を売却し、その後に破産決定、すなわち私は破産管財人に選任されることになります。
昨年、東京地方裁判所より、この保全管理人の制度をもっと効率的に運用したいとの話があり、通常の民事再生事件(後に破産事件に発展)において調査委員、保全管理人に選任されました。
 
  3 今後の動向は?
 
     現在、裁判所での倒産事件申立件数は爆発的には増えておりません(近時多少増加傾向)。中小企業金融円滑化法が効果をあげているという説もあり、破産事件の内容分析によると、そのように判断できるとも思います。因みに、当事務所における個人再生事件の現在の事件番号は700番の後半でありますが、昨年の同時期においては1100番台でありました。すごい減少率ですね。このアンバランスこそ、現在の社会・経済状況が「踊り場」にあることを示していると思います。しかし、来年春には、中小企業金融円滑化法の終了が予定されており、踊り場から、「良く」か、「悪く」か分かりませんが、激変するのではないでしょうか。
「悪く激変しない」ことを祈りながら、暫くの間は、体験した倒産関係事件を本コラムにてご紹介することにします。
 

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