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近時認められた立退き料の金額

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借地借家

 

一  当事務所が数多くの立退き案件を取り扱っていることは、これまでいくつかのコラムの  中でお話しした通りです。
 
二  当事務所は、主として貸主又は不動産業者の立場から受任することで多くの成果を挙げておりますが、借主から依頼を受けることもあります。
    以前のコラムにおいて、借主から依頼を受けた事案で賃料200ヶ月分の立退き料を獲得した事案を紹介いたしましたが、つい最近も賃料100ヶ月分を超える立退き料を獲得した事案もございます。
    近時の裁判例は、耐震性に関して貸主の立場である正当事由の認められる可能性を増大させているように見受けられます。
   注意されねばならない論点が増えております。
 
三  近時、開発案件などで立退きのご相談を頂く機会が増えておりますので、改めて立退き料の動向についてご紹介させて頂きます。

立退き料
平成26年12月19日東京地裁判決
3237万3000円
耐震性能不足に起因する本件建物の取壊しの場合、賃貸人だけに負担させるのは相当でない。立退料は、賃料差額を1344万円(〔月額新規支払賃料206万円−月額実際支払賃料150万円〕×補償期間24か月)、一時金運用益を32万8000円(〔新規月額賃料206万円×10か月−本件賃貸借契約の保証金1240万円〕×運用利回り2%×2年)、新規契約に関する手数料等及び移転費用、営業補償費、内装費補償費、広告宣伝費等を1860万5000円とした合計額とする。
立退き料
平成26年12月10日東京地裁判決
3318万9825円
(賃料の36ヶ月分超)
立退料は、移転までの空白期間について、本訴提起前の交渉経過とほぼ同程度の期間である約1年半程度と想定し、その間の賃料等相当額に直接剰余を加えた程度の額とする。
立退き料
平成26年7月1日東京地裁判決
5120万円
5215万円
180万円(賃料約2年分)
立退料は、移転実費、借家権そのものが有する財産的価値(借家権価格)及び営業上の損失に対する補償額を考慮した上、そのうち立退料以外の事情による正当事由の充足度を踏まえた一定額とする。
左記はいずれも異なる店舗である。借主が平成25年8月以降営業を行っていない状況を考慮している。
立退き料
平成26年4月17日東京地裁判決
124万8000円
(賃料6ヶ月分)
借主は既に本件建物での営業をやめているのに対し、貸主は道路拡幅工事のための用地買収に応じるために本件賃貸借契約を解約して本件建物を取り壊す必要がある。
賃貸人からの解約申入れの猶予期間が本件賃貸借契約において6か月間と定められていたことなども考慮している。
立退き料
平成25年12月11日東京地裁判決
215万円
借主が家財を搬出して退去する費用相当額、新たな賃貸物件等住居を確保するために要する費用相当額、相当期間についての当該物件の賃料と借主が本件貸室について支払っていた賃料との差額相当額を考慮している。
立退き料
平成25年6月14日東京地裁判決
4130万円
耐震補強工事に代えて建替えを行うことは貸主にとっても費用対効果上メリットであること、建替えが結果的にもたらす敷地の高度利用化という利益も専ら貸主が取得することなどを総合考慮し,借家権価格(鑑定の結果)の半分相当額とする。※賃料月額315万円
立退き料
平成27年3月20日東京地裁判決
0円
木造住宅であり、少なくとも増改築前の部分についてはその建築から50年を優に超えていること、貸主は現在67歳の単身生活者であること、50年を超える長期にわたって本件建物の所在地を生活の本拠とし今後も本件建物を建て替えて同所で生活する意思を有していることなど貸主側の立場を考慮している。
他方で、借主における本件貸室の用途は専ら経理関係の書類等の保管にすぎないことを考慮している。
立退き料
平成25年1月23日東京地裁判決
0円
耐震性能を現行法の水準にまで高める工事をすることは建物所有者として合理性を有する。本件建物の耐震性能は相当低く、倒壊する危険がある。残寿命は10年程度であり、本件建物を取り壊して新たな建物を建築する等する必要性の高いことを考慮している。
他方で、借主は、本件建物を居住用に使用しているわけではなく、現在は転借人もいない。借主は自ら賃貸物件を多数抱える不動産業者であり、新たな物件の調達にさしたる困難があるともいえないこと等を考慮している。
請求棄却
平成25年9月17日東京地裁判決
正当事由なし
 
建物の倒壊の危険性から取壊しを要すると主張する以上、貸主は本件建物の倒壊の危険性を具体的に立証することが必要であるが、本件建物の耐震性について耐震判断審査を行っていない。なお、貸主は立退き料を支払わないと明言していた。

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